1 東鳴子温泉 なんぶ屋
鳴子御殿湯駅からすぐの温泉。初音温泉の隣にある。今まで入浴していなかったので訪問してみた。東鳴子共同源泉の新井2号、新井5号、唐竹沢源泉、動力源泉の4本の混合である。
71.5度のNa-HCO3、Cl、SO4で総計1449mgの温泉である。内湯と露天風呂がある。透明微黄色、無味、微油臭であった。よわいつるつるがあった。ただし鳴子にあって珍しい循環、殺菌であった。残念である。
2 鳴子温泉 大畑共同湯
鳴子温泉の川向にある地元専用共同湯。コンクリートの鄙びた外観の建物で国道沿いにある。コンクリートの浴槽が1つのみの簡素な施設で分析表はなかったが芒硝泉であろう。
熱い湯で豪快に出ているので、弱く加水されていた。透明、少芒硝味、無臭と観察した。
3 轟温泉 目の湯
NO4地獄に行ったが温泉が出ておらず、しばらく使われていないようであった。帰りに轟温泉の前にある目の湯に行った。日帰り温泉施設で小さな施設である。
内湯の四角いタイル浴槽と石組露天風呂があった。溶存物質760mgの単純泉で重曹食塩系である。透明、無味、無臭の掛け流しであった。ややつるつる感を感じる湯であった。
4 中山平温泉 玉鳴号工場専用温泉
中山平で温泉を使って日本酒を造っている。またその水をペットボトルに詰めミネラルウォーターとして売っている。なんとその工場の源泉に入浴することができた。
40度ほどの源泉は大量に湧出しており、数年使われていなかったコンクリートの露天風呂を掃除して湯を張り入浴した。ミネラルウォーターとして販売するほどの温泉なのでまったくの透明、無味、無臭のきれいな湯で弱いすべすべ感があった。社長さんの特別許可でレアな体験をすることができた。
5 中山平温泉 しんとろの湯
しんとろの湯は良かった。国道に沿った日帰り施設で93度という高温の源泉を加水することなく源泉100%で使っている。そのために裏手には長い木の樋がありそこをゆっくり流して冷ましている。中山平の源泉は温度が高く、充分に硫黄分を含有し、炭酸イオンによるつるつるがある良い湯である。
このしんとろの湯はそれら全てを生かしておりつるつるの硫黄臭のある湯が使われていた。薄白濁、たまご味+少エグ味、硫黄臭と観察した。つるつるはかなり強く中山平の中でも屈指であろう。一枚皮が付いたようなヌルヌル感は良い感触である。
硫黄分はHSの16.4mg S2O3の5.9mg H2Sの0.6mgである。陰イオンの重量パーセントのトップはCO3の105.3mgで31%である。含硫黄重曹泉になっているが含硫黄炭酸ナトリウム泉と称するべきであろう。中山平の素晴らしい個性を充分に発揮した温泉であった。
6 鳴子温泉 姥の湯
姥の湯に宿泊した。この旅館は4つの源泉があり硫黄泉と重曹泉、芒硝泉、単純泉とある。硫黄泉は小さな木造の湯小屋で硫黄臭のある白濁した湯である。
重曹泉は露天風呂に使われ金気臭のある湯であった。芒硝泉は宿泊者専用風呂に使われやや甘味をもった温泉で重曹と芒硝がほとんど同量ですこし芒硝が多くなっているものである。
単純泉の浴槽もある。鳴響という音楽イベントにトークショウで出演した。
7 鳴子温泉 すがわら仮設風呂、大浴場
旅館すがわらの屋上に仮設の露天風呂ができた。家庭用の桶風呂とヒノキ風呂が置いてありすがわらの源泉が入れられていた。透明、無味、無臭だがつるつるした湯で仮設の雰囲気がよかった。
大浴場は今日も青味がかった色でなかなか良い。メタ珪酸498mgを誇る湯で青くなるが、私が行くといつも青くうれしい。
