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郡司が実際に行き、観察・記録した湯について書いています。
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温泉紀行
2012/03/07 北海道 
北海道の極上名湯4か所

1小金湯温泉 まつの湯  オーバーフロー循環だが硫黄臭があり良い。 75

小金湯温泉は古い記憶で鄙びた浴槽に入浴した記憶があるが。この度再訪してみると、湯元小金湯もまつの湯も新築になっていた。20年近く行っていなかったことになる。

 

この温泉は硫黄臭のする温泉で今回は湯元小金湯に入浴しようとしたが循環と聞いたので、オーバーフロー循環のまつの湯のほうが少し良いかなあと思いまつの湯の方に入浴した。

 

29度の単純硫黄泉で硫化水素イオン(HS)が2.1mg、チオ硫酸イオン(S2O3) 1.0mgで規定になっている。H2Sは0.1mgである。しかしこれだけ少量のHSながら良く残っており、薄白濁した湯で硫黄臭のする良い温泉であった。内湯が2つの浴槽、露天風呂が一つあるが露天風呂は薄く硫黄分の個性はほとんど残っていなかった。しかし内湯は色と匂い、味覚にもはっきりと硫黄分が残っていた。オーバーフロー循環殺菌ながら薄白濁、たまご味、焦げ硫黄臭ありと観察した。

 

2豊平峡温泉  析出物が凄い 90

木造2階建ての外壁に丸太を並べて貼り付けたアイヌ風の建築の小さな温泉施設、しかし湯が素晴らしく感動的である。52度の食塩重曹泉で総計2613mgの源泉は豊富に湧出し、毎分450リットルの湧出量を誇っている。内湯に3浴槽、大きな露天風呂ともに豊富な掛け流しである。

 

特に凄いのが、内湯の床に析出したうろこ状の析出物である。でわの湯や矢立温泉よりも多く厚く析出しており、足が痛いほどである。遊離炭酸を400.7mg含有し炭酸カルシウムが多量に付いていた。

 

それに比べ大きな庭園露天風呂には石が茶色に変わるくらいの少量の析出物しかない。内湯の床に掛け流される量が多いのであろう。凄い析出物である。生き物のようなうろこの連続で美しい波紋になっていた。

 

露天風呂はたいへん大きい長く造られ30m近くの大きさになっていた。大きな岩組の庭園風露天風呂である。湯は微褐色に濁り、エグ味強く、炭酸味もある。少金気臭で存在感のある湯で良い。

 

源泉からタンクを経由することなく直接掛け流しにしていることを大きく謳っており、新鮮な湯であった。52度という高温ながら炭酸分を残し、味覚に残っているのが素晴らしい。

 

 

3ニセコ昆布温泉 ニセコグランドホテル 湯量豊富で素晴らしい 85

ニセコ昆布温泉は鯉川温泉で入浴したのみで、この度グランドホテルに入浴した。洋風のホテルで分析表の掲示はなく、探してもらったが無かった。68.8度の重曹食塩泉であることだけわかる。

 

茶色に濁った湯で内湯に2つの浴槽。大きな混浴露天風呂が一つある。湯量豊富で露天風呂では次の浴槽に流れるところは小川のようになって流れている。シンプルな内湯はやや大きめな浴槽と高温湯と書かれた小さめな浴槽の2つがありともに豪快に掛け流されている。

 

上の高温浴槽から3段の滝のように湯が流れていた。茶褐色濁り、エグ渋味、湯口香ばしい金気臭と観察した。露天風呂は源泉が熱いので少量加水しているが凄い広さである。大きく3つの浴槽になっており緑白濁、エグ渋味、湯口香ばしい金気臭である。濁り湯の掛け流しで大露天風呂が印象的な温泉であった。

 





4ニセコ薬師温泉   足元湧出の良い温泉は変らず 95

森の中に赤いトタン屋根の薬師温泉は以前と変わらずに営業されていた。ここは5回目である。内湯の濁り湯浴槽、透明浴槽、露天風呂の3ヶ所とも足元自噴温泉で温度もややヌル目ながら適温である。露天風呂はヌル湯である。

