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北海道
2012/03/11 北海道 

道南の温泉4か所 

1八雲温泉 おぼこ荘  内湯が新鮮で良い 85

ニセコから一気に走り八雲町のおぼこ荘に行った。以前この温泉は暗くなってからの訪問であったので明るい時に入浴したかったのである。

 

内湯は薄褐色に濁り、露天風呂は茶褐色になる湯量豊富な温泉という良い記憶があったが、今回もその通りであった。45.5度の重曹食塩泉で総計3831mgである。鉄分を1.7mg含有し赤くなるのである。毎分600リットルという豊富な湯量である。

 

Na 662mg Ca 171mg Cl 731mg HCO3 1220mgという組成ながら遊離炭酸(CO2)も622mg含有し個性的な源泉である。

 

大きな内湯は大きな岩組の大岩風呂で渓流に沿った露天風呂はすこし下ってゆく。露天風呂の湯が流れた先には只見の湯倉温泉のように析出物の小山が出来ていた。薄褐色、炭酸清涼味+塩エグ味、香ばしい金気臭と記録した。成分以上に塩味があった。内湯は新鮮なために炭酸に拠る体感清涼感も感知出来た。

 

2天然温泉 和の湯   この湯は絶品だ16グラムの食塩泉掛け流し 90

高速道路の八雲インターの近くに出来た温泉施設。ここの浴室の扉を開けたとたん感動した。掛け流しの湯が溢れ御影石の床に奇麗な波紋を作って流れていた。これを見て新鮮な湯だと分かり期待に満ちた。

 

入浴してみると緑褐色の湯で、16グラムの塩味がある。香ばしい金気臭があり良い湯である。新しい民家のような2階建ての小さな施設である。

 

44.5度の強食塩泉で総計16680mgである。入浴してみてさらに良かったのは泡付きがあることである。掘削現場での新鮮な湯に入浴したような気分になった。良い温泉を発見した。

 

1000mの掘削だそうだが名湯である。毎分270リットルの湧出量であるが内湯に多くを使っており、露天風呂も掛け流しであった。この後、魚住金婚湯温泉に訪問したがカラであった。翌日も不可であった。

 

3上の湯温泉 銀婚湯  宿泊8グラム前後の芒硝食塩泉  85

銀婚湯には古くから訪問している。最初は混浴の長い内湯が混浴でその次はその中央部に仕切りが出来て男女別になり、今回15年ぶりくらいだが新たに女性用浴室が出来ていた。

 

さらにトチニの湯やもみじの湯、かつらの湯などが出来ていた。銀婚湯の立派なところはエントランスに至るアプローチの清々さである。下草が刈り込まれた美しい庭が訪れる人の目を奪う、新緑の美しいアプローチが美しい庭園になっており、玄関に到着するまでに素晴らしい演出をする。

 

木造2階の瀟洒な玄関棟がある。今回、この旧館の2階角部屋になり良かった。露天風呂のある庭園も自然風ながら良く手入れさた美しい庭になっている。5本の源泉がありその分析表があるが、使い方でさらに浴槽分析表も3枚ある。

 

内湯や付属の露天風呂などで主に使われている湯は4本の混合で10%加水の6708mgの食塩泉である。トチニの湯は独自源泉で重曹食塩泉で8622mgである。もみじの湯とかつらの湯は2本の混合で7606mgの重曹食塩泉である。どれも芒硝も含む源泉である。

 

つまり食塩泉を骨格に2割ほどの重曹と2割にはすこし足りない芒硝を含む源泉である。温度が高く64度から90度に至っている。トチニの湯の独自源泉のみは濃いが49.9度のものだがそのまま使える利点がある。

 

内湯大浴場は20m近くの長い浴槽で大岩を組んで造られた立派な浴槽である。大きな容積であるが高温の湯のために適温が実現できている。露天風呂は美しく造られた庭に面していて寛げる。薄濁り、塩味エグ味(ダシスープのようで美味い)、油臭あり。と観察した。つるつるの感触も弱いながら感知出来た。

 

