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郡司が実際に行き、観察・記録した湯について書いています。
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温泉紀行
2012/07/15 関東 
草津ほか群馬の温泉9か所

1草津温泉 草津館

草津温泉の湯畑に面して位置している老舗旅館。白旗の湯の裏にある。小さな木造3階建ての宿で外観は白い壁で新しい造りで山本館や益成屋のように凝ってはいない。湯畑を眺める部屋でよかった。



この宿は草津の代表的源泉の白旗の湯と敷地内に湧出する若の湯源泉の2つを持っている。1階の玄関を入るとロビーの先に中庭がありその直下で若の湯源泉が湧出しているのが見える。



そのまま浴室に流れ込み新鮮そのものである。浴室は2つの浴槽があり白濁しているのが白旗源泉の浴槽で透明なのが若の湯源泉である。透明、酸味、硫黄臭ありの草津一般の湯であった。泉質としては酸性含硫黄食塩明礬泉(H、S、Al-SO4、Cl)である。小さな良い宿で次回からここにも泊まりたいと思った。



 

2六合温泉 バーデ六合

尻焼温泉の引き湯で高台に建っている。医療施設と一緒になった温泉。プールもある。近代的なコンクリートの施設で1階に内湯の浴槽がひとつのみである。掛け流しで利用されている。



源泉は56度の食塩芒硝石膏泉(CaNa-SO4.Cl)で総計は1490mgである。清澄な湯で透明、無味、無臭である。プールも源泉掛け流しとのことである。



3京塚温泉 喜久とうふ店の露天風呂

変り種の温泉で近くのとうふ店で料金を支払い鍵を借りるという方式の温泉。浴槽は離れてあり、車で川に沿って下ってゆく。男女別の露天風呂があり、仮設プレハブの内湯もあるがこちらは地元専用である。内湯の風情がよかった。



湯はCaNaーSO4,Cl泉で源泉は花敷温泉となっている。湯量豊富でドバドバに掛け流しされている。湯は透明、少エグ味微たまご味、少硫黄臭あり(香ばしい匂い)である。



露天風呂は大きな浴槽が一つで、前面に崖があり絶景の位置である。変り種の温泉としても、泉質も良いしなかなか良い温泉であった。



4湯の平温泉 松泉閣

湯の平温泉は以前、数回訪問して最初の単行本の丸秘湯112選にも載せた温泉である。以前は珍しい正苦味泉であったがこの度分析表をみるとNaCa-SO4、CL泉(食塩石膏芒硝泉)であった。



71.2度の温泉で露天風呂の脇に今でも源泉が健在で湯気が出ていた。ここは川の対岸に車を止め歩いてアプローチする。途中に川を吊り橋で渡る。青い川がいつ来ても美しい。この度は川の半分が凍りつき白くなっていた。内湯は奇麗な新築のタイル風呂で弱く掛け流しになっている。



透明、少苦味、油臭とゴム臭の混ざったような香りであった。ここは源泉近くの川沿いにも温泉の湧出があると言うことで探したら、川の一部黒くなっているところが温泉が湧出していた。早速石をどけて尻浴が出来るほどに掘って入浴した。



しかし熱い湯が湧出して尻はかなり熱い、川の水を入れて適温にするが、足元湧出の源泉は尻が強烈に熱くなる。面白い体験であった。湯は完全に鉱泥で黒く濁っていた。湯の油臭も多く存在感のあるものであった。



露天風呂は男風呂に1つ、女湯に2つの浴槽があり湯量豊富に掛け流しされており、油臭がはっきりとわかり良い温泉であった。



 

5林温泉 かたくりの湯共同湯

川原湯の近くにダム開発の代償で掘られた温泉が4ヵ所ある。どれも木造の共同湯の造りでポリバスが同じ造りである。この林温泉は中でも泉質が良く、濃厚な土類食塩泉でNaCa-Clである。総計3160mgであるが味と匂いが強く存在感は大きい。



透明、塩エグ味、油臭多し、である。掛け流しであるが源泉が熱いのでパイプで一部垂れ流して、一部を浴槽に入れている。分析表に拠るとHSが0.93mg入っているが油臭はするが硫黄臭は感じられなかった。簡素な共同湯の造りでポリバスが一つのシンプルな温泉である。