8 潟沼温泉 天然沼に入浴 足元湧出
潟沼は直径800mほどの湖で酸性度が強く、なめると酸味が強い。レストハウスの前で地震の奉納演奏がされており日曜日の唯一のイベントである。対岸に湯が比較的多く湧出していて暖かいところがあるというのでボートで行ってみた。
湯の色は藻の作用なのか濃い緑色で美しい。ところによっては黄色のところもあり変化がある。東屋と竜神様の鳥居のまえあたりの湖畔には沼の中から温泉が湧出していて、あちこちで気泡が立ち登っている。足を入れてみると30度くらいの温度の湧出で水温は27度ほどになっていた。
酸味も強く酸性泉であることは間違いなく、またたまご味も硫黄臭もあるので硫黄分も含有しているであろう。湖畔で入浴した。
9 鳴子サンハイツ温泉 リゾート会員専用温泉
大きなコンクリートのリゾートホテルで会員専用の施設である。知り合いのコネで入浴することができた。緑の山々を見渡せる高台にある露天風呂の眺望が良かった。
透明、無味、無臭の単純泉で58.3度 総計394mgの個性の無い湯であった。タイルの四角い内湯と石張りの露天風呂の施設であった。
10 東鳴子温泉 田中旅館
油臭の黒湯の名湯「田中温泉」が今年09年6月で休業してしまうというのでまた再訪した。黒湯は小さな勾玉風の浴槽に入っており、メインの円形の浴槽の湯は白濁していた。
田中温泉で白濁しているのは初めてでよく観察したが硫黄分からの白濁のようだ。よわい油臭はあり硫黄臭はない。しかしよわいたまご味があり、そのためであろう白濁していた。
11 鳴子温泉 福の湯
鳴子温泉には炭酸泉と放射能泉だけないと思っていたが、炭酸泉はあるという。そこで鳴子駅の川の対岸にある福の湯を訪問した。38.3度の大畑1号泉で総計1261mgであるがガス成分は除いてある。
CO2-CaNa-HCO3泉で含炭酸重炭酸土類泉である。CO2(炭酸)は1221mgで立派な炭酸泉である。浴槽での使われ方も良く、湯の中から湧出させている。気泡とともに湧出し身体に泡がつくし、飲むと炭酸清涼味がする。木の浴槽で茶色に染まり、七里田温泉下湯のような雰囲気が出ていた。
ほかの内湯と露天風呂は循環でだめであるがこの炭酸泉浴槽だけは掛け流しで良い。これで鳴子には放射能泉以外はすべてあることになった。
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1押立温泉 山形屋
23日は表磐梯の押立温泉に行きました。押立温泉はどの宿に入浴しようか迷ったが奥の山形屋に入浴した。木造の茅葺き屋根の上にトタンを張った古い宿。浴室は改修されきれいになっていた。
現在は元の源泉ではなくリゾート開発で掘削された湯を引いていた。タイル貼りの浴槽に透明、無味、無臭のきれいな湯が掛け流しで利用されていた。元の源泉は手前に湯溜まりがあり、現在でも出ている。
小さな浴槽は泥で埋まり入浴不能であったが足を入れてみると腰まで潜る。泥の中に足を沈め源泉でも入浴した。30度ほどの源泉温度であった。分析表では含重曹弱食塩泉で47.5度となっている。透明茶色の泥が溜まる、
少塩味+金気味、少金気臭であった。以前はこちらを加熱して使っていたそうだ。以前に訪問したときにはこちらの源泉であっただろう。写真は旧源泉に入浴中。
2横向温泉 滝川屋
玄関脇にお寺のような立派な湯治棟が建つ宿。古いまま残されていて好感した。湯は土類重曹泉だろう分析表は見なかった。自噴の源泉で男湯は足元からも沸いているとのこと。
