1 草津温泉 草津ホテル 温泉地再訪
木造3階の立派な外観。西の河原源泉 掛け流し 透明、酸味、無臭の綺麗な湯 PH 2.2
台風が来ているが、風は少ない、渋峠を越えて草津に入った。外観の立派な木造3階建ての草津ホテルに泊まろうと思っていたが、あいにく満室で湯畑下の松村屋に泊まることとした。15時前には草津に着いてしまい、草津ホテルで入浴だけした。
西の河原琥珀の池源泉が使われていた。49.5度のH-Al-SO4、Cl(酸性明礬泉)でPH2.2 総計2010mgの温泉である。特記成分は水素イオンの10.0mgと硫酸(H2SO4)5.7mg H2S 4.7mgである。透明、強酸味、無臭のきれいな湯であった。硫黄分は感知できなかった。
御影石の床に伊豆石の浴槽の内湯が2つ隣り合っている。以前の男女別を一つに合わせた造りである。それと木造の小屋掛けになっている露天風呂がある。古い和風ホテルで外観は入母屋の3階建てで豪壮である。エントランス棟はやはり入母屋の木造2階である。白壁と銀色の屋根が古い意匠ながら立派な外観になっている。しかし内装は改修され瀟洒で新しくきれいである。
2 草津温泉 高砂館 再訪
木造4階の古い造りの宿。地蔵源泉 少浴室は3連浴槽 白濁した湯
木造4階の古い造りの宿。地蔵源泉脇にある温泉宿で地蔵源泉を使っている。1階が浴室で男性風呂と女性風呂と小風呂の3箇所の浴室がある。小風呂は浴槽が3連に別れ、温度差を付けて並んでいる。
湯畑源泉のように湯樋に硫黄を析出させていないので浴槽の底に硫黄分が析出し入浴すると真っ白に濁る。草津屈指の白濁湯である。湯口は木栓がしてあり、それを抜くと湯が入るようになる。閉めると適温になるだけ流れる方式である。
このたび訪問してみると地蔵源泉は木の柵で覆われ共同湯の地蔵湯も時間湯浴室とともに改築されていた。昔の時間湯浴室の風情が良かったが、新築の建築も和風で瀟洒に造られている。
高砂館の湯はマイルドで酸味もほかの草津源泉より少ない、代わりに硫黄臭があり、白濁している草津の中でも硫黄泉の様相を見せる温泉である。
3 草津温泉 白旗の湯 再訪
白旗源泉 薄く白濁した湯
草津の湯畑周囲は天気が悪いがさすがに3連休の中の日曜日とあって、多くの観光客で賑わっていた。白旗源泉は湯畑のすぐ上にあり、湯が豊富に湧いている。
その源泉は奈良屋や山本館で使われているが、共同湯は白旗の湯で使われている。この共同湯も湯畑のように樋を通して硫黄分を析出させていないので少量の硫黄が析出して薄く白濁する。
新鮮な湯で極めて熱い温度である。今回はそれほど混雑していなかったが熱い湯で二日酔いの身体には辛いものがあった。
4 草津温泉 松村屋旅館 泊 温泉地再訪
湯畑源泉 掛け流し 木造3階の格子の美しい宿
湯畑のすぐ下は草津で最古の日新館である。その前に1軒宿がありその下が松村屋である。木造3階建てで、せがい梁出しの造りで1階は繊細な格子が続く和風旅館である。向かいが大阪屋で下がての字屋である。
3階の角部屋に通された。草津の町並みが見え良い部屋に当たった。湯は湯畑源泉の掛け流しである。男性用風呂は小さな方で、板張りの床に木枠の浴槽である。
壁のモザイクタイルの絵が良い風情である。透明、酸味、無臭のきれいな湯であった。
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1 発哺温泉 薬師の湯 再訪
噴気造成泉 H2S 2.08 透明、微たまご味、硫黄臭多し,
共同湯のような内湯と混浴の露天風呂
点在する池や高原の雰囲気で美しい志賀高原の奥にある温泉。むかし天狗の湯に泊まったことがある。このたび薬師の湯に入浴してみた。コンクリートの大きなホテルであるが、浴室に行くと小さな共同湯のような造りの内湯である。
また露天風呂は離れになっていて、別の出口から歩いてゆく。周囲をよしづ張りにした仮設風の外観で混浴である。ホテルの建築と比べ温泉施設がボロなので驚いた。
この発哺温泉は標高が高く、噴気はあるが温泉にならないという大湧谷や野地温泉などと同じく噴気造成で温泉にしている。硫黄臭の多い単純硫黄泉で透明、少たまご味、硫黄臭多しの湯であった。
掛け流しで利用されている。HS 0.37mg H2Sが2.08mgの含有で硫黄分は少量である。湯には硫黄の存在感は少なく、匂いだけに温泉らしさが出ていた。パンフレットの写真だと緑白濁しているが硫黄分が少ないのでこのようになるのは珍しいであろう。
2 平床源泉 垂れ流し浴び
透明、たまご味、硫黄臭多し 川の水と混ざる地点で浴びる
熊の湯温泉の下に大きな噴気が出ている。数年前に掘削してほたる温泉として使っている源泉であろう。ゴーという豪快な音を立てて噴気が立ち昇っているが温泉も湧出しているのであろう太い配管が伸びている。周囲を見学すると濃厚な硫黄臭がする。
地面のそちこちから噴気が出ており、湯も少量溢れて流れている。沸騰しているのでそうとう高温であろう。沢に下ってみるとなんと溢れ湯がパイプから流れ出しているではないか。強い硫黄臭と高温の湯で、まったりしたたまご味から単純硫黄泉と思われるがかなりの硫黄含有量であろう。
