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郡司が実際に行き、観察・記録した湯について書いています。
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温泉紀行
2011/02/06 九州 
泗水温泉と泡付きの辰頭温泉 

1 泗水町温泉 とよみずの湯  
 小さな日帰り温泉、家族湯もある 掛け流し


熊本市の北側に位置する植木町、泗水町などの平野には数多くの温泉が湧出していて、数百メートルおきに温泉があり、全て別カウントできるので温泉巡りには体力勝負になるような大温泉地である。



さらに北には山鹿温泉を控え、温泉はどこを掘っても出る地域なのであろう。そして素晴らしいのがそれぞれ個性が違い、施設の風情が違うのでたくさんの入浴記録のある地域である。泗水町には一部未湯が残っているのでこの度廻ってみた。とよみずの湯は国道沿いに家族湯をいくつか併設した温泉施設があり、入浴した。



純重曹泉の47.9度の温泉が毎分362リットルと豊富に湧出している。この湯量があるので家族風呂も出来るのであろう。まったくこの地域の温泉資源には驚かされる。総計は3594mgで濃い目の湯である。掛け流しで利用され良い温泉である。一般浴室はタイル浴槽の内湯と木枠の露天風呂がある。300円で入浴できるのも安い。透明、重曹エグ味、無臭ながらつるつるの湯で感触が良い。良い湯を発見できた。

2 泗水孔子温泉     
 透明、無味、無臭 オーバーフロー循環 
 この地域で循環は珍しい


泗水町の中にある中国風温泉センター施設。10種類の浴槽があり日帰り温泉センターといった施設である。玄関前に高いレンガ造りの煙突があり古い工場跡地であろうか?浴室棟の建築は中国風の瓦屋根の建築で赤い柱が派手である。



湯はオーバーフローながら循環で残念であった。41.9度の食塩重曹泉で毎分160リットルの湧出量である。総計3304mgと重曹分が多い温泉である。HS 0.5mgとH2S 0.2mgの含有量があるが感知出来なかった。透明、無味、無臭の清澄な湯で湯の個性はよわいつるつるがあるだけである。大きな内湯と石組の露天風呂がある。小さくても良いので源泉掛け流し浴槽を造るとさらに良いと思われた。



3辰頭温泉 (再訪)    
 素晴らしい、泡付き多し、気泡で湯口真っ白 
 透明、エグ味、金気香ばしい香り 


泗水町の名湯とも言える温泉は辰頭温泉であろう。近くには植木町に入るが宝田温泉もあり温泉巡りの聖地のような地域である。この辰頭温泉は小さな日帰り温泉施設で地元の人に大人気である。今回も満員であった。入浴料が200円と安く、かつ良い湯なのであるから当然である。



2745mgの食塩重曹泉で43.8度の源泉である。成分は一般的であるが使い方が良い。無加工の掛け流しである。さらに色や匂い、泡付き、などの良い温泉の個性が良く発揮されており素晴らしい温泉である。透明な温泉であるが内湯右側は気泡の小さな粒で白濁している、エグ味、金気臭の香ばしい匂いである。



新鮮な湯というのがすぐ分かる温泉であった。露天風呂は大きいが石組みの縁から掛け流しされ床は赤褐色に染まっている。仮設や湧出工事現場での温泉体験でも感じる湯の新鮮さが匂いですぐ分かる。また内湯のヌル目浴槽の泡付きが非常である。湯口周辺は入浴客で大人気である。みな固まってその近くに居る。というのも湯口近くは湯が白濁して浴槽が硫黄泉のようになっている。その白濁する原因は祖谷温泉のような小さな気泡である。



私は順番待ちをして湯口近くに浸かることが出来た。この場所は匂いが強く、さらに身体に付く気泡が凄く、産毛が真っ白になった。写真も撮れたが白濁した湯になっていた。この温泉はたいへん気に入った、高い評価としたい。

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九州 
日平温泉、ほたる湯、火の山温泉 3題

1 日平温泉 きんこんかん源流の湯  
 どこかのHPでは真っ赤な湯になっていたが 
 金気臭のある茶色析出物が浴槽に付いたものであった。
 透明、金気味、硫黄臭多し 掛け流し


