2013/01/27

塔ノ沢温泉 福住楼

塔ノ沢の名宿、福住楼に再訪した。館内を見学させていただき、大丸風呂と家族風呂、岩風呂に入浴させていただいた。



大丸風呂は木製の浴槽で銅の縁のやや大きな円形である。直径2メートルほどで3.4人入れる大きさである。単純温泉を掛け流しにしている。となりが小丸風呂でこちらは真鍮の縁である。



この浴室棟が良い、白木造りで清楚な雰囲気である。簡素な透かし彫りの欄間が付き、天井もほどほど高く良い浴室である。家族風呂は四角い大理石の浴槽で小さなものである。一人用であろう。



初めて入ったのであるが岩風呂があり大き目な浴槽で石組みである。熱い湯であった。



部屋を見学させていただいたが2階の川沿いの部屋は景観が美しい。渋温泉の金具屋のような凝った意匠ではないが、正統派のしっかりとした客室であった。



大広間が奥にあり、このような小さな宿でも大広間が付いているのに驚いた。各室は離れのような棟が分かれており、多棟式という。





 

姥子温泉 秀明館

箱根に久しぶりに来たら、行きたいのは足元湧出の姥子秀明館であろう。ここは日帰り専用になりこれで2回目である。その前の名物おかみがいた時には3回来ている。



各室の内装を改修して風雅な造りになっている。ここで3時間の休憩込みで一人2300円の入浴料金である。しかし今回は満室で15時からの入浴のみにした。これでも1800円である。休憩付きが安く感じる。



今回の源泉は絶好調であった。白糸の滝の小さいのが出ており、洗い場の床に溢れて流れ去っていた。熱い湯で48度から50度くらいの湯である。



浴槽は熱交換され適温の湯が入っている。源泉の湯では熱くて入れないであろう。そういう意味でこの改修は良かった。48.4度の単純温泉で水素イオンが0.51㎎含有され酸味がある。透明、少酸味、無臭であった。

2013/01/14

1  小屋原温泉 熊谷旅館  再訪  95

小屋原温泉は大好きでこれで4回目であるが、西日本でオフ会をするなら小屋原温泉にして、4か所の浴槽を次々に入浴し、温泉三昧をしたく思っていた。



この度、湯達入郎さんも参加していただき15人ほどの会になった。小屋原温泉は国内でも有数な炭酸泉で過去の分析表によると3100㎎であった。



今回行ってみると新分析表があり759㎎に大幅に減少していた。分析表上によると、単なるNa―Cl(食塩泉)の37.8度である。総計7350㎎でちょうど良いだし汁のような食塩量である。



しかし炭酸が759とは信じられない。4か所の湯はどこも身体じゅうに気泡が付き、湯口は炭酸刺激臭が強く、味覚は塩味の炭酸サイダーである。



炭酸の分析は源泉からの試料の採取方法によって1000㎎くらいはすぐに変わってしまうというが、それを痛感した。



4か所の浴槽は一番奥が木の浴槽で床の析出物が多い。泡付きも多い。奥から2番目の浴槽はコンクリートの小さな浴槽で析出物で変形している。床にも析出物が多く一番個性的な浴室である。



泡付きも浴槽が小さい分だけ多く、一番良い浴室であろう。奥から3番目の浴槽は小さなコンクリート浴槽で楕円形である。一番手前の奥から4番目の浴槽は泡付きは少なくなっている。



しかし湯量は多く炭酸刺激臭はある。毎分30.8リットルであるが4か所の浴槽を掛け流しにできるのである。温泉は使い方が一番大切である。



この温泉は非常に使い方がうまく感動的である。ややヌルいがゆっくりと楽しめる温泉で国内でも屈指の炭酸泉であろう。素晴らしい温泉をこれからも大事に守ってもらいたいと願う。