 

6川原畑温泉 岩陰の湯共同湯

林温泉と同じく共同湯の造りにポリバスの温泉でやはり源泉が熱いのでパイプで半分以上垂れ流して一部を使っている。



芒硝石膏泉(CaNa-SO4)で総計1190mgの清澄な湯で個性は少ない、透明、少石膏味、無臭であった。林温泉より新しく以前私が訪問した時は、黒いゴムホースで源泉だけ流れていた。この度は共同湯が出来ていた。



7横壁温泉 白岩の湯共同湯

横壁温泉は以前訪問したが、この度場所が変わり新規に建て直されていた。地元専用化になっており、施錠であった。しかしちょうどおばあちゃんが来たので見学させていただいた。



切妻の湯小屋で左右に男女別になっている、浴槽はポリバスである。NaCa―Cl,SO4で透明、無味、無臭の個性は少なかった。



8四万温泉 積善館 山荘泊

四万の積善館は国指定の文化財になっていて、元禄風呂、渡りの橋、本館、山荘などが指定されている。今回は再度、山荘に宿泊してゆっくりと積善の湯を楽しもうと思った。



山荘では一人だったので鬱金の3の部屋で小さいながら角部屋風になっており凝った障子の造りもあった。四万はこの新湯地区では食塩泉でNaCa-Cl,SO4泉となっており含芒硝石膏食塩泉となっている。



奥の日向見では硫酸塩泉である。元禄の湯がやはり素晴らしい、御影石の5つの浴槽に2つの蒸し風呂がある。足元から湯を入れ続ける掛け流しである。



温い場合はカランをひねると熱い湯が出てくる仕組みである。総計2110mgの源泉で73.2度と62.9度の分析表があった。山荘には家族湯が2つありそれぞれ2つの浴槽の付いた小さな浴室であった。



山荘の外観の写真を撮りに四万グランドホテルの階段から望遠で撮った。木々に覆われていてなかなか良い写真が撮れない。部屋はお客が退出してから各室を見学したが、それぞれに障子の絵や幾何学模様の意匠が違い楽しめた。湯は透明、微塩味、石膏臭のもので仄かな個性はある湯であった。





9日向見温泉 中生館

四万温泉に足元湧出源泉浴槽があるというので行ってみた。それは日向見の一番奥にある中生館の川沿い露天風呂で岩の割れ目から熱い湯が少量、湧出していた。



 

冬季間は温いので夏に主に使われている。しかし足元湧出なので36度ほどであるが湯が溜まっていた。NaCa-SO4泉の48.2度で総計1130mgの清澄な湯である。透明、少エグ味、湯の香ありと成分総量は少ないがそれなりに存在感はある。



足元湧出の浴槽は川のすぐ横にあり、宿の露天風呂から階段を下り、橋を渡ってゆく。浴槽の半分くらいしか湯が溜まっていなく温度も低かったが足元湧出温泉という貴重な浴槽で夏に再訪したい。



10某温泉 源泉湧出地

上信越自動車道のさるICの近くににある某温泉という鉱泉宿がある。以前入浴したことがあるが、その源泉井戸に入浴できるとあって行ってみた。



以前入浴したのは内湯で加水していたが、総計は5.7グラムの食塩泉である。源泉は透明、塩味たまご味、少硫黄臭であった。HS2~3mgであろうと推測した。



含硫黄食塩泉であろう。温度はなんと6度でそこに冬のさなかに入浴するので足が冷えてしびれる。洞窟のような源泉池で腰までの深さがある。そこにかがんで入浴した。



 

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四国 
道後温泉本館としまなみ海道の温泉

1道後温泉 宝荘ホテル

道後温泉本館の写真を撮りたくて、2泊3日で道後温泉に行った。四国は02年が最後なので7年以上行っていない。格安のプランで宿泊は宝荘ホテルとなった。



道後温泉本館から3分ほどの近くである。大きなビルのホテルで部屋は5階の展望の良い位置で、食べ物もまあまあで満足した。



湯は道後温泉の第2集湯桝のものでオーバーフロー循環とのことであるがほとんど加湯の量は分からなかった。透明、無味、無臭の湯でよわいすべすべがある。屋上の展望露天風呂と地下の内湯がある。また男性は朝に別棟の屋上風呂もある。