日平温泉は山川温泉の沢にある温泉で少し上流である。貸し別荘の「きんこんかん」という施設にある温泉で源流の湯と称されている。簡素な共同湯のような小屋に浴槽が一つだけあり源泉が掛け流されている。壁には絵が書いてあったり、筆の文字が書かれていて風雅な雰囲気である。



切石造りの四角い浴槽のみで渓流側は開放されている半露天風呂であった。透明、金気味、硫黄臭多しという泉質の観察で、白濁している山川温泉山林閣の泉脈と同系である。しかし新鮮なために白濁していなかった。



また金気臭から鉄分による赤い色も出ると思われるがそれもなかった。しかしわずかに茶色析出物が浴槽を赤く染めており湧出直後は赤かったのかなあ?と推測した。

2 ほたる湯前 仮設風湯小屋  

 薄白濁、たまご味、硫黄臭 新築なったほたる湯前の小さな湯小屋


以前のほたる湯は掛け流し量の多い薄白濁した硫黄泉であり良い記憶になっている。水害で流失したとのことであったが、同じ場所に再築されていた。さてその向かいの広場に温泉の湯小屋風の建築が建っており、中を覗くとまさしく共同湯である。無人だし、入浴料の明記も無く、可も不可も分からないので入浴させていただいた。誰かが来たら入浴料を支払えば良いと考えた。透明薄白濁、たまご味、硫黄臭の湯で山川温泉共同湯の湯に似ている。木枠の縁に石貼りの浴槽で適温の良い湯が掛け流されていた。また屋外にも黒いゴムホースから大きなバケツに湯が垂れ流されており、好事家にはこちらでのワイルドな入浴もお好みであろう。 

3 火の山温泉 どんどこ湯  
 Mg・Ca・Na-SO4という正苦味泉は珍しい 褐色の湯
 良い温泉


小国町を過ぎ、阿蘇山の外輪山を下ってカルデラの中にある温泉に行った。内牧温泉や乙姫様温泉、火の鳥温泉、赤水温泉、坊中温泉、湯之谷温泉などがある阿蘇駅周辺の温泉群にさらに新しい火の山温泉なる施設ができた。



アーデンホテルの付属施設である。外観は縄文時代風の萱葺き家屋や北欧風の三角屋根の建築などがあり、それなりに凝った造りになっている。エントランスは大きな吹き抜け空間で古風な造りのある新施設である。



41.8度の芒硝石膏苦味泉(MgCaNa-SO4)で珍しい泉質である。総計3341mgの濃いものである。内湯には熱湯とヌル湯の2つの浴槽があり露天風呂は4箇所ある。曲がった木と石を柱に使った、小屋掛けの風雅な露天風呂や曲線を使った浴槽の露天風呂群で良い雰囲気である。



この温泉は湯の個性がある。鉄分は0.7mgながら緑色に濁り渋味が多く少エグ味である。土類臭で色味匂い共に個性を発揮していた。加熱掛け流しでどの浴槽からも多量に湯が溢れており好感した。

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2011/01/30 九州 
青い湯のはげの湯と離れの温泉、守護神温泉

1 はげの湯温泉  旅館山翠 (再訪) 宿泊  
 16種の浴槽あり、廻るだけでもたいへん 
 自噴独自源泉の湯の個性は少ない   


夕暮れになる前の黄昏時にはげの湯に到着し、ゆけむりに包まれたはげの湯集落が遠望できた。いつ来ても興奮する景色である。道の両側から白い湯煙が出ており、奥の高台は噴気で真っ白である。壮観であった。



和風2階建ての瀟洒な宿の旅館山翠に宿泊した。浴室は宿の続きで奥にあるのと、坂道を登って宿の上の台地の2箇所にある。上の浴室群が数多くの浴槽があり全部数えると16箇所にもなり、一つ一つ入浴するだけでもたいへんである。