女湯は別源泉でややヌル目であった。オフ会は37人もの出席で皆様ご参加ありがとうございました。
3岳温泉元湯 くろがね小屋
岳温泉の湯元であるくろがね小屋に登った。湯は岳温泉と同じであるが、私のカウント方法では離れているので1つカウントできる。日ごろの運動不足解消もあわせてくろがね小屋にハイキングしてきた。
曾遊の奥岳温泉の横はスキー場の駐車場でここで車を降りる。最初は砂利の深い林道で渓流を渡ると
尾根に向けて登り始める。階段状の登りで疲れたが1時間ほどで勢至平という尾根に出てあとは緩やかな登りであった。
雪を残したくろがね山の直下にくろがね小屋はあった。登り1時間45分であった。湯は酸性泉で51度pH2.48の源泉である。硫黄分は記載されていないがかなり含有されているであろう。
分析表は析出後の分析であろう。推測だがH2S 10mgほどだと思う。湯は多量の硫黄沈殿物があり入浴すると真っ白に白濁する。酸味とたまご味があり、弱い硫黄臭がある。木製の小さな浴槽で掛け流しであった。
水素イオンHが3.2mgで個性のほとんどを占めている。このくろがね小屋の上部が源泉地帯で数ヶ所から湯を引いて太いパイプで岳温泉に送湯していた。かなりの高温で途中の枡で入浴を試みた同行者は絞り掛けるだけで入浴は不可能であった。
1久美浜温泉 湯元館 掛け流し (再訪)
以前、温泉巡りの時に泊まった宿。そうとう前になるがそのまま変わらずに存在していた。小さな木造の宿である。温泉が素晴らしい。湯量豊富な温泉が掛け流しになっており、その記憶が良いので今回も泊まろうとしたが満室であった。
露天風呂が野趣に富んでおり天然の岩肌のまま露天風呂にしている。黄色い岩で美しい。
内湯を囲むように広い露天風呂がある。湯は透明、えぐ塩味、無臭のさっぱりした湯であるが、明らかに新鮮さが分かり好い温泉であった。
また来たいという記憶が残っていただけのことはある。51.2度のCaNa-Cl,SO4泉が毎分653リットル湧出しておりふんだんに使えるのであろう。内湯は床に湯が流れているのがわかった。
2 鳴き砂温泉 琴引浜露天風呂 掛け流し
国指定天然記念物および名勝に指定されている琴引浜にはかなり以前から無料開放の露天風呂がある。なかなか行く機会がなくこの度訪問した。網野町は木津温泉や夕日ヶ丘温泉や鳴き砂温泉などの温泉がある温泉地である。
この琴引浜に温泉が引かれ無料開放温泉となっている。温泉は無料だが千円の駐車料を払い砂浜を目指す、先端にキャンプ場がありその浜に下りたところにコンクリートで固めた露天風呂があった。
背景の景観が美しい、円弧のような入り江の浜が白砂で青い海と相まって美しい風景である。砂浜は鳴き砂で知られている。実際自分で歩いてもキュッキュと音がして楽しい。このような自然が残っているのは貴重である。ゴミやたばこの灰でも鳴かなくなってしまうとのことで禁煙ビーチである。しかしこの連休で浜はキャンプ客で満員である。海岸の上のキャンプ場はびっしりとテントで埋まっていた。
これらのゴミは持ち帰りでお願いしたい。温泉は露天風呂に黒いゴムホースで湯が引かれており豪快な滝のように入れられている。しかし海で海水浴するには早い時期だけに、子供の遊び場で凄い人数の子供が入浴というより遊んでいた。なんとか入ることができたが、デパートの子供広場のようであった。しかし湯量が多いので浴槽から溢れ海岸に小川が出来て波打ち際まで流れている。新鮮な湯であった。しかし単純温泉であろうか特に個性はなく透明、無味、無臭であった。
3 天然温泉 恵美寿湯 掛け流し