 

濁り湯の分析表では36.3度の重曹食塩泉で総計2613mgで遊離炭酸(CO2)507.5mgである。鉄分はFe2+3で0.6+3.1mgである。このため赤く濁るのであろう。茶褐色に濁り(25センチ)炭酸渋味。少炭酸臭、である。

 

底は大きな石がごろごろしており足元がやや悪い。全体から湧出しているのか湯の出口の穴からは多めに流れさっている。一部気泡が立ち昇っている部分もあり法師温泉のようである。

 

透明湯は37度の重曹食塩泉で総計2702mgである。遊離炭酸(CO2)628.9mgと多く透明な湯である。鉄分はFe2+3 2.7+1.1mgと濁り湯よりも多いがFe2が多いのと湯量の多さで新鮮なために透明なのであろう。底が透けて見え大きな石が平滑に埋まっている。その周囲から湧出しているのであろう。湯は片側の縁より溢れ出てざばざばと湯量豊富である。以前は男女別の仕切りは湯の上だけであったが今回は底まで仕切ってあった。

 

濁り湯も透明湯もともに体感清涼感があり、37度という温度であるがより高温に感じられヌルイとは思わなかった。露天風呂はすこし上流の林の中にあり、緑色の湯が流れていた。重曹泉特有の藻のような析出物が浮いていてやや清掃が足りないと感じた。



しかし自然のままの野湯だと思えば充分である。この温泉は全国でも数少ない足元湧出源泉でしかも3つあるという貴重な温泉であり、また泉質もすばらしく高い評価としたい。

 

 

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2012/02/26 関東 
横浜の温泉銭湯 7か所

1いなり湯 

重曹泉 総計1035mg 16.8度 有機物35.6mg 黒褐色30センチ

横浜の黒湯の銭湯に久しぶりに訪問した。まず豪快な造りの寺院風建築の本牧湯に向かうがすでに廃業し、マンションになっていた。近くのいなり湯は昔のまま健在であった。タイル貼りの玄関だが、屋根は立派な入母屋、千鳥破風の造りである。

 

このような銭湯特有の寺院風豪快な銭湯が減少しており貴重である。戦後に費用を掛けて造られた温泉銭湯は明治の石造り建築などとも同じく再現不能であろう。末永く健在で居てもらいたい。玄関には木の札の下足入れがあるのは定番である。

 

湯は17.4度の純重曹泉で総計1088mgである(16.8度、1035mg H17年)。CO3を25.4mg含有し弱いすべすべが感じられる。黒褐色(透明度30センチ)と黒さは薄いが加水であろう。いろいろな小物や置物が飾られた脱衣場は高い天井の折上げ格天井である。中央にシャンデリアのある豪華な造りである。

 

温泉は2m角ほどの浴槽1つに使われておりカラン自在である。やはり定番の富士山の壁絵がある。モザイクタイルの絵や、絵の焼付けタイルもある。湯は黒褐色、少エグ味、無臭と観察した。

 

2大和湯(現在廃業しました。この記事は約3年半前のものです)

 

重曹泉 総計1940mg 17.0度 有機物234mg 黒色7センチ

地下鉄吉野町駅前の立派な銭湯の大和湯が廃業するというので、行ってみた。豪快な造りの銭湯建築で3階建てにも見える瓦屋根の本格的銭湯建築である。入口上と、本屋根に付いた2つの千鳥破風が立派である。

 

これだけの建築はもう再現不可能であろう。なくなるのは非常に残念である。脱衣場は定番の折上げ格天井である。白い壁と黒い柱が清楚で寺院のようである。

 

温泉は1つの浴槽で使われており2m角ほどの大きさである。17.0度の純重曹泉で総計1940mgである。有機物は234mgと多量に含有し濃い黒湯になっている。

 