 

 

2道後温泉 本館

日本で重要文化財の温泉に入れる唯一の共同湯。ほかの重要文化財では箱根湯本の万翠楼福住がある。浴室は神の湯と霊の湯の2ヶ所でともに1階にある。



複雑な建築で神の湯の上に建築は無く、トップライトになっている。男湯は2ヵ所の浴室があってともに御影石の立派な造りである。西浴室は大きな湯壷から左右に2ヶ所の源泉湧出口があり、湯壷には万葉仮名が刻まれている。



東浴室は同じく大きな湯壷の中央から大きく1ヶ所の湧出口があり、さらに左右に小さな湯口が2ヵ所両脇にあった。こちらの湯壷には漢文が刻まれている。グレーの御影石で立派な造りである。



霊の湯はやや小さな浴室で小さめな湯壷が2ヶ所にあり、掛け流しで利用されている。霊の湯は黒い御影石であった。神の湯も掛け流しであるが人の出入りが多いので溢れている光景が見えないのが残念である。



外観は素晴らしい。正面には幾重にも屋根の妻が見えて、積層している。2階は神の湯の広間と、裏側に霊の湯の広間がある。3階は個室休憩所である。



その上に震鼓楼という赤い塔楼がある。裏手は又新殿という皇室専用の浴室で見学だけできる。こちらの屋根は瓦葺ではなく銅板である。緑青が立派であった。こちらも屋根が凝っており、幾重にも重なり複雑な形状になっている。



この又新殿の浴槽は湯が張られていなかったが白御影である。夜にも訪問して3回行ったが道後温泉はやはりここに限るであろう、湯は透明、無味、無臭の個性無いものであるが掛け流しで豪快に使われているのはここが一番であろう。





 

3瀬戸田垂水温泉

松山から高速道路でしまなみ街道の温泉巡りをした。まず今治から大島に渡り、伯方島に行き、大三島を過ぎ、生口島に渡った。4つ目の島である。ここの北岸に瀬戸田垂水温泉という温泉がある。小さな宿でユースホステルもやっている。温泉は小さな内湯のみである、現在海側に展望風呂を工事している最中であった。湯は18.2度の弱放射能泉で21マッヘである。透明、無味、無臭の循環、加熱、殺菌であった。

 

4多々羅温泉 しまなみの湯

生口島から大三島に一つ戻って、大三島にある温泉センターに行った。内湯のみの浴室で22.3度のCaNa-Cl泉で総計2500mgほどの温泉である。透明、弱い塩エグ味、無臭の湯が循環、加熱、殺菌であった。

 

5大崎上島温泉 薬研谷温泉 ふれあいセンター

大三島からフェリーに乗って大崎上島の温泉に行く。大三島の宗方より大崎上島の木江までである。その島の東側に着くが温泉は西側の大串という場所である。公民館のような建築に20度の単純弱放射能泉が湧出している。25マッヘである。内湯のみで2つの浴槽がある。一つは気泡湯になっている。透明、無味、塩素臭で循環、加熱、殺菌である。

 

6きのえ温泉 ホテル清風館

大崎上島で景観の良い岬の高台に位置して美しい海岸美が俯瞰できる位置にある温泉ホテル。含弱放射能CaNa-Cl泉で22度 総計26590mgの高調性の温泉である。透明、強い塩辛味、無臭の湯であった。



循環、加熱、殺菌である。景色は大三島や柏島、大下島、小大下島などが点在し海峡のような海である。船が通り抜け美しい風景であった。その後木江から大三島の宮浦へフェリーで戻った。



7道前渓温泉

帰りに高速を伊予小松で降りて小さな日帰り湯の道前渓温泉に行った。24.6度のNa-Cl泉で総計7622mgの等調性に近い温泉である。しかし加水され薄めてあった。透明、無味、塩素臭で加水、加温、循環、殺菌の温泉であった。