2  某温泉 源泉野湯    90

某温泉の源泉は凄い量の自噴の川であった。崖地と洞窟内から豊富に湯が沸き出し川になっている。温度も36~37度ほどある。



温泉地で使われているのは、そのほんの一部にしか過ぎなかった。炭酸臭でむせかえるほどの大量な源泉が斜面から湧出していた。洞窟の中は炭酸が充満し危険である。



入口で息を止めて窒息するのをこらえて入浴した。



この温泉は湯本館で利用されているとは聞いていたが、ほかの源泉は違うのであろうか?薄褐色の湯で炭酸塩味、炭酸刺激臭である。



湯口は大きく2か所あり、崖地から大量に湧出するものと、洞窟から湧出するものである。



その下にコンクリートの四角い桝がありそこでも入浴できる。桝から溢れ出る源泉が直径20センチほどの湯の柱になっている。ここでも浴びることができた。



推測すると毎分1500リットル以上の湧出量であろう。温泉が川になって流れ去っている。

 

3   某鉱泉 垂れ流し   70

某温泉の傾斜地から平野に出たところ、裾野に鉱泉が涌いていた。道路沿いで湯が塩ビ管から垂れ流されている。透明、エグ味、少金気臭である。



ただの水ではない。けっこう成分が含有されており、含食塩重層泉だと推測した。

最近は野湯や垂れ流しなどに行くことが多く温泉であるかどうか、その場で判断する。ここは1グラムを超えた塩類泉であろう。しかし温度がなく、常温である。20度前後だと思われる。



ここに簡易式コンテナバスを設置して入浴した。すこし離れたところに全員待機して、ひとりずつ入浴した。湧出地は道路下になるので車からは見えない。

 

4  湯抱温泉 湯抱荘   75

湯抱温泉は過去に中村屋旅館しか入浴しておらず、ほかの青山旅館はいつも入浴のみ不可である。今回は川の対岸にある、湯抱荘に入浴した。



総計4560mgの重曹食塩泉(Na-Cl,HCO3)で炭酸分は928mgとわずかに炭酸泉に届いていない。鉄分が13mgで比較的多い。



17.6度の鉱泉である。PH6.1である。ここは浴槽が茶褐色に染まっているが、析出物は少ない。
湯は茶褐色に濁り、塩炭酸渋味で少金気臭である。



加熱掛け流しであるが、まだ湯が半分しか溜まっていなかった。湯は加熱で劣化しており、炭酸分も抜けている。鉄分が析出始めており赤褐色になっている。

 

5  湯抱温泉 なかだ   80

川沿いの道路際の小さな宿、なかだにも入浴した。こちらの分析表も湯抱荘と同じであるが湯が新鮮であった。透明、炭酸味強し少塩味、炭酸刺激臭あり。と観察した。



こちらの方が新鮮で、湯抱荘のように赤くなっていない。



また透明でクリアーな炭酸泉といった源泉の使い方である。同じく加熱していながら湯の感触が違った。地下の鄙びたコンクリート浴槽と一人用の小さな家族風呂で入浴した。





6 千原温泉 千原温泉湯治場  再訪  90

千原温泉は私が一湯入魂温泉に載せてから訪問客が増えたそうである。三朝の大橋とセットで来る人が多いそうだ。



さて足元湧出の源泉浴槽である千原温泉は34.5度で総計11540mgと等調性の濃さを持っている。



CO2-Na-Cl,HCO3(含炭酸重曹食塩泉)である。CO2は1176mgでFeは4.6mgである。しかし足元から炭酸がぶくぶくと湧出し続け茶褐色に濁った湯で存在感は大きい。



析出物も縁に沿って付いておりなかなかの浴槽である。すばらしい温泉である。



7 井元の湯温泉 野湯木製ケーシング足元湧出  80

渓流沿いの滝の見える綺麗な景観の岸に丸い木製のケーシングが埋まっており、足元から温泉が湧出している。



10グラムほどの塩の濃さで炭酸量も2000以上あるであろう。鉄分も多く濃い茶褐色でオレンジ色である。



強炭酸味と塩味で無臭であった。入浴すると10度台の冷たさである。さらに炭酸泉の体感清涼感でこの上なく冷たく感じた。木製ケーシングのみの野湯である。



山陰には炭酸を含む食塩泉が湧出することが多くほとんどこの泉質である。しかしここは炭酸が多く、塩味もしっかりした濃い温泉であった。



8 酒谷の湯温泉 四角い木製浴槽垂れ流し野湯   80

井元の湯と同じような川沿いの源泉垂れ流し。こちらは足元湧出でなく樋から四角い木製の浴槽に源泉が注がれている。



ここも10グラムくらいの食塩泉で濃い茶褐色に濁り、塩味炭酸味で金気臭の温泉である。炭酸含有量は1500㎎くらいか?