黒褐色(透明度7センチ)、少苦エグ味、少わら臭あり、と観察した。湯の感触はすべすべ程度であった。CO3 15.8mgの含有量である。壁絵ではなくタイルの焼付け絵の壁になっている。内部は奇麗に改修されており廃業は残念である。

 

3第一七福湯

重曹泉 総計1700mg 16.7度 有機物110mg(148mg) 黒色3~4センチ

今回、横浜の銭湯巡りをした中で最も古く鄙びていた銭湯である。入母屋の屋根に千鳥破風の古い造りである。脱衣場はおなじみの格天井である。大和湯よりも小さいが端正な造りである。

 

16.7度の純重曹泉で総計1700mgである。平成16年の分析表では有機物110mgであるがもう一枚は148mgのものもあった。しかし黒さが濃く、本日一番の濃さであった。

 

黒褐色(透明度3~4センチ)手ですくっても透けない。CO3は22.4mgである。よわいすべすべを感じる程度であった。エグ味、わら臭があり黒湯特有の個性を発揮していた。温泉浴槽は左側の角に1つあり、2m角ほどのものでいなり湯、大和湯と同じ造りである。富士山の壁絵があり古い銭湯の定番通りである。

 

黒湯はカラン自在で加湯することが出来る。湯は濃いので溢れると黒い流れが見えて、この湯の濃さが分かる。大田区の黒湯でも濃かった女塚湯や辰己天然温泉、改正湯に匹敵していた。以前のデータでは有機物325mgの分析表もあり、こちらが正しいような気がする。

 

4若宮湯

重曹泉 総計1410mg 17.3度 有機物 記入無し 黒色5センチ

高層マンションの1階にある新築の銭湯。17.3度の純重曹泉で総計1410mgの温泉である。有機物の記入はないが透明度5センチほどの黒褐色で100mg前後であろう。

 

第一七福湯よりは薄いが立派な黒湯である。源泉浴槽があり冷たい水風呂になっている。加熱浴槽と並んでいた。白いタイル貼りの浴槽で冷温の2つの浴槽が並んでいた。黒褐色(5センチ)エグ味、わら臭ありと観察した。

 

5中島館 

重曹泉 総計1291mg 17.6度 有機物 記入無し 黒色5センチ つるつるの湯 循環 

 中島館は新築のコンクリート造りの銭湯になっていた。ビルの1階と2階が温泉で使われている。平成17年の分析表では17.6度の純重曹泉で総計1291mgである。有機物の記入は無かったが、古いデータに拠ると278mgと記録されていた。

 

露天風呂が温泉で循環が残念である。源泉の水風呂もある。黒褐色透明(透明度5センチ)、エグ味、わら臭ありと観察した。循環のためか本日の5ヶ所の温泉の中で一番のつるつるの湯で感触が良い。新しい銭湯になっても黒湯が残り嬉しいことである。

 

6千代の湯 

第一京浜国道(15号線)沿いにある温泉銭湯。えんじ色のトタン屋根の入母屋造りの建築で3棟が寄り添ったような複雑な屋根になっている。格天井の脱衣場に壁絵の浴室である。

 

生麦地区には濃い黒湯が湧出し、現在は廃業となったが松の湯で有機物含有量435mgという記録を持っている。この千代の湯も黒さでは次に来る濃さであり、300mg程度に感じる。

 

分析表が現在作成中とのことで無いのが残念であった。黒湯の銭湯は小さな浴槽のみ黒湯になっていることが多いがここは素晴らしい、3分の2が黒湯で残りの小さな浴槽が白湯である。加熱循環ながらカラン自在でオーバーフローにして入浴することができる。

 

湯は黒褐色(透明度3センチ)で濃厚な黒さである。少苦味、無臭と観察した。しかしつるつる度が高く入浴感触が良い。現在364mgの鎌倉館も本牧湯も廃業した中では日本屈指の黒湯であろう。今後も末永く継続してもらいたい。

 