丹後半島を横断し、高速道路に宮津から乗った。このまま山陽の明石まで走った。明石の川崎重工業のある住宅街にある温泉銭湯。3階建ての新しい銭湯で410円の入浴料である。含鉄NaCa―Clで総計18110mgの含鉄土類強食塩泉である。鉄分は33.1mgである。27.8度で湧出しているが源泉浴槽があり掛け流しされている。
こちらは緑白濁(透明度50センチ)エグ苦塩味、少金気臭というものであった。成分量そのままの源泉浴槽である。
加熱浴槽は赤褐色に濁り(透明度20センチ)、エグ味+少塩味、少金気臭とやや加水されていると感じた。ちいさな露天風呂のみが温泉で半分が加熱浴槽、残りの半分が源泉掛け流し浴槽であった。
4 明石温泉 人丸花壇 恵美寿湯のローリー
明石の郊外にある和風宿。木造と一部鉄骨の瀟洒な宿である。明石温泉と銘打っており、この度訪問したが、源泉は恵美寿湯のタンクローリー輸送であった。
加熱循環しており赤く濁っていた。ひのき風呂に温泉が入れられている。
5 明石大蔵海岸温泉 龍の湯 強烈に赤い湯
明石海峡大橋を望む大蔵海岸にある日帰り温泉施設。露天風呂の3ヵ所に温泉が入れられている。驚くべき赤い湯で透明度は濃いところで3センチ、薄いところでも6センチほどであった。真っ赤な血のような色で鉄分は109mgの含有量である。25.5度の含鉄NaCaMg -Cl泉で総計13877mgである。
循環ながら湯は源泉のまま利用されており、濃い塩苦味があった。少臭素臭と金気臭も感知出来た。視覚的にすばらしい外観の温泉ながらお客が多く撮影不可であったのが残念である。明石大橋と海峡の展望が美しく風光明媚な温泉であった。
6 灘温泉 水道筋店 掛け流し 泡付きあり
阪神の温泉銭湯には好い湯がいろいろある。おとめ塚温泉や双葉温泉など記憶に残る好い湯があるが、ここも素晴らしかった。灘温泉は六甲道店とこの水道筋店があるがこちらは以前、改修中で入浴できなく、この度訪問した。
新しいスーパー銭湯のような施設で内湯に源泉浴槽、加熱浴槽、露天風呂に1つ温泉が使われている。
この源泉浴槽が好い。35.2度の源泉そのまま使っておりヌル湯ながら身体に気泡が付き泡付き温泉になっていた。新鮮な湯で香ばしい金気臭がした。総計1657mgの重曹食塩泉(Na-Cl.HCO3)で毎分290リットルもの湧出量である。薄いべっこう色透明、渋味、金気臭と観察した。加熱浴槽もオーバーフローを採っており好い使い方である。阪神の温泉銭湯の好いところがまた一つ増えた。
1 東山温泉 メイプルプラザ
波賀町の高台に道路で登ってゆく、タイトなコーナーの連続である。山の台地にオートキャンプ場やコテージ村などのあるフォレストステーション波賀という施設の中にある温泉。シルバーの屋根に曲線の平面計画の現代建築で打ち放しコンクリートの建築である。
11.6度の単純弱放射能泉で19.8マッヘで規定されている。総計52mgと純水に近い含有物のないきれいな温泉である。透明、無味、無臭の循環で放射能泉でなければまったくの白湯である。
2 波賀温泉 楓香荘
波賀町の日本の滝100選に選ばれた原不動滝の近くにある温泉。国民宿舎のような建築。楓香荘の中にある。内湯1つのみの簡素な施設である。
分析表が2種類あったがほぼ同じで12.2度の弱放射能泉である総計99.3mgで8.46マッヘというもの。透明、無味、無臭で個性はないが、よわいすべすべがあった。加水、加温、循環、殺菌で残念であった。
3 若杉高原温泉 SPA HOUSE