8道後温泉 本館

霊の湯に再訪した。

 

 

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2012/07/14 九州 関東 
埼玉の温泉センター4か所と北九州1か所

埼玉センター4ヶ所

1 早稲田温泉 めぐみの湯  85

埼玉県でも東寄りにある三郷市に温泉が湧出した。常磐自動車道と外環自動車道の交差する地点に三郷ジャンクションがあるが、その近くの温泉である。武蔵野線三郷駅の近くである。住宅街の中に四角い鉄骨造ALCの外壁の温泉センターである。



湧出量が多く毎分300リットルあり、内湯2ヶ所、露天風呂2ヶ所ともに源泉掛け流しで利用されている。



湯の色が濃い茶褐色の強食塩泉である。見た目は有馬温泉のような源泉である。強い塩味と弱い金気臭がある。45.4度の強食塩泉で総計24440mgである。成分量の割りに塩辛さが強かった。



塩分のほかに土類金属のマグネシウム338mg、カルシウム491mgを含有しているため苦味が加わっていて塩辛いのかもしれない。赤褐色の色は透明度10センチで鉄分の8.3mgが良く残っている源泉であった。入浴料が1300円と高くお客は少なくガラガラであった。



2 上尾温泉 花咲の湯  80

岩槻インターチェンジで降りて国道16号線に沿って上尾市に入ると新しい温泉センターが出来ていた。アメリカのショッピングモールのような外観の建築で内装はアジアンテイストとも言える、やや中華風になっていた。



38.5度の食塩泉で総計6114mgの低調性の源泉である。露天風呂のみ温泉を利用しており四角い東屋の付いた石風呂が掛け流し浴槽である。そこから流れ出る下湯は循環である。掛け流し浴槽は一つである。



ほかにつぼ湯2ヶ所や寝湯は循環である。源泉の個性ははっきりと残っており良い。褐色濁り、塩甘味、かつおぶし臭であった。



透明度は15センチほどで鉄分の2.3mgがよく残っている。下湯は循環されて褐色透明になっていた。源泉浴槽は新鮮で良いと思った。



3 羽生温泉 華の湯 75

東北自動車道の羽生インターチェンジで降りて羽生温泉 華の湯に行った。東武伊勢崎線羽生駅の近くでホテルルートインに併設されているスーパー銭湯である。



44度の食塩重曹泉(Na-HCO3、Cl)が毎分460リットルも湧出し、内湯のヒノキ風呂と露天風呂の2ヶ所で掛け流しで使われている。



総計1426mgの単純温泉をやや超えた湯であるが良く個性を残しており黄緑色透明(緑茶色)、少エグ味、薬品臭+少硫黄臭であった。内湯は大きな浴槽で桧の枠である。露天風呂の岩風呂の2ヶ所も源泉浴槽であった。



弱いつるつる感もあり最近の温泉センターはかなり湯の使い方が良くなったと思う。浴槽内部で循環殺菌していると思われ源泉を追加するタイプである。浴槽の縁から湯が溢れているのでオーバーフローは多い。

 

4 深谷温泉 花湯の森 70

羽生から埼玉県を横断して花園インターチェンジに近い深谷温泉に行く。和風の民家のような入口で天井の高い玄関は黒い梁が交差していて、まさに囲炉裏のある民家のように造られている。



廊下は濃いべっ甲色に塗られたもので雰囲気は良い。土壁の意匠や細い格子を使った建具も田舎屋のイメージである。



温泉は26.5度の食塩泉で総計7025mgである。しかし浴槽では加水されているのか半分くらいにしか感じない。掛け流しと謳っているが殺菌、循環で少量の源泉を追加しているだけである。大きな内湯1つと庭園風に大きな石で造り込まれた立派な露天風呂が温泉であるが加水、循環で温泉自体の評価は上がらない。



しかし建築や造園の評価はしたい。露天風呂につながる庭園は池や滝が見える。良く造りこまれている。湯は透明、少塩エグ味、無臭で浴槽では殺菌臭があった。4630温泉地に数が増えた。