7朝日湯

千代の湯と同じく第一京浜国道に沿った温泉銭湯。古い造りの瓦屋根の立派な入母屋造りの銭湯である。屋根にラジウム朝日湯とネオンサインがあり立派な建築のアクセントになっている。

 

湯は総計1635mgの純重曹泉で16.5度のものである。黒褐色(4センチ)、少苦味、無臭である。有機物の含有量は190mgであった。千代の湯にほど近いがこちらはつるつるが無く、さっぱりとした湯であった。

 

 

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2012/02/24 中部 
増富ラジウム温泉ほか5か所 

1増富ラジウム温泉 金泉湯(現在廃業しました。この記事は約3年半前のものです) 16時10分着  

 32度の源泉浴槽に長湯する。合計2時間ほど入っていた

金泉湯は近年に廃業してしまったが、良い温泉宿であった。昔ながらの湯治専門の宿である。そして少々変り種の宿である。電話で予約を入れると15時までに来館してくださいとのこと。これでは湯巡りが出来ないので少々ねばり16時に到着することで了承いただいた。

 

増富温泉の道路沿いの宿ではなく、細い急坂を登り、その終点に車を止め、歩道を歩いてゆく。そして小さな沢に出たところにある古い宿である。玄関前には鄙びた木造3階建ての棟があるが雨戸が閉められており、現在は使われていないようだ。

 

奥に本館があり、さらに裏手に新築の棟がある。しかし不思議なことに連休中の混みあう日にも関わらず、新館の方は誰も入っておらず、玄関の古い棟だけが使われていた。赤い欄干の小橋を渡り山小屋のような古い木造の玄関がある。昔に訪問したままである。

 

電話の時にうちは湯治場で仕切りは襖で古い宿だが良いかと尋ねられたのがうなづける。古い一部しか使っていないようだ。さて浴室は混浴の1つと女湯の少浴室があるのみである。加温浴槽と源泉浴槽が並んでおり、低い源泉浴槽のほうが少し大きい。昔からこの形は変っていない。

 

32度の重曹食塩泉(Na―Cl,HCO3)で総計8786mgである。飲泉してみると塩味と炭酸清涼味がかなりあり、等張性(8から10グラム)の濃さが味覚としては一番うまい。薄緑透明、炭酸塩味、少金気臭である。加熱すると色が濃くなり赤褐色(15センチ)になる。加熱湯もはっきりと炭酸味が残り源泉追加量が多いのだと考えた。

 

CO2は826mgである。もう少しで含炭酸になるがほとんど残っているので1000mg以上の炭酸泉より良く感知出来る。源泉浴槽は人肌よりぬるいが長湯できる温度である。小さな浴槽に7.8人の客がひしめき合い、混雑していた。

 

加熱浴槽との交互入浴で身体の芯から暖まる。この宿は16時に着くとすぐに夕食が運ばれ、17時には片付けてしまうので、まだ明るい時から夜の入浴時間である。2回に分けてだが2時間ほど入浴した。源泉浴槽に使っていると何も感じない温度になり浮遊感がある夢想の境地になる。増富温泉の真髄であろう。素晴らしい温泉であった。

  

2黒森鉱泉  増富鉱泉と同系の炭酸食塩泉 (現在廃業しました。この記事は約3年半前のものです) 

 温度はないが、炭酸分は多い 析出物あり 古い小さな宿、冷たい源泉槽と加熱湯が並んでいる。 

黒森鉱泉は課題で残っていた温泉である。細い道をアプローチする。水色のトタンの民家のような宿である。この連休中にも一人もいなかった。客を取っていないのだろうか?浴室棟は宿の前にあるコンクリートの共同湯のような小さな小屋である。

 

中には石貼りの浴槽があり源泉のままと加熱浴槽が並んでいた。源泉浴槽のオーバーフロー部分は析出物が溜まりこんもりと盛り上がっている。加熱浴槽も周囲は茶色に薄く析出物が付いている。

 