渓流の上にあり川の流れと四角い赤い色の露天風呂との取り合わせが絵になった。しかし入浴は冷たく、炭酸清涼感でしびれるようであった。



野湯垂れ流しであった。まさに温泉道は修行であると痛感できる温泉であり、このように冷たいのが連続すると芯から冷えて辛いものがある。

 

9 頓原温泉   頓原ラムネ温泉    75

以前、頓原温泉は公共温泉施設で入浴したが今回、新築されラムネ温泉として営業されている。小さな内湯と貸切の浴槽が1つである。



内湯は加熱浴槽のみで赤く濁った湯であるが、貸切湯には源泉浴槽も付いており炭酸泉の味覚と清涼感、赤い加熱浴槽と隣り合っており、入り比べられる。



CO2-Na-HCO3、Cl(含炭酸食塩重層泉)で14.5度である。CO2は1400㎎である。総計3620㎎で塩味は薄い。クリアーな炭酸泉といった感じである。



加温浴槽は茶褐色、炭酸は抜けてエグ味、無臭で、源泉浴槽は緑色で炭酸味、塩分は少ない、少金気臭であった。これでも野湯の炭酸量から比べるとぜんぜん少なく、垂れ流しや足元湧出の下津井、井元、酒谷などの強力炭酸泉に比べると弱い。



しかし事前に貸切湯を予約して行ったので待つことなく源泉浴槽にも入浴できた。そして加熱によって炭酸が抜けるのもよくわかった。外に源泉飲泉口もあるが炭酸は1400とは思えないほど抜けていた。

 

10 塩が原温泉 掛合まめなかセンター   75

道路沿いにある温泉センター、公共の施設のようだ。総計6570㎎のNa―Cl,HCO3(重層食塩泉)で透明度30センチの赤褐色、塩エグ味(重層味)、えびせん臭であった。



18度の源泉が毎分44.3リットル湧出し加熱しながら掛け流しである。赤い色はFeの5.2㎎であろう。CO2も722㎎と多量に含有しているが加熱によって無くなってしまっていた。



まあまあ存在感のある湯であろう。炭酸が残っていればさらにベターであろう。内湯1つだけの簡素な施設であった。





 

 

 

2013/01/04

1 温泉津温泉 某旅館  洞窟風呂(薬師湯源泉)  90-

温泉津温泉は10年ぶりくらいであろうか?久しぶりである。元湯の赤い塩苦味で炭酸味のある源泉を思い出す。しかしかなり熱いのである。薬師湯の源泉のほうが少しヌルい。小浜温泉もきれいに改修されていた。



さて元湯と薬師湯の間にある、温泉地の中心とも言ってよい場所にあるのが某旅館である。ここは薬師湯源泉を引いており、一つだが内湯がある。これが文化財もので素晴らしい。手掘りの洞窟なのである。



温泉津温泉特有の析出物が床に付き風格が出ている。うろこのような析出物で覆われ何枚も写真を撮った。7グラムほどの食塩泉で炭酸を含み味覚にははっきりと炭酸味が感知できる。鉄分もあり赤い湯である。



2階建ての小さな湯治宿である。



しかしすばらしい宿で、浴槽は90点クラスである。良い宿にめぐりあった 。食事の量が大変多く、料理が次々と出てくる。1万円以下でこの料理はすごいと思った。まず鯛の尾頭付きの丸焼きが付き、つぎつぎと料理が出て私はご飯を食べるまでもなく料理の途中で満腹になった。



2      温泉津温泉 薬師湯  再訪  80

翌日の朝に薬師湯に訪問した。曲線の外装の共同湯で白く塗られ洋風である。隣にある洋館は立派な造りで、ここの資料館および休憩所になっている。



外観は洋風で富士屋ホテルの旧館のようであった。内部も古いままであるがきれいに掃除されていてツヤツヤと光っている。さて温泉は8.5グラムの食塩泉で炭酸も含有しており、透明、炭酸塩味、無臭と観察した。