この湯は高温の源泉に多い油臭があり個性的であった。4本混合源泉で遊離炭酸(CO2)は242mg含有されている。翌日朝に女湯であったこもれびの湯が男性用になったが同じ源泉である。木枠の内湯と風情の良い庭園露天風呂があった。

 

この温泉宿の雰囲気の良さは庭の造りが良い点であろう、疎林であまり手を掛けないように見せる手法ながら自然林のように美しい。エントランス周囲の林の雰囲気は素晴らしい造形を見せている。盆栽の中に人が入ったような気持ちになる。玉石を敷いた通路に沿って露天風呂に行く。途中にかなり揺れる吊り橋で川を渡りトチニの湯に行った。

 

ここは大きな木の幹を刳り貫いた露天風呂と四角い露天風呂の2つの浴槽がある。渓流に近く川の流れが美しい。さらに途中の林が美しい、白樺林、唐松林などカレンダーの写真になりそうな美しさで、あとで写真を見て美しさに驚いた。

 

トチニの湯は刳り貫きの浴槽には少しながら析出物も付いていた。このトチニの湯は緑色に濁り、塩エグ味は混合泉より多く、湯の香(えびせん臭)があった。

 

かつらの湯は大岩の上に刳り貫きの浴槽があって、その岩に階段で登ってゆく変り種の浴槽である。高いので川が見える。薄濁り、塩甘味で硫酸塩の薬味もある、油臭多しであった。この2本の源泉のどちらかが油臭の元であろう。

 

もみじの湯は川岸の岩を浴槽にするように刳り貫いたもので薄褐色、塩重曹味、油臭であった。それぞれ野湯のような風情で途中の遊歩道の美しさに感動して入浴した。

 

4桜野温泉 熊嶺荘   記憶が薄れていたので再訪  80

銀婚湯のある落部川の一つ北側にある野田生川に沿って遡上する温泉地、渓流に沿った林の中の一軒宿である。55度の食塩泉が毎分140リットル湧出している。等張性には及ばないが総計4307mgのやや濃い目の温泉である。

 

CO2を356mg含有し長年かけて析出物が成長し、内湯の浴槽の縁には10センチほどの厚さで付いている。川に沿った露天風呂もある。ともに掛け流しである。ささ濁り、塩味+少重曹味、ほぼ無臭と観察した。

 

以前訪問した時には露天風呂はなく内湯のみであったが11年前に新設したと言う。それ以前の訪問であったので記憶が薄くなっていたが良い食塩泉であった。

 

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2012/03/07 北海道 

北海道の極上名湯4か所

1小金湯温泉 まつの湯  オーバーフロー循環だが硫黄臭があり良い。 75

小金湯温泉は古い記憶で鄙びた浴槽に入浴した記憶があるが。この度再訪してみると、湯元小金湯もまつの湯も新築になっていた。20年近く行っていなかったことになる。

 

この温泉は硫黄臭のする温泉で今回は湯元小金湯に入浴しようとしたが循環と聞いたので、オーバーフロー循環のまつの湯のほうが少し良いかなあと思いまつの湯の方に入浴した。

 

29度の単純硫黄泉で硫化水素イオン(HS)が2.1mg、チオ硫酸イオン(S2O3) 1.0mgで規定になっている。H2Sは0.1mgである。しかしこれだけ少量のHSながら良く残っており、薄白濁した湯で硫黄臭のする良い温泉であった。内湯が2つの浴槽、露天風呂が一つあるが露天風呂は薄く硫黄分の個性はほとんど残っていなかった。しかし内湯は色と匂い、味覚にもはっきりと硫黄分が残っていた。オーバーフロー循環殺菌ながら薄白濁、たまご味、焦げ硫黄臭ありと観察した。

 

2豊平峡温泉  析出物が凄い 90

木造2階建ての外壁に丸太を並べて貼り付けたアイヌ風の建築の小さな温泉施設、しかし湯が素晴らしく感動的である。52度の食塩重曹泉で総計2613mgの源泉は豊富に湧出し、毎分450リットルの湧出量を誇っている。内湯に3浴槽、大きな露天風呂ともに豊富な掛け流しである。