蒸発残留物5090mgの含炭酸重曹食塩泉(CO2-Na-Cl,HCO3)で炭酸(CO2)は1570mgと多い。源泉を飲泉すると濃い炭酸味があり、塩味は薄い。Feも11.1mg含有し加熱湯は赤い湯になっている。カルシウムかマグネシウムの膜が湯の表面に張っている。まるで味の素の粉が表面にたくさん浮いているようであった。

 

3みずがきランド 温泉溜め中  

黒森にある別源泉の温泉。小さな浴室棟があり日帰り施設として営業されている。行ってみると湯を溜めている途中で入浴できなかった。飲泉してみるとエグ塩味+少炭酸味で塩分は少ないがエグ味があった。

 

総計1553mgのNaCa-Cl,SO4で炭酸(CO2)も321mg鉄Feを7.0mg含有している。13.7度の源泉でこれから加熱するのであろう。冷たい源泉が張られていた。小さな木の外壁の施設で、ところどころ赤く染まった浴槽が見えていた。

 

4増富の湯  25度30度35度の源泉浴槽あり センター系  

黒森から峠を越えて増富温泉に戻り、源泉掛け流しを謳っている日帰り温泉センターの増富の湯に行った。瓦屋根に唐破風の立派な外観の建築である。しかし内部は近代的であった。今回男湯は洋風の方であった。

 

32.3度の含炭酸重曹食塩泉で総計11810mgの濃い温泉である。鉄分も18.3mg含有し濃い赤褐色に濁っている。浴室内には25度、30度、35度の源泉掛け流し浴槽があり25度は冷たいので誰も入っておらず、30度、35度の源泉浴槽は満員であった。

 

茶褐色に濁り、炭酸甘塩味、少金気炭酸臭と観察した。炭酸(CO2)は1290mgと多い。増富温泉の各宿と同じく源泉を生かした造りの温泉センターで好感した。各種療養プランも設定があり、湯治を意識した温泉造りをしている。良いことである。

 

5白山温泉 武田の里 掛け流し   

韮崎の郊外の高台に出来た温泉センター。掛け流しということで楽しみに行った。和風数奇屋風の建築で大きな内湯1つと露天風呂が1つという簡素な造りである。共に掛け流しで利用されており良い温泉である。

 

露天風呂からは茅が岳や八ヶ岳、韮崎の町並みが見える絶景である。湯口は掛け流しの新鮮な香ばしい香りもあり良い温泉であった。

 

湯は45.5度の重曹食塩泉(Na―Cl,HCO3)で総計1339mgと薄いものであるが、新鮮で良い。透明、少塩エグ味、湯口香ばしい。と観察した。

 

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2012/02/20 中部 
山梨の秘湯6か所 

1坂本温泉 ポンプ故障で入浴不可  

坂本温泉を探し、地図で近づいたと思われる場所で人に聞いた。国道脇の一軒家が坂本温泉で、車で先導して教えてくれた。なんとバス停も坂本温泉とある。坂本温泉は以前日帰り入浴をしていたが、現在ではポンプが故障し使っていないという。事実上廃業ということである。残念であった。

 

2杉木立の湯 野湯  SUSバス垂れ流し  

山梨県に入り富沢町になった。以前訪問した別草温泉は健在であろうか、などと思いながら今回は山の中にある杉木立の湯に行こうと計画した。以前からの課題であった。

 

ビニールシートの屋根に木製の浴槽がある、林の中にある野湯である。今回は以前の浴槽の中に入れ子のようにステンレスの浴槽が置かれそこに湯が入っていた。道路から50mほどの森の中にあり、アプローチはたいへん易しい。

 

しかしその最中で行きか帰りかは分からないが蛭に食われ足に1匹付いていた。また浴槽に行くと大きな木の浴槽の中に大きな蛇が泳いでおり、頭が三角でまだら模様がはっきりしているので「まむし」ではなかろうか。幸いステンレスバスのほうには入れないと思われるので入浴した。透明、微たまご味、無臭の湯で約30度ほどと観察した。常に掛け流しされているのでそれほど汚れてはおらず、奇麗なステンレスバスであった。