また高温の噴気による天然蒸気浴室もありこの地帯が大温熱地帯であることがわかる。湯は噴気造成ではなく、自噴源泉である。宿に泊まっているとゆけむりに囲まれて情緒がある。



上の浴室に行く坂道にも数ヶ所噴気があり、コンクリートが亀裂になっている。凄い地熱である。総計2840mgの食塩泉でS2O3 0.3 HS 0.1と硫黄分は少ない。



湯は透明、無味、無臭で個性は少ないが圧倒的な湯量で、数多くの浴槽が掛け流しで利用されている。旅館横の内湯と露天風呂は一般的であるが、坂道を登った上は大きな休み処が付き、家族風呂のように浴室が連立している。



また一番上にある大きな露天風呂は大石積みで男女混浴になっている。周囲の山々を眺められる景観の良い露天風呂であった。


2 はげの湯温泉 わいた山荘 (再訪)  
 樽露天風呂と畳敷き内湯は自噴源泉 透明 個性少なし
 岩風呂と竹林の湯、離れの湯は青色透明と青白濁 
 噴気造成泉が青色で塩味、噴気臭ですばらしい。


朝一番でわいた山荘に訪問した。実はここに泊まる予定であったが。満室であった。青い温泉があり別府と湯布院の一部以外に明確に青い湯はここだけであろう。また近くの豊礼の湯も青い。



この宿は木造の瀟洒な宿で離れもあり、風雅な趣を持っている。そのため人気なのか2週間以上前に予約したが一杯であった。湯は2種類あり自噴源泉はおとなしい透明、少苦味、無臭のものであるが、噴気造成泉のほうが青くなり、塩薬味で噴気臭の個性的な源泉である。



直径2mほどの大きな露天樽風呂と畳敷きの内湯は透明なほうの自噴の湯であった。青い色の風呂は玄関隣の岩風呂と斜面の上にある竹林の湯と離れの貸切り風呂の3箇所であった。



3種類とも色の濃さが違い、岩風呂は薄青色透明で奇麗に底が見えていた。一番好きな状況である。



竹林の湯は青が濃くなりほぼ白濁して青白濁の色になっていた.離れの貸切り風呂は青が一番濃く、見事に青色が表現されている状況であった。いずれも違った状況で楽しい温泉体験となった。


3守護神温泉   
 離れの家族湯 15棟 透明、無味、微硫黄臭 大掛け流し
 45度の単純泉 
守護神温泉ははげの湯の下に新しく出来た温泉。山川温泉に通じる農免道路の脇から細い道で沢を下ってゆく。5分ほどで新しい離れの和風平屋造りの棟が15軒ほどある家族湯に到着した。



瓦屋根で黄土色の土壁造りの一軒家の離れが瀟洒に建っている。天狗松裕花のような貸切り利用の離れ施設である。独自源泉掛け流しである。1回づつ湯を入れ替える方式で、大量の湯が洪水のように流れ出てあっという間に浴槽一杯に溜まった。



いろいろな意匠の浴槽があるが、豪快な切石造りの浴槽に入浴した。45度の単純泉で大湯量で掛け流しされる。湯の個性は少ないが、新鮮なだけに匂いが残り良い湯であった。透明、無味、微硫黄臭であった。

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2011/01/23 九州 
天ヶ瀬と杖立温泉ほか

1 天ヶ瀬温泉 川沿い露天風呂 (再訪) 
 6箇所の共同湯を見るが一番白濁していた湯 シャレー水光園露天風呂
 前の四角い露天風呂 硫黄臭あり 薄白濁、たまご味、硫黄臭多目


天ヶ瀬温泉には4.5回行っているが川沿いの露天風呂めぐりを必ずしてしまう魅力を持っている。川沿いには数多くの露天風呂群があり、全部廻ると時間が多大に掛かってしまう、そのためいろいろ見学して一番良さそうな温泉に入ろうと思い廻ってみた。まず川の中にあって一番大きなシャレー水光園の露天風呂である。プールのような広さの露天風呂で広々している。