北九州  輝泉 くさみ温泉  60

北九州に社員旅行があって、みんなで入浴した温泉。海上にある新北九州空港から国道10号線に入ったところに位置する。くさみ温泉は朽網と書く。難読地名であろう。地下960メートルから25.8度の温泉が湧出している。総計29914mgの強食塩泉で毎分64リットルの湧出量である。



鉄分を22.8mg含有し正式名は含弱放射能Fe―NaCaMg-Clである。特記成分はFeの22.8mg Brの94mgである。透明、強い塩辛い味、カルキ臭であった。



大きな内湯と円形の露天風呂があるが、どちらも加温、循環、殺菌である。除鉄もしている。建築は民家のような入母屋の屋根に唐破風の入口で板壁が雰囲気がある。しかし湯の使い方が駄目で残念である。

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2012/07/07 東北 
中山平温泉のつるつる温泉12か所とほか1か所

1仙庄館

中山平温泉でも大きな鉄筋の宿。2階に内湯と離れに露天風呂がある。88.3度の単純硫黄泉で総計940mg HS33mg H2S14.9mgと立派な数値である。



内湯はオーバーフローを採りながら循環されており残念である。しかし硫黄分の個性は出ていて緑色透明、たまご味、硫黄臭であった。ここに宿泊したので夜に再度行ってみると湯は白濁していた。また露天風呂は加水が多く湯の個性は少なかった。



ここは内湯がベターである。中山平特有のつるつる感は少なくすべすべする程度であった。重曹系であるがCO3は0.5mgと少なく硫黄泉の個性が出ている源泉であった。



2星の湯旅館

白い壁の鉄骨造の2階建ての小さな宿。64.7度のアルカリ性単純泉が湧出しており総計242mgと成分総量は少ないが重曹系でCO3が12mg含有されており、重量割合は23.8%である。



そのため透明、無味、無臭ながらつるつる感がよく出ており存在感のある単純泉であった。木の浴槽の内湯1つのみで掛け流しで利用されている。



3あすか旅館

赤い屋根の鉄骨2階建ての小さな宿。74.6度のアルカリ性単純泉で総計297mgの湯で星の湯旅館と同系の温泉である。古い木製の内湯浴槽と離れにある石造りの露天風呂がある。



露天風呂は風雅な造りで仮設風の良さがあった。CO3は9.6mgと少ないがつるつるの湯で存在感はある。HSが0.2mgであるが感知できた。透明、無味、微硫黄臭と記録した。







4ふきゆ荘

含銅単純硫黄泉という変わり種の泉質。100度の噴気から造成によって温泉を湧出させている。S2O3 3.0mg H2S 4.4mgと硫黄分はそれほど含有されていないが、白濁した湯が特徴的であった。硫黄臭も強く個性的である。



含銅はCu2.3mgで全国的にも珍しい温泉である。白濁薄黄色、少苦味+微酸味、硫黄臭多し、と記録した。石造りの内湯が1つのみである。中山平でもこのような硫黄泉があるのかと驚いた温泉であった。



5鳴子ラドン温泉(現在、休業中)

中山平でも有数のつるつる温泉の東蛇の湯と同じ経営の温泉宿。100度の源泉で含硫黄Na-HCO3、SO4泉 Phは8.3である。総計1137.5mgと含有量もある。主な成分はHSの37.3mg H2Sの2.1mg、CO3の44.8mgである。



露天風呂が掛け流しでよい状態になっており今回最強のつるつる感触になっていた。露天風呂は透明、たまご味、硫黄臭であるが、内湯は少量加水されており緑色透明、少たまご味、少硫黄臭と薄い感触になっていた。



露天風呂の源泉はCO3 100mg台に匹敵する感触である。分析値では44.8であるが、もっと多く感じる。



6琢琇

琢琇は瀟洒な宿で秘湯を守る会にも入っており中山平でここに入浴した人は多いでしょう。うなぎ湯と銘打っており、鳴子温泉のゆさや旅館と同じ命名である。



このたびうなぎ湯の掲示は無く、しんとろ湯と名刺に刷られていた。ここも鳴子ラドン温泉と同じく100度の含硫黄Na-HCO3、SO4泉である。CO3が104.7mgと多く含有されつるつるの湯になっていた。



