1勝浦温泉 らくだの湯
景観と新鮮な湯で高い評価
翌日の朝、らくだの湯に行った。宿泊者でも渡船業者に料金を支払う。完全予約制の1時間の予定である。朝8時半、9時半、午後15時、16時の4回出る船に乗る。私は8時半の船で行った。
奇岩絶壁の勝浦湾内を走り、らくだ岩の前にある岩壁に接岸した。ここは島ではなく陸地であるが、浴槽の両側が岩壁で陸路では行けないのである。船の舳先で岩の突端に接岸しそこから崖に上陸するのである。素晴らしい光景で、らくだ岩との間は潮の流れが急で、渓谷のようである。
2つの浴槽があり美しい景観の中で天然岩に掘り込んで石貼りの露天風呂が造られている。透明、たまご味、硫黄臭の単純硫黄泉でここの岩壁より湧出している源泉である。温度も適温で素晴らしい条件の揃った温泉である。
塩分は少なく湯川温泉の泉質に似ている。大量に湧出した温泉は掛け流されそのまま溢れて海に落下している。らくだ岩の後ろには紀伊の松島とも言える上に樹木を乗せた三角形の島々が見え絶景である。そのうち海蝕洞窟のある島が見え、その中を船が通り抜けられそうである。
このように絶景の海岸に天然温泉が湧出し、適温で掛け流されているというのは貴重な自然遺産であろう。湯の泉質も良く、絶景であるこの温泉は素晴らしい天然の妙であると思った。
勝浦 脇の谷温泉共同湯
15時から営業で未湯
2阿曽温泉
炭酸分 2744mgは国内屈指 鉄分10.4mgも多い
しかし加水、循環、濾過で最低。炭酸分残っていない
阿曽温泉は以前、源泉の池に入浴した。炭酸を含む食塩重曹泉で薄褐色に濁る湯で存在感があった。線路脇の桝で入浴していると列車が通り面白い写真が撮れた。このたび近くを通ると新しい施設が出来ており学校の校舎を利用した日帰り温泉である。内湯一つのみの簡素な温泉である。
分析表を見ると27.3度の含炭酸土類食塩重曹泉(NaCa-HCO3、Cl)で総計10350mgである。Na 1651 Ca 453 Mg 98.9 Fe 10.4 Cl 1790 HCO3 3272という食塩を含んだ重曹泉である。また炭酸ガスの含有量も多く2744mgと国内でも屈指の値である。源泉に入浴した時には炭酸を感じたがこの温泉施設では加水、循環、加熱のため炭酸分がまったく残っていなかった。透明ささ濁り、少エグ味、無臭と個性のほとんどが無くなっていた。
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1 湯川温泉 喜代門の湯
温度もあり、大掛け流しは良い
湯川温泉では、かつて古い施設で入浴した場所に新しく喜代門の湯の日帰り温泉施設が建っていた。向かいのゆかし潟に建っていたビルの旅館は解体され更地になっていた。以前はつるつるの湯で掛け流しが多かった記憶であるが、この喜代門の湯も同じ湯であった。
タイル貼り内湯のみの温泉施設で、つるつるの湯が大量に掛け流しされている。透明、少たまご味、ほぼ無臭という観察である。和風瓦屋根の入母屋のエントランスに曲線のついた廊下がある。瀟洒な建築である。
40.8度の単純硫黄泉でPH 9.3 総計170mgと163mgの2本の源泉がある。毎分156リットルと52リットルの源泉である。硫化水素イオン(HS)を2.4mg 炭酸イオン(CO3)24mg という含有量で塩化物イオン32.7%に続き炭酸イオンが30.1%となっているのでつるつるが良く感じられて気持ちが良い。
2 勝浦温泉 越の湯 泊
2つの源泉あり、内湯掛け流し浴槽は良い。