透明な湯で硫黄臭も少ない、しかしその横の堤防で高くなったところのブルーシートで覆われた露天風呂が一番硫黄分が良く出ていたので入浴した。タイル貼りの四角い浴槽で水量の多い川が眺められ美しい背景である。単純硫黄泉と思われ、薄白濁、たまご味、硫黄臭多目と観察した。



水光園の露天風呂側の川岸にはさらに露天風呂があり、少し上流に以前に入浴した薬師湯、川原の中にある神田湯もある。ともに透明で、たまご味も硫黄臭も少なく奇麗な湯であった。

2 天ヶ瀬温泉 益次郎共同湯  (再訪) 
 透明、少たまご味、弱い硫黄臭  
シャレー水光園の露天風呂の対岸に渡ると、薬師湯の前あたりに益次郎共同湯がある。こちらは緑色のシートで左右を覆ってあり、川側だけ開けた露天風呂になっている。過去にここの露天風呂が天ヶ瀬一番であるとの報告を読んだ記憶があるので、入浴してみた。



透明、少たまご味、弱い硫黄臭の湯でコンクリートの四角い浴槽に掛け流しされている。平均以上であるが最初に入浴したシャレー水光園の露天風呂上のブルーシートの露天風呂が一番良かった。以前は薬師湯が白濁しており良かった。天ヶ瀬に行くたびにそれぞれの共同湯がその源泉の遣い方や熟成具合などで、違った個性を発揮していて面白い。



3杖立温泉 流泉湯共同湯 温泉地再訪  
 良い風情の湯小屋の共同湯 弱食塩泉 
渓谷の両側に温泉街がへばりつくように建つ杖立温泉は100度近い高温の温泉が湧出し、街中のそちこちにゆけむりが立ち昇る別府や小浜のような温泉地である。国道の対岸に川に迫り出して建つ共同湯があった。流泉湯共同湯と書かれていた。



杖立特有の弱食塩泉で透明、微エグ塩味、無臭の湯が掛け流しになっている。古い木造の鄙びた湯小屋で、杖立温泉ではこのような共同湯はこのほかに発見できなかった。建物は古いが豪快な切石造りの立派な浴槽である。



木造3階の宿が川に沿って並び良い温泉街の風情になっている。たしろ屋、やまが屋、わかの屋あたりが良い。杖立温泉の鄙びた共同湯であった。



 

 

4杖立温泉 元湯露天風呂 (再訪)  
 ヌル目の湯で新鮮味なし 
国道側の最も下流の川沿いに元湯共同湯がある。すだれが掛かった半露天風呂で岩の窪みが浴槽になっている。源泉のコックが閉められておりヌル湯になっていて新鮮味がなかった。

 

ここはあまり使われていないのであろうか?杖立温泉発生の地として見学施設になってしまったようだ。以前と言っても15年以上前であるが、この共同湯はやはりヌルく見学用になっていたような雰囲気があった。



5池鶴温泉 個人宅の湯   
 2度目でやっと入れた おそらく弱食塩泉 
 透明、少エグ塩味、無臭


杖立温泉から小国町に向かう途中の池鶴という集落にある個人宅の温泉。以前訪問したが不在で、この度は入浴することができた。近隣に開放しているという情報で訪問した。



分析表はなかったがおそらく弱食塩泉で透明、エグ塩味、無臭の温泉でログハウス造りの別棟に浴室がある。木枠にタイルの底の浴槽であった。

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2011/01/21
明日 青山で講演会 予約なしでもOK

今週の土曜日1月22日にNHK文化センターで講演会が
あります。
ふるってご参加ください。


温泉チャンピオン・郡司勇の「究極の温泉」

■内容
  6800湯を確かめてきた温泉研究家であり一級建築士である郡司さんに、「泉質の良い湯」と「伝統建築の宿」を兼ねそなえる「究極の温泉」について、写真をまじえながらお話いただきます。
■日時:1月22日(土)13:00~15:00
■場所:NHK文化センター青山教室(地下鉄「青山一丁目」駅直結)
■受講料:NHK文化センター会員 3,150円/一般 3,780円 
■詳細・お申込:http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_540881.html


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