内湯の長生の湯は石造りの浴槽でほかに混浴露天風呂の付いた内湯がある。さらに下側に露天風呂の鶴亀の湯もある。透明、少たまご味、少硫黄臭である。つるつるやや強しで鳴子ラドン温泉の露天風呂についでつるつる感覚があった。







7東蛇の湯(現在、休業中)

東蛇の湯は熱い源泉を夜の間に入れ、冷ましておく。そのため朝一番の湯は源泉のままである。昨日は入浴客で混雑し写真が取れないので、朝一番に東蛇の湯に写真を撮りに行く。まだ新鮮な湯でつるつるはそれほど強くない。この湯はある程度熟成されるとつるつる感が増してくるのであろう。



しかし透明ながらたまご味強く、硫黄臭もはっきりとわかり、やはり新鮮な湯は良いと思う。分析表ではHS 37.8mg H2S 2.1mgでCO3 44.9mgのラドン温泉と同じ分析表である。



浴室は混浴のみで朝でないと写真が撮れないのでほかの客がいない時を狙って撮影した。混浴の内湯と付属した石組みの露天風呂がひとつあるだけである。



8しんとろの湯

中山平温泉で唯一の日帰り専用温泉。レストハウス星沼もあるが一般的でなくここが人気の日帰り温泉になっている。この温泉は源泉から長い樋を通し適温まで冷まして投入するという高温の中山平温泉の中では素晴らしい使い方である。



93度の源泉でS2O3 5.9mg HS 16.4mg H2S 0.6mgという含有量、つるつるの指標となるCO3は105.3mgと多い。透明、たまご味、少硫黄臭というもので以前訪問したときには薄白濁していたが、今回は透明であった。つるつるも一般レベルで前回の方が強かった。



9三乃亟湯

中山平の上流に1軒だけ離れてある温泉宿。小さな旅館で内湯の小さなタイル貼り浴槽が一つだけの簡素な施設である。63.6度の純重曹泉で総計1583mgの源泉である。



掛け流しで利用されていた。透明、無味、無臭の個性は少ないがつるつる感触は中山平では中間程度でつるつるの湯であった。



10菊池旅館

あすか旅館のすぐ前にある小さな民家のような宿。湯治専用の宿泊施設である。古い民家のままでふすまで仕切られている。



浴室は2ヵ所あるが男湯は2つの浴槽があってともに源泉掛け流しである。61度の単純泉で溶存457.2mgである。重曹系で透明、無味、微油臭と観察した。



源泉掛け流しなので熱い湯でヌル目の方でも44度くらいあり、熱い方は48度以上に感じた。一瞬しか入れない。何かの対策が必要であると感じた。掛け流しでも入れなくてはしょうがない。



11なかやま山荘

国道沿いにある公民館のようなコンクリート造の宿。大浴場は清掃中で家族風呂に入った。これが正解でゆっくりと源泉が掛け流しになっていて素晴らしい。



92.2度の含硫黄食塩重曹泉(S-Na-HCO3、Cl)である。溶存1224.7mgの源泉で硫黄分はHS 18.9mg S2O3 0.8mg H2S 0.7mgである。



ほぼ硫化水素イオンが占めているので透明であるが硫黄臭がして非常に好い源泉である。なおCO3は108.9mgと多量に含有している。つるつるも強く本日ではしんとろの湯をまさって最高であった。



家族風呂は小さな半円形の浴槽で弱く掛け流しされている、この使い方が良いのであろう。加水の大浴場よりも好いと思われる。透明、たまご味、硫黄臭でつるつる強しで良い湯であった。

 

12花渕荘

花渕荘は冬に来たことがあるがあまり印象に残らなかった。今回、脱衣場で2つの源泉があることがわかり一つは71.6度の単純泉でもう一つが99.5度の含硫黄芒硝重曹泉(S-Na-HCO3,SO4)である。総計1171mgでHS 11.6mg CO3 119.7mgという強力な源泉である。