パイプの先の小さな川の流れと合流して適温の湯の川になっていた。寝転んで入浴した。硫黄分で白い析出物も付き温泉の雰囲気はある。子供プールで入浴すればかなりの良い温泉であろう。
3熊の湯温泉 熊の湯ホテル 数回目
総硫黄 73.2mgの国内屈指の硫黄泉 緑色透明の美しい色。総木造りの浴舎
志賀高原の中だけでなく、国内でも屈指の硫黄泉が湧出している温泉である。48.2度のS―CaNa―HCO3、SO4(含硫黄芒硝重炭酸土類泉)で総計1279mgの源泉である。総量は少ないが硫黄分が大量に含有されており湯の色や味覚、匂いに強い個性が出ている。硫化水素イオン型でHS 53.9 H2S 19.3mgである。総硫黄は73.2mgにもなる。
この温泉は岩手の国見温泉などと同じく緑色透明になり美しい温泉として有名である。今回は絶好調できれいな緑色透明になっていた。
湯小屋が良い。木造平屋の木の浴槽と木の床の天井の高い立派な造りである。内湯はやや薄く白濁していたが緑色になり、まったりとしたたまご味が濃くなった味覚と硫黄の渋味もある。硫黄臭は弱いが、後で身体に付着して残るタイプである。
露天風呂が好調であった。内湯はわずかに緑色濁りであったが、こちらはきれいに澄んだ緑色透明の色で美しく、見惚れてしまうほどであった。
緑色の湯に入り天井の高い内湯に入っていると温泉とはほんとうに温泉は良いなあと思える湯である。日本の温泉の至宝であろう。洋風のホテルの外観でロビーも洋風であるが、和室の部屋もある。そして浴室が和風で大きな共同湯のような立派な建築で素晴らしい。
1 七味温泉 山王荘 温泉地再訪
新七味源泉はHS 23.8 H2S 24.1の強い硫黄泉
薄墨色の湯と白濁の湯
七味温泉は湯元牧泉館が廃業していた。以前この温泉に入り、昔ながらの床が放射状の板で造られた内湯が印象に残っている。広い露天風呂もなくなってしまった。この源泉はそのまま存在すると思われるので、営業再開が望まれる。
さて残る渓山亭、紅葉館、山王荘の温泉宿のうち、どれにしようか迷ったが山王荘を選んだ。ここの湯が大変良く、他と比較はしていないが素晴らしい湯であった。浴室に近づくと硫黄の香りがかなり強く漂ってくる。内湯に入浴してみると濃いねずみ色の湯で、薄墨色とも言える。味覚はまったりとした硫黄味と渋味がある。甘い硫黄臭もあり存在感の大きな温泉であった。
露天風呂に出てみると真っ白である。こちらは墨色になっていなかった。湯は新七味源泉で71.4度の湯が毎分150リットル湧出している。含硫黄―CaNa―SO4Clで総計1857mgである。
硫黄分はHSが23.8mg H2S 24.1mgの総硫黄 47.9mgもある。色味匂い共に硫黄の個性が良く発揮された源泉であった。内湯は木枠のタイル浴槽で露天風呂は石積みのコンクリート浴槽であった。熱い湯が豊富に掛け流しされ使い方も良い。残りの紅葉館と渓山亭の温泉にも入って調査したく思った。
2 湯田中温泉 よろづや 松籟荘泊 再訪
60.1度のNa―Cl、SO4泉 文化財の宿。桃山風呂も文化財
よろづやは木造の寺院建築のような伽藍の浴室が圧巻である。桃山風呂と言われ、有名である。豪快な本堂のような空間に大きな楕円形の浴槽が一つだけで、立派な格天井と大きな浴槽で豪快な設計の風呂である。
また本館の奥の斜面に沿って建っている松籟荘が木造3階の凝った造りで、両方共に国指定文化財の指定を受けている。この地域ではほかに渋温泉の金具屋の斎月楼も文化財指定である。
この松籟荘に泊まりたくて今回の温泉巡りを決めた。とにかくこの部屋を確保してから温泉巡りのコースを決めたのである。松籟荘は斜面の上に建っており本館の3階が1階である。
このエントランスが装飾の多い凝った茶室のような造りで感動する。網代天井に唐傘天井でしつらえられている。1階、2階が客室で3階は桃山風呂のような大空間の大広間である。2階の角部屋になった。控えの間が付いて、床の間の脇に書院窓のある書院が付いている。
内部の意匠は割りとシンプルで金具屋のような繊細な意匠はない。一般的な和風建築である。しかししっかりと造られた好感の持てるものであった。
湯はきれいな芒硝食塩泉で総計1271mg 60.1度の温泉である。94度の源泉もあり、蒸し風呂に使っている。透明、無味、無臭であるがきしきしした感触が重曹泉とは逆の個性であった。
露天風呂は桃山風呂の前にある池のような庭園のような風呂である。その露天風呂からは大きな額の掛かった桃山風呂の正面玄関と豪壮な唐破風が見え、回廊が廻っている。立派な建築の外観である。お寺の前で入浴しているような感覚になる。
別の浴室はしののめ風呂と呼ばれ、伊豆石の床の内湯と小さな露天風呂が付いている。掛け流しの湯が床一面に流れ清々とした浴室であった。本館もコンクリート造りながら立派なものでエントランスホールの天井は立派である。すぐ前に湯田中大湯があり、翌朝入浴した。熱い湯で高温浴槽のほうは入れない温度であった。