勝浦温泉の老舗宿「越の湯」が経営が変わり2食付7000円台の安い価格になって営業されている。安い価格のために食事はバイキング形式になっている。しかし建築は以前のままで海に沿った敷地に2階建ての立派なエントランス棟と左側に木造宿、右側にコンクリートの建築が海に沿って並んで建っていた。
夕暮れの海を挟んでホテル中の島の光とホテル浦島の光が対岸に眺められ、この湾はまるで湖のようである。夜景が非常に美しく落ち着いた雰囲気で良い宿である。
私は希望で、左側の木造の古い「波の棟」に宿泊した。中庭のある凝った造りの建物で窓の先は海である。
湯は総計1891mgの塩化土類食塩泉(日和山3号泉40.8度)と総計1004mg食塩泉の2本ある。ともに食塩泉であるが前者の日和山3号泉はHS 0.6 H2S 0.1を含みNaCa-Cl泉である。露天風呂と内湯に使用されている。
露天風呂はヌル湯のまま使われ、内湯は加熱掛け流しである。透明、エグ味強し+少塩味+たまご味、少硫黄臭である。もう1本の食塩泉は透明、少エグ味、無臭でジャングル風呂に入れられ、個性は少ない。
1湯川温泉 民家前ケーシング
コンクリート土管にて入浴 ヌル湯
道路沿いに土管があり、田の中にある源泉が引かれている。80センチくらいのコンクリートの土管があり、深さも1メートルほどあり肩まで入れる。道路は細く車を駐車していると交差が出来ない。それですこし手前の広い道のところに車を止めた。民家の前で道路に面しているので入浴にはタイミングを計る必要があり、三脚をセットして車の中で脱衣して急いで駆けて行き、入浴した。コンクリート土管には少量の湯が掛け流しされているが入浴すると体積分溢れて側溝に流れる、気持ちの良い入浴が出来た。
33度前後のヌル湯で透明、たまご味、微硫黄臭の温泉である。単純硫黄泉の源泉がこの地域には各所に湧出しており、ヌル湯なので垂れ流されたままになっている温泉が、そちこちにあり楽しい地域である。
2 湯川温泉 某小屋裏の垂れ流し
四角い露天の溜め桝あり、温度もあり快適
国道より少し脇に入った広場にある源泉に湯が湧いていた。温度が36度ほどあり、四角い浴槽風の桝が横に設置されている露天風呂である。到着してみると、この湯をたくさんのポリタンクに汲んでいる人が居た。
その人が帰るのを待って入浴した。きれいな湯が多量に掛け流しされており、透明、たまご味、少硫黄臭である。温度があるので適温の入浴感があり良い。源泉コックもあるがそちらを締めると横の四角い浴槽に湯が流れるようになっている。
自噴しているのである。先ほどのケーシングよりも湯量があり、横になると全身が湯に浸かれる。新鮮な湯で硫黄分もしっかりと感じられた。
3 湯川温泉 ゆかし潟近く地元専用共同湯
喫茶「なわ」裏にあるブロック造ジモ専、
おばちゃん2人入っていたが男湯は私一人、昼でも暗黒なのでローソクを灯して入る。
湯川温泉周辺には、これら国道脇、二河、民家脇、某小屋裏、地元専用ブロック造温泉の5箇所のほかに、ゆかし潟周囲にコンクリートボロ小屋の源泉もあり、そのほかにも3箇所の垂れ流しがあるとのこと。
また橋の川源泉出口には今まで通り源泉が流れているがかなり奇麗な湯で、奥ゆりの山温泉「四季の里」の新施設からの捨て湯とは思われない、また対岸の田圃の中にも源泉があり橋の川源泉垂れ流しの前に側溝から流れ込んでいた。
これらの中で入浴者がいて、一番温度のある源泉はブロック造の小屋になっていた。四方をブロックの壁で囲ってあるために真っ暗である。ろうそくが置いてありそれを灯して入浴した。モザイクタイルの床とコンクリートの浴槽があり透明、無味、無臭である。たまご味が感知出来ないので、硫黄分はほとんど無いのであるが温度があり、38度前後の温度があり良い湯であった。