 

3南部町営温泉 なんぶの湯 アルカリ性単純泉 センター系  

この地域には久しぶりに来たが「なんぶの湯」という日帰り温泉センターが出来ていた。平屋造りの現代建築で33.5度のアルカリ性単純泉が湧出している。総計208.9mgと薄い温泉である。

 

PH9.9で高いアルカリ性である。CO3を14.1mg含有しややつるつるした湯であった。加温、オーバーフロー循環、殺菌というものであった。内湯に大浴槽と打たせ湯、バイブラ浴槽があり、露天風呂に岩組の浴槽が1つある。透明、少甘味、無臭と観察した。

 

4十枚荘温泉 NaCa-Cl 循環  

南部町に入り、はるか以前に訪問した十枚荘温泉に再訪した。舟の形をした浴槽が記憶にあるが泉質は記憶になくなっていた。木造入母屋の2棟が川に沿って建つ風格のある宿である。

 

浴室に行ってみると以前と変わりなくモザイクタイルの舟の浴槽であった。湯は土類食塩泉(NaCa―Cl)で透明、弱塩味、無臭の湯が循環で利用されていた。猪料理の宿として有名であるが温泉は循環が残念である。女性用浴室は四角いタイル浴槽であった。

 

5船山温泉 単純硫黄泉 循環  

以前、船山温泉に行ったときはちょうど現在の建物の新築中で鉄骨の柱が見える、建設真っ最中であった。このたび未湯で残っていた温泉である。背後に山の稜線が見え、川に沿った風光明媚な立地である。建築も立派で白い壁の清楚な建築で木目の2枚の大きな扉を開けて玄関に入る、中は廊下も全館たたみ敷きである。

 

15.7度の規定泉でHSイオンが1.1mg H2S 0.1mgでの規定である。総計954mgなのでもう少しで食塩泉になる組成である。オーバーフローを採っていると明記してあるが、量が少なくほぼ循環であろう。硫黄分は飛散して感知出来なかった。透明、無味、無臭である。浴室は立派で御影石の浴槽である。小さな露天風呂もある。

 

6ヨシャーの湯 野湯  含炭酸食塩泉 冷泉の垂れ流し  

みずがき湖のほとりにある冷鉱泉の垂れ流し。透明、炭酸塩味、無臭の鉱泉である。含炭酸食塩泉であろう。5グラムほどと推測した。

 

由来の看板が建っており、かつてはこの湯で塩を造っていたことが掲示されていた。垂れ流しの筒の先には四角い浴槽風の水溜めがおいてあり入浴できる。温度が20度台であろう、冷たくかつ炭酸分でさらに冷たく感じるがプラス1点のために入浴した。

 

 

 

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2012/02/16 中部 
静岡の名も無き秘湯6か所 

1柏尾温泉  温泉法の温泉か? 

 連休に東名高速の清水インターチェンジから山梨県に北上して周辺の未湯を廻ろうと計画した。まず清水の市街地からやや山沿いに入ったところにある。柏尾温泉に行く。清水市は静岡市と合併して清水区となった。柏尾温泉は東名高速よりも北側の山と平地が接するところにある。小さな集落の中の1軒が温泉であった。

 

瓦屋根の小さな温泉宿で、なまこ壁の古い造りである。風情のある玄関棟になっている。朝早く着いたので、お客は朝食中であった。湯は17度の弱アルカリ水(PH7.9)で源泉を加温して注ぐ方式のため循環はしていませんとのことであった。蒸発残留物は129mgの薄いもので透明、渋味、無臭の奇麗な源泉である。温泉法の規定成分は見当たらなかった。小さなタイル貼りの浴槽が男女共に1つある。

 

2吉原温泉  かつら館 温泉法の温泉か?  