 

特に凄いのが、内湯の床に析出したうろこ状の析出物である。でわの湯や矢立温泉よりも多く厚く析出しており、足が痛いほどである。遊離炭酸を400.7mg含有し炭酸カルシウムが多量に付いていた。

 

それに比べ大きな庭園露天風呂には石が茶色に変わるくらいの少量の析出物しかない。内湯の床に掛け流される量が多いのであろう。凄い析出物である。生き物のようなうろこの連続で美しい波紋になっていた。

 

露天風呂はたいへん大きい長く造られ30m近くの大きさになっていた。大きな岩組の庭園風露天風呂である。湯は微褐色に濁り、エグ味強く、炭酸味もある。少金気臭で存在感のある湯で良い。

 

源泉からタンクを経由することなく直接掛け流しにしていることを大きく謳っており、新鮮な湯であった。52度という高温ながら炭酸分を残し、味覚に残っているのが素晴らしい。

 

 

3ニセコ昆布温泉 ニセコグランドホテル 湯量豊富で素晴らしい 85

ニセコ昆布温泉は鯉川温泉で入浴したのみで、この度グランドホテルに入浴した。洋風のホテルで分析表の掲示はなく、探してもらったが無かった。68.8度の重曹食塩泉であることだけわかる。

 

茶色に濁った湯で内湯に2つの浴槽。大きな混浴露天風呂が一つある。湯量豊富で露天風呂では次の浴槽に流れるところは小川のようになって流れている。シンプルな内湯はやや大きめな浴槽と高温湯と書かれた小さめな浴槽の2つがありともに豪快に掛け流されている。

 

上の高温浴槽から3段の滝のように湯が流れていた。茶褐色濁り、エグ渋味、湯口香ばしい金気臭と観察した。露天風呂は源泉が熱いので少量加水しているが凄い広さである。大きく3つの浴槽になっており緑白濁、エグ渋味、湯口香ばしい金気臭である。濁り湯の掛け流しで大露天風呂が印象的な温泉であった。

 





4ニセコ薬師温泉   足元湧出の良い温泉は変らず 95

森の中に赤いトタン屋根の薬師温泉は以前と変わらずに営業されていた。ここは5回目である。内湯の濁り湯浴槽、透明浴槽、露天風呂の3ヶ所とも足元自噴温泉で温度もややヌル目ながら適温である。露天風呂はヌル湯である。

 

濁り湯の分析表では36.3度の重曹食塩泉で総計2613mgで遊離炭酸(CO2)507.5mgである。鉄分はFe2+3で0.6+3.1mgである。このため赤く濁るのであろう。茶褐色に濁り(25センチ)炭酸渋味。少炭酸臭、である。

 

底は大きな石がごろごろしており足元がやや悪い。全体から湧出しているのか湯の出口の穴からは多めに流れさっている。一部気泡が立ち昇っている部分もあり法師温泉のようである。

 

透明湯は37度の重曹食塩泉で総計2702mgである。遊離炭酸(CO2)628.9mgと多く透明な湯である。鉄分はFe2+3 2.7+1.1mgと濁り湯よりも多いがFe2が多いのと湯量の多さで新鮮なために透明なのであろう。底が透けて見え大きな石が平滑に埋まっている。その周囲から湧出しているのであろう。湯は片側の縁より溢れ出てざばざばと湯量豊富である。以前は男女別の仕切りは湯の上だけであったが今回は底まで仕切ってあった。

 

濁り湯も透明湯もともに体感清涼感があり、37度という温度であるがより高温に感じられヌルイとは思わなかった。露天風呂はすこし上流の林の中にあり、緑色の湯が流れていた。重曹泉特有の藻のような析出物が浮いていてやや清掃が足りないと感じた。



しかし自然のままの野湯だと思えば充分である。この温泉は全国でも数少ない足元湧出源泉でしかも3つあるという貴重な温泉であり、また泉質もすばらしく高い評価としたい。

 

 

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