内湯は単純泉で個性がなかったが露天風呂で重曹泉を使いつるつるの湯であった。



また離れの貸切り風呂は石造りの小さな浴槽で掛け流しで使われ熱いので少々加水して入浴する。中山平ではこのような使い方がベターであろう。



ここは重曹泉が入れられ新鮮な良い湯であった。透明、たまご味強し、硫黄臭でつるつる強しである。木造2階の小さな宿で13室である。



その他 北品川  天神湯

京浜急行の新馬場駅近くに濃厚な黒湯が湧出したと聞き早速行ってみた。まだ温泉分析表は計測中で無かったが新築のマンションの1階2階が銭湯になっており新築でまるでホテルのロビーのように立派である。



温泉の湯は露天風呂で使われておりその黒さに驚いた。黒褐色(透明度2センチ)、少苦味、わら臭と記録した。



透明度2センチは廃業した女塚湯、鶴見の松の湯、横浜の鎌倉館などみな廃業してしまったので、現在国内でも五本の指に入る濃厚さであろう。分析結果が楽しみである。



また重曹分も多いのかつるつるの感触もあり存在感の大きい良い源泉である。残念なのはカランがなく自動調節の循環になっていた。

 

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2012/07/06 関東 
プリンスパークタワーと埼玉の温泉センター6か所

1ザ、プリンス パークタワー温泉  70

都内の東京タワー近くに昔から東京プリンスホテルがあるが、その並びに超高層のザ・プリンスパークタワーがオープンした。芝の増上寺の隣で都心にもこんなに緑があったのかと驚く良い敷地である。



ここに温泉が掘削され会員制のスパ・フィットネスが造られた。100万円の会員料と年会費50万円のコースと300万円の会員料と37万の年会費のコースがあるが、近隣の裕福な人に限られるだろう。その温泉には会員とビジターが入浴できるが8400円の利用料である。



しかしザ・プリンス、パークタワーに宿泊した人は2000円で入浴できる。都心にありながら秘湯の一つである。しかし宿泊は安いプランがあり、泊まれば2000円で入浴できるのである。ジムやプールマッサージルームなども併設されている施設で、温泉は内湯が一つである。大きな内湯浴槽があるだけの簡素なものであった。白い壁の浴室でハイサイドライトのある空間であった。外の景色は見えない。



温泉は1600メートルの掘削で34.3度の強食塩泉が湧出している。加温、循環、殺菌ながら少量のオーバーフローを採っている使い方であった。湯口は源泉で浴槽内で循環、加熱をしていると思われる。湯は総計19460mgの食塩泉で紅茶色透明、塩味、少アンモニア臭と殺菌臭が混ざったものであった。色が美しく、泉質は平和島クアハウスに似たものである。特記成分はアンモニウムイオン(NH4)の102mg や臭素イオン(Br)の60.6mgであった。



2戸田温泉 七福の湯   75

東京に接した戸田市にある温泉センター。2階建てで広い敷地に前面に駐車場のある一般的な温泉センターである。和風のエントランスで竹が植わっており雰囲気を出している。湯は39.4度の食塩泉で毎分423リットルもの湧出量がある。総計7031mgで等張性の温泉である。



温泉は内湯にあつ湯、ぬる湯の浴槽があり、露天風呂に掛け流し風呂とそこから流れる下の湯がある。温泉のつぼ湯もある。掛け流し風呂以外は加温、循環である。掛け流し浴槽は良い。赤褐色紅茶色で塩甘味、アンモニア臭素臭がある。源泉の殺菌が残念である。





 

3むさしの温泉 彩ゆ記   85

所沢の郊外にある温泉センター。新座の野比止温泉の近くである。新築の現代建築でシャープな外観である。内装も暗くフットライトを使った演出で雰囲気はバーのようである。温泉は露天風呂で使われており和と命名された浴槽はヌル湯で循環なしである。



掛け流し浴槽は極と命名され加温のみである。内湯は白湯で露天風呂が温泉である。熱(あつ湯)独(木湯)夢(寝湯)も温泉であるが循環、殺菌である。極の掛け流し浴槽はよかった。つるつるの感触で泡付きもあり殺菌、循環はなしである。和(ぬる湯)に流れ込んでいる。