中央に円形の浴槽がある以前から変わらずのもので析出物で浴槽がドレープのようになっている。相当の長い歴史であろう。隣の白い洋館と合わせて国内でも珍しい共同湯である。



3      湯の原温泉 某個人宅  再訪  85

この温泉は何回も行っている。この地域に行くと必ず寄るのである。しかしばあちゃんはすでに居らず。無人の家になっている。正面の特別養護老人ホームの管理となっており、ここに断って入室させていただいた。



以前のまま玄関先の源泉が溜まっている浴槽があり、ポンプで隣のポリバスに汲み上げる方式である。源泉の湯溜りに入浴した。濃厚な泥が堆積しており泥湯になっていた。



32度ほどの源泉である。赤褐色析出物多し、炭酸塩味、無臭である。10グラムほどの含炭酸食塩泉であろう。ここは庭先の小山から自噴しているのでこの状況は続くであろうが、だんだんと朽ち果てて行くのであろう。



しかし特養で改修して源泉を引かれでもしたらまた一大事である。このままが一番良いのである。

 

4     某温泉 ケーシング浴槽足元湧出野湯   80

某温泉の道路沿いにケーシングが突っ立っており、炭酸の強力な湧出とともに源泉が涌いている。湯面は炭酸の湧出で沸騰状態である。



ここは炭酸が強く食塩は弱い、純な炭酸泉であろう。このケーシングは高さ2メートルほどで、下に台を置いてそれを足掛かりにして入浴する。



入浴すると足は底につかないので途中の配管に足を乗せて入浴した。冷たい鉱泉で20度ほどであろう。



炭酸泉の強烈な清涼感が体中にしびれ温泉とは修行であると痛感させられる温泉であった。コンクリートのケーシング管(ヒューム管)は茶色に染まり、鱗のような析出物が一面に付いている。

炭酸の味覚が強く、炭酸分1500㎎以上だと推測した。なお垂れ流されている源泉は携帯コンテナバスに入れてこちらでも入浴できるようにした。

 

5      某廃業温泉 五右衛門風呂  再訪  75

以前、廃業前に訪問した温泉。その時は男女別の内湯で玉石を積み上げた浴槽であった。特に個性はなく、この地域特有の炭酸分が感知できなかった。



今回源泉槽からホーローの五右衛門風呂に源泉を水中ポンプで入れ、薪を焚いて入浴した。微褐色、少エグ味、無臭で規定外であろうが宿のおばあちゃんは薬湯と言っていた。



おそらく鉄分の入った鉱泉であろう。珍しく炭酸分が入っていない。宿の前に川が流れているが川底から至る所で温泉が湧出し、気泡が出ている。



私は入らなかったが同行者はみな川の中で入浴していた。薪で沸かす浴舎の風情が絶品でこれ以上の鄙びはないであろうと思える小屋である。湯が沸くと透明であった湯はやや薄茶色になった。やはり鉄分があるのだろう。再訪であるが貴重な体験ができた。



 

6      某温泉 源泉浴槽及び地元専用浴舎   85

この温泉は地元専用の湯小屋があり、鍵を借りてから入浴する。事前に許可を取っていた。鍵を借りに行っている時間に湯小屋の上に源泉浴槽があることを発見し、蓋を開けてみると白褐色(ヤクルト色)の色で、少炭酸味+塩味の源泉があった。



みなここで入浴した。湯は炭酸を充分に含み体感清涼感が強かった。



炭酸の味覚はそれほど多くないが、入浴してみると局部が沁みて不思議な温泉であった。匂いは少ない。湯小屋の浴槽は家庭用ポリバスが1つである。



加熱ボイラーが付いており加熱して入浴した。源泉掛け流しで加熱して入浴した。この湯小屋も風情があり鄙びていて良い雰囲気である。



中は浴槽1つと畳の休憩室であった。湯は加熱すると赤褐色に変わり鉄分が含有されているのがわかる。体感清涼感もなくなっていた。炭酸量は下津井温泉の半分以下で700㎎くらいと推測した。しかし塩味があるので含鉄食塩泉であろう。



 

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