宍粟市から養父市に向けて山を下る途中にある温泉。若杉峠にあるスキー場に敷設された温泉。小さな木造の民家のようなペンション風建築。
総計1910mgの石膏泉で透明、少苦味、無臭である。循環が残念。四角いタイル貼り内湯浴槽と石組の露天風呂の2つである。源泉の温度が不明であるが20度台とのこと。
4 養父温泉 但馬楽座 (再訪)
山陰に向かう国道9号線まで北上した。9号線に沿った道の駅にある温泉施設。過去に訪問したことがあるが、すでにそうとう昔で記憶からすっかり消えていた。大きな温泉施設で3階建ての宿泊施設も付いている。温泉は地下にあり、大きな内湯1つのみである。循環である。
25度の食塩重曹泉(Na―HCO3、Cl)で1127mgの透明、少甘味、無臭であった。ややつるつるが感じられた。この周辺では但東シルク温泉がつるつるの湯だった記憶であるがこちらは弱いものであった。
5 とがやま温泉 天女の湯
八鹿町にある日帰り温泉センター 木造の三角屋根のエントランスが瀟洒であるが鉄骨造であろう。2階の展望の湯が男湯になっていた。四角い大きな内湯と同じく大きな露天風呂があった。透明、甘味、無臭の味覚が個性的な湯である。
28.2度の加温、殺菌、循環が残念である。分析表をみると素晴らしい源泉である。総計8880mgの含炭酸―NaMg-Cl,HCO3というものであった。炭酸の含有量が1110mgで立派な炭酸泉であるが加温循環でまったく残っていない。
Na 1680mg Mg 531mg Cl 2350mg HCO3 2880mgと多量の含有量を示し源泉は素晴らしいであろう。しかし湯の個性としてつるつるの浴感があり好感した。
6 城崎温泉 三木屋 (温泉地再訪)
豊岡市の市街地のビジネスホテルに泊まり、翌日は城崎温泉に再訪した。豊岡のビジネスホテルでは1階の居酒屋で食事をしたが当たりであった。「海鮮問屋夢まる」と言う店であるズワイガニとはたはたの焼き魚で焼酎を飲み、雑炊で締めた。次回も来たいと思った。
さとの湯
城崎温泉は駅前のさとの湯が建て替えられ、地蔵湯、一の湯、御所の湯など4ヶ所が新しく変わっていた。そうとう久しぶりである。15年ぶりくらいかもしれない。さとの湯は玄関前に立派な門構えの温泉で唐寺風の新建築であった。
かえるの足湯
たいへんな費用を掛けたのが分かる。かえるの口から湯が出ている足湯がかわいらしかった。地蔵湯も四角いコンクリートの格子と大きな灯篭があり立派に変っていた。
地蔵湯
一の湯はだいたい同じ外観ながら改装されており入口が中央に変わっていた。
一の湯
御所の湯は素晴らしい寺院のような重厚で繊細な外観になっていた。道路に沿って門構えがあり回廊がある。その奥は池を挟んで御所の湯の建築である。繊細な細い格子で覆われており屋根の垂木も寺院のように連なっている。大きな変化である。
御所湯
温泉地の上から下まで車を走らせ良い宿を探す。やはり予想通り、西村屋の重厚な木造建築の外観が光っていた。
西村屋
西村屋
ほかにゆとう屋の文化財的な外観や三木屋の木造3階の古び方がよかった。ほかには赤石屋、おけ屋、小林屋、まつや、まんだら屋も木造3階だと思われる。次はどこに泊まっても良いだろう。
鴻の湯
まんだら湯
三木屋に入浴した。道路に沿って木造3階の建物が建ち裏手に庭園のある風情のある宿である。奥には2階建ての客室が離れのように並んでいる。浴室は小さなもので石貼りタイル風呂である。城崎は集中管理源泉で27.28.29.30号泉の4本の混合である。