清水市街から県道75号線で山の中に入ってゆく。第2東名高速の工事が進められている中を進むと、小さな沢沿いに木造2階で一部白い外壁の宿が見えてきた。吉原温泉かつら館という宿である。創業80年と言い。ラジウム鉱泉を沸かしている。タイル貼りの内湯1つだけでシンプルな温泉である。

 

分析表は掲示されておらず、温泉法に規定されているかは不明である。透明、無味、無臭の湯が循環されている。御影石の縁のタイル貼りの新しい浴室である。

 

3西里温泉 やませみの湯 含銅鉄-NaCa-Cl  

県道の分岐を間違えて違う沢に迷い込んでしまい、かなり時間を食ったがどうにか興津川の上流にある西里温泉に着いた。広場の奥に平屋の小さな施設がある。やすらぎの森という清水森林公園の中にある公営施設である。日帰り温泉施設の簡素なものである。

 

しかし内湯が1つと露天風呂が3つあり加水、加温、循環であった。しかし露天風呂のうち1つは冷泉と書いてあり、ここのみ源泉が加熱してオーバーフローされていた。温泉は13060mgの含銅鉄土類食塩泉(Cu,Fe―NaCa―Cl)で27.9度である。「冷泉」の湯口のみ塩苦味があった。

 

内湯と露天風呂の「竹炭の湯」と「竹酢の湯」2つの温度のある浴槽は加水で塩味がしなかった。特記成分はカルシウムの2242mgでナトリウムの2598mgと同量近くなっていて苦味が効いている。また鉄(Fe)が27.8mg銅(Cu)が2.1mg含有されており源泉のままであれば真っ赤に濁ると思われる。また銅の2.1mgは貴重で全国でもトップクラスである。以下の表からすると3位に入ると思われる。

*1位 こうつ温泉 (徳島県)      13.5mg 

*2位 田子町落合川原源泉 (青森県)  2.75mg

*3位 磯辺温泉・恵みの湯        1.51mg

*4位 大谷温泉  (島根県)      1.3mg

*5位 飯豊鉱泉 (福島県)       1.0mg

*6位 多田温泉  (島根県)      0.6mg

*7位 美郷温泉  (徳島県)       0.5mg

赤く濁っていないので濾過されていると思われるが、冷泉の湯口のみ源泉を使っていると思われる。濾過前の源泉浴槽を造っていただきたい温泉であった。

 

4八幡温泉 温泉法の温泉か?  

西里温泉の少し上流にある温泉。コンクリートの大きな温泉保養センターで八幡温泉老人センターと言う。四角いコンクリートの平屋で一部2階になっている温泉センターである。

 

分析表はなく、内湯が男女共に1つづつある。透明、無味、無臭の循環で個性は無かった。川沿いの内湯から対岸の竹薮の緑が美しい。お客のほとんどがご老人で演劇と入浴を楽しむ施設であった。

 

5興津川温泉 伏木荘 温泉法の温泉か?  

西里温泉の少し下流にある小さな民家のような温泉旅館。興津川温泉、伏木荘という看板が古く鄙びている。田舎の味と書かれた看板もある。小さな平屋で小部屋が並んでいた。

 

湯は冷泉とのことであるが分析表はなく、透明、無味、無臭の浴槽が1つだけである。男女交代で入るのか、貸切利用であろう。石貼りの床にタイル貼りの浴槽の内湯1つのみであった。循環加熱で利用されている。

 

6瓜島温泉 翠紅苑  温泉法の規定泉であろう  

国道52号線を北上すると天然温泉瓜島温泉という看板が目に付き、行ってみた。立派な和風木造旅館で門構えの入口に大きな吹き抜けの玄関があり、太い柱が豪快である。

 

アルカリ性冷鉱泉と記された分析表が掲示されていたが、15.5度で規定成分はHS 1.1mg S2O3 0.4mgである。もう一枚の分析表にはHSの記入はなくフッ素が9.0mgで規定になっている。かやの木の内湯と岩組の露天風呂がある。透明、無味、無臭の循環であった。湯に特記する個性はない。しかし奇麗な新築の和風旅館で雰囲気は良い。

 

 

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