薄褐色透明、少エグ味、少硫黄臭があった。1200メートルの掘削で31.6度のアルカリ性単純泉が毎分300リットル湧出している。総計591mgである。硫黄臭もあり泡付きとあいまって良い温泉であった。



4宮沢湖温泉 喜楽里  90

飯能の郊外にある日帰り温泉センター。宮沢湖を眺められる高台にあり景観は良い温泉である。黒い柱の和風民芸調の造りである。温泉は1500メートル掘削のアルカリ性単純泉で毎分67リットルという少量の湧出である。そのため露天風呂のみに温泉が利用されている。



この湯が良かった。色が変り種で灰色の泥湯のようだ、源泉掛け流し風呂とそこから流れる展望風呂があった。浴槽の造りがよく考えられており、深く胸のあたりの深さである。そのため周囲の景観を塀で隠すことなく見せている、眼下に宮沢湖の湖面が見え、奥に秩父の山並みが見える。美しい景観が塀で隠すことなく見えている。



浴槽のオーバーフローは湖側の縁より流れ出ており湯と景色の隔てが無い。湯の上に景色が見える趣向である。湯はアルカリ性単純泉の32.4度で加熱掛け流しである。総計825mgと少ないが色と匂い、つるつる感で存在感は大きい。重曹系でCO3が63.4mg含有量されており、つるつるやや強めの良い感触であった。



源泉掛け流し風呂では泥色(透明度5センチ)、土の味、香ばしい香りであった。その下の展望風呂では少し茶色になった泥色(グレー)で、エグ味+少渋味、殺菌臭であった。湧出直後のノッチタンクで入浴しているような新鮮さがあり、濾過していない泥色の湯は感動的であった。湧出量が少なくても良い使い方で温泉はこれほどの存在感を示すのである。素晴らしい温泉であった。



5蔵の湯温泉 鶴ヶ島店  70

蔵の湯は東松山店と鶴ヶ島店で温泉を利用している。黒と白の蔵造りの建築である。36.1度の土類弱食塩泉(NaCa-Cl)で総計2359mgのものである。



看板の表示ではつぼ湯が掛け流しということだったが循環で露天洞窟風呂も循環であった。内湯に源泉浴槽がありヌル湯になっている。ここは加温、殺菌ながら掛け流しであった。湯の個性は少なく透明、弱塩エグ味、無臭のものであった。



6おがわ温泉 花和楽の湯   65

小川町にある日帰り温泉施設、和風の板壁の建築が並んで建っており風情は良い。古い民家の造りで、瓦屋根が美しい施設である。湯はアルカリ性単純泉で毎分100リットルの湧出量である。総計188mgの極めて清澄なものである。



PHが10.1と高い。特記成分はOHイオンの1.7mgとHSイオンの1.0mgである。透明、甘味、殺菌臭の湯で掛け流しはなく循環ばかりであった。源泉を流している湯口は微硫黄臭がした。CO3が35.6mgと多く42.5%にもなるがPHが高いため貼り付くようなツルツル感でとろみは無かった。



露天風呂は白金の湯と称され3ヵ所に信長、秀吉、家康の湯と名づけられている。内湯は金の湯である。小さくても良いので掛け流し浴槽を造ると良いと思われた。入浴料も1350円とやや高価で温泉の良い使い方を期待したい。



 

7行田湯本温泉 茂美の湯  75

行田の郊外にある大きなホテル付属の温泉施設。行田は古代蓮物語温泉にも行ったが掛け流し浴槽のヌル湯があって良かった。この茂美の湯は毎分660リットルと大量の湧出量を誇り、内湯、露天風呂2ヵ所ともに掛け流しを謳っている。



ビルの奥に平屋の浴室棟がある。41.4度の食塩重曹泉(Na-HCO3、Cl)で総計1310mgである。湯量が多く内湯と露天風呂の桧風呂、大きな古代蓮の湯、3連のつぼ風呂などすべて掛け流しであった。



浴槽の縁からどんどん湯が溢れ掛け流しは一目でわかる。薄褐色透明、少エグ味、湯口香ばしい香りがあった。しかし直感であるが、新鮮味が感じられず不思議であった。



 

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