総計4130mgの土類食塩泉(NaCa-Cl)で59.1度の源泉である。この宿はしっかりとした成分通りの濃さを持った湯でオーバーフロー循環である。透明、塩苦味、少湯の香があり混合泉でもなかなかよかった。
7 城崎温泉 ゆとう屋
西村屋は連休のお客で混雑しており、入浴は出来なかったが老舗のゆとう屋に入浴した。木造3階建ての玄関棟に離れの2階建ての客室棟が付いた宿である。
門構えもあり立派である。玄関前には貴賓室があり唐破風の立派な玄関も別にある。立派なしつらえで西村屋と並び城崎屈指の宿であろう。
男湯はやや大きな内湯で加水されており源泉の濃さがなかった。女湯もご案内いただいたがこちらは城崎本来の濃さであった。
8 円山川温泉 掛け流し、匂いが良い
城崎から広く海のような川幅となった円山川に沿って下ると国道沿いにある温泉。鉄筋コンクリートの4階建ての大きなホテルのような建築で風情はない。しかし湯が素晴らしい。源泉掛け流しで加熱していないのが好い。
緑色白濁不透明で、強い塩苦味、香ばしいかつおぶし臭多し、と観察した。43.1度の源泉を掛け流しにしており露天風呂は外にあるのと大きいのでヌル湯、内湯は適温になっている。
総計16100mgの塩化土類泉(CaNa-Cl)泉で毎分512リットルと素晴らしいスペックである。新鮮な湯でどんどん溢れているのが好い。
1 有馬温泉 陶泉御所坊
今回の温泉巡りは、初日の7時半に品川から出発した。新幹線のぞみで新神戸に降り立った。これから兵庫県と一部、京都の日本海側の温泉を巡るのである。連休の初日とあって普通車は満席で、グリーン車を奮発した。たいへんくつろいだので、ほとんど寝ていた。気が付いたら新大阪を出ていた。新神戸は六甲の山裾にある駅でトンネルの間にある。神戸の町は狭い急斜面にあって後ろはすぐ山である。この駅の横からすぐ新神戸トンネルで六甲山脈の直下を越えて高速道路で有馬口まですぐであった。
有馬にくると山が迫り、温泉の情緒がある。しかし中心街は建物が密集し道路が狭く駐車場探しに苦労しそうである。私は有馬の中心の御所坊に行った。高層ビルではなく木造3階建ての風情のある宿である。1階は洋風のカフェがあり昭和初期の造りで各室は和風である。温泉は金泉の掛け流しで濃厚なものである。
有馬は日本一の濃さの食塩泉で、分析表には合計が記載されていないが主要な元素を足してみると総計71.6グラムである。海水の2倍以上である。ここの湯は御所源泉と妬(うわなり)源泉の混合でNa19710mg Cl41284mg の濃い含鉄食塩泉であった。94~100度と記入されている高温の温泉である。鉄分も多くFe201mgであった。
金泉の浴槽が1つの簡素なもので、入口からだんだん深くなり腰までになると女湯からの浴槽と合流した1室になる。中央に敷居があるが顔は見える趣向である。金泉は真っ赤に濁っているので顔しか見えないであろう。赤褐色濁り12センチ、強い塩辛味、ほぼ無臭と記録した。有馬温泉の強烈な塩味の濃さを堪能した。客室20室の高級宿で入浴料は1500円であった。しかし加水することなく弱く掛け流しにしている使い方は有馬でも屈指で良い温泉であった。
2 有馬温泉 金の湯共同湯 (再訪)
金の湯は以前、有馬温泉会館のあったところに新築された共同湯である。黄色い建物が新しく、私は有馬温泉に行くのが久しぶりなので今回金の湯は初めてである。浴槽は内湯だけで一般浴槽と高温湯の2つがある。一般浴槽で42度ほど、高温湯では44度であった。
やや加水しておりオーバーフローは多いので加水掛け流しと推測した。有明1.2号源泉と天神源泉の混合でそれぞれ含鉄強食塩泉である。有明源泉のほうは82.4度で毎分51リットルの湧出量である
総計は載っていなかったが陽イオンと陰イオンの合計は36400mgと濃い温泉である。天神源泉は有馬を代表する温泉で98.2度で毎分28リットルの湧出、陽イオンと陰イオンの合計は61400mgとさらに濃厚である。浴槽の湯は加水されていると思われる味覚で、10グラムほどに感じた。しかし色は濃く、赤褐色で透明度10センチ、少塩味、少金気臭である。御所坊よりも赤さが濃かった。
3 吉川温泉 よかたん 炭酸4110mg
炭酸分の多さで以前から気になっていた温泉施設。なかなか訪問する機会がなくこの度初めて訪問した。中国道吉川インターチェンジの近くで木造平屋の凝った建築である。中央に尖り屋根のある新しい温泉センターである。分析表を見ると総計47600mgの含炭酸強食塩泉である。凄い数値である。有馬温泉、北海道の998温泉に次ぐ総量で国内第3位である。
炭酸の量は4110mgで分析表としては湯屋温泉の合掌苑の7909mgについで日本第2位である。浴槽に入っている温泉としては合掌苑は炭酸が抜けているので日本一の炭酸泉と言っても良い。36.5度の温度で毎分83リットルの湧出量である。この源泉を掛け流しで使っているので素晴らしい。屋根付きの露天風呂と木枠の内湯の1つが源泉浴槽でそれ以外は白湯である。
露天風呂の湯口が強烈でツーンとする匂いとともに源泉が間欠的に湧出し入れられている。合掌苑の源泉蛇口も炭酸が出ながらたまに湯が出ると言うものであったがこちらも同じ状況である。匂いを嗅ごうとして近づくとツーンとした刺激臭でクラッと来た。危険な源泉である。
内湯はすこし爆気しているのか?匂いは弱かった。薄緑色透明、強塩味+炭酸味、炭酸刺激臭であった。掛け流しで使われており良い温泉である。超個性的な源泉とも言える。食塩が濃いためであろうか?炭酸泉特有の泡付きは無かった。撮影不可で写真に撮れなかったのが残念であった。
4 生沢温泉 伊沢の里
兵庫と岡山県境付近の温泉群が課題に残っていたのでこの度まとめて訪問した。中国道を走り山崎インターチェンジで降りた。この地域一体が合併して宍粟市になった。以前の山崎町にある温泉。大きな公民館のような建築で、国民宿舎のようである。
内湯と露天風呂があるが内湯の1つの浴槽のみ温泉になっている。総計5021mgの食塩泉の冷鉱泉で17.8度である。浴槽は薄く黄色になった湯で透明、無味、無臭であった。加水していないというが5グラムの濃さは分からなかった。循環利用である。
5 しそう温泉 よい温泉 掛け流し
山崎町の与位にある温泉。現代建築のデザインされた建物である。温泉は27.3度の単純弱放射能泉で総計973mgである。重曹食塩系である。13.9マッヘで弱放射能泉になっている。温度も25度以上なので単純温泉でもある。
内湯は御影石の大きな浴槽で加熱掛け流しである。露天風呂はジャグジーになっていた。離れに露天風呂もある。大きな岩組み露天風呂であった。透明薄白濁、無味、無臭と色だけが個性になっていた。
6 一宮温泉 まほろばの湯
一宮町の中にある屋根の立派な大きな木造の日帰り温泉である。山々を眺める風光明媚な土地にある。等張性の土類食塩泉(NaCa-Cl)で32.2度である。総計8770mgの源泉である。
循環、加温、殺菌で透明、塩苦味、無臭の加工された温泉になっていた。四角い岩組み内湯と、東屋付きの岩組み露天風呂の2つである。濃い源泉であるが加工、循環が残念である。