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2012/02/24 中部 

増富ラジウム温泉ほか5か所 

1増富ラジウム温泉 金泉湯(現在廃業しました。この記事は約3年半前のものです) 16時10分着  

 32度の源泉浴槽に長湯する。合計2時間ほど入っていた

金泉湯は近年に廃業してしまったが、良い温泉宿であった。昔ながらの湯治専門の宿である。そして少々変り種の宿である。電話で予約を入れると15時までに来館してくださいとのこと。これでは湯巡りが出来ないので少々ねばり16時に到着することで了承いただいた。

 

増富温泉の道路沿いの宿ではなく、細い急坂を登り、その終点に車を止め、歩道を歩いてゆく。そして小さな沢に出たところにある古い宿である。玄関前には鄙びた木造3階建ての棟があるが雨戸が閉められており、現在は使われていないようだ。

 

奥に本館があり、さらに裏手に新築の棟がある。しかし不思議なことに連休中の混みあう日にも関わらず、新館の方は誰も入っておらず、玄関の古い棟だけが使われていた。赤い欄干の小橋を渡り山小屋のような古い木造の玄関がある。昔に訪問したままである。

 

電話の時にうちは湯治場で仕切りは襖で古い宿だが良いかと尋ねられたのがうなづける。古い一部しか使っていないようだ。さて浴室は混浴の1つと女湯の少浴室があるのみである。加温浴槽と源泉浴槽が並んでおり、低い源泉浴槽のほうが少し大きい。昔からこの形は変っていない。

 

32度の重曹食塩泉(Na―Cl,HCO3)で総計8786mgである。飲泉してみると塩味と炭酸清涼味がかなりあり、等張性(8から10グラム)の濃さが味覚としては一番うまい。薄緑透明、炭酸塩味、少金気臭である。加熱すると色が濃くなり赤褐色(15センチ)になる。加熱湯もはっきりと炭酸味が残り源泉追加量が多いのだと考えた。

 

CO2は826mgである。もう少しで含炭酸になるがほとんど残っているので1000mg以上の炭酸泉より良く感知出来る。源泉浴槽は人肌よりぬるいが長湯できる温度である。小さな浴槽に7.8人の客がひしめき合い、混雑していた。

 

加熱浴槽との交互入浴で身体の芯から暖まる。この宿は16時に着くとすぐに夕食が運ばれ、17時には片付けてしまうので、まだ明るい時から夜の入浴時間である。2回に分けてだが2時間ほど入浴した。源泉浴槽に使っていると何も感じない温度になり浮遊感がある夢想の境地になる。増富温泉の真髄であろう。素晴らしい温泉であった。

  

2黒森鉱泉  増富鉱泉と同系の炭酸食塩泉 (現在廃業しました。この記事は約3年半前のものです) 

 温度はないが、炭酸分は多い 析出物あり 古い小さな宿、冷たい源泉槽と加熱湯が並んでいる。 

黒森鉱泉は課題で残っていた温泉である。細い道をアプローチする。水色のトタンの民家のような宿である。この連休中にも一人もいなかった。客を取っていないのだろうか?浴室棟は宿の前にあるコンクリートの共同湯のような小さな小屋である。

 

中には石貼りの浴槽があり源泉のままと加熱浴槽が並んでいた。源泉浴槽のオーバーフロー部分は析出物が溜まりこんもりと盛り上がっている。加熱浴槽も周囲は茶色に薄く析出物が付いている。

 

蒸発残留物5090mgの含炭酸重曹食塩泉(CO2-Na-Cl,HCO3)で炭酸(CO2)は1570mgと多い。源泉を飲泉すると濃い炭酸味があり、塩味は薄い。Feも11.1mg含有し加熱湯は赤い湯になっている。カルシウムかマグネシウムの膜が湯の表面に張っている。まるで味の素の粉が表面にたくさん浮いているようであった。

 

3みずがきランド 温泉溜め中  

黒森にある別源泉の温泉。小さな浴室棟があり日帰り施設として営業されている。行ってみると湯を溜めている途中で入浴できなかった。飲泉してみるとエグ塩味+少炭酸味で塩分は少ないがエグ味があった。

 

総計1553mgのNaCa-Cl,SO4で炭酸(CO2)も321mg鉄Feを7.0mg含有している。13.7度の源泉でこれから加熱するのであろう。冷たい源泉が張られていた。小さな木の外壁の施設で、ところどころ赤く染まった浴槽が見えていた。

 

4増富の湯  25度30度35度の源泉浴槽あり センター系  

黒森から峠を越えて増富温泉に戻り、源泉掛け流しを謳っている日帰り温泉センターの増富の湯に行った。瓦屋根に唐破風の立派な外観の建築である。しかし内部は近代的であった。今回男湯は洋風の方であった。

 

32.3度の含炭酸重曹食塩泉で総計11810mgの濃い温泉である。鉄分も18.3mg含有し濃い赤褐色に濁っている。浴室内には25度、30度、35度の源泉掛け流し浴槽があり25度は冷たいので誰も入っておらず、30度、35度の源泉浴槽は満員であった。

 

茶褐色に濁り、炭酸甘塩味、少金気炭酸臭と観察した。炭酸(CO2)は1290mgと多い。増富温泉の各宿と同じく源泉を生かした造りの温泉センターで好感した。各種療養プランも設定があり、湯治を意識した温泉造りをしている。良いことである。

 

5白山温泉 武田の里 掛け流し   

韮崎の郊外の高台に出来た温泉センター。掛け流しということで楽しみに行った。和風数奇屋風の建築で大きな内湯1つと露天風呂が1つという簡素な造りである。共に掛け流しで利用されており良い温泉である。

 

露天風呂からは茅が岳や八ヶ岳、韮崎の町並みが見える絶景である。湯口は掛け流しの新鮮な香ばしい香りもあり良い温泉であった。

 

湯は45.5度の重曹食塩泉(Na―Cl,HCO3)で総計1339mgと薄いものであるが、新鮮で良い。透明、少塩エグ味、湯口香ばしい。と観察した。

 

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2012/02/20 中部 

山梨の秘湯6か所 

1坂本温泉 ポンプ故障で入浴不可  

坂本温泉を探し、地図で近づいたと思われる場所で人に聞いた。国道脇の一軒家が坂本温泉で、車で先導して教えてくれた。なんとバス停も坂本温泉とある。坂本温泉は以前日帰り入浴をしていたが、現在ではポンプが故障し使っていないという。事実上廃業ということである。残念であった。

 

2杉木立の湯 野湯  SUSバス垂れ流し  

山梨県に入り富沢町になった。以前訪問した別草温泉は健在であろうか、などと思いながら今回は山の中にある杉木立の湯に行こうと計画した。以前からの課題であった。

 

ビニールシートの屋根に木製の浴槽がある、林の中にある野湯である。今回は以前の浴槽の中に入れ子のようにステンレスの浴槽が置かれそこに湯が入っていた。道路から50mほどの森の中にあり、アプローチはたいへん易しい。

 

しかしその最中で行きか帰りかは分からないが蛭に食われ足に1匹付いていた。また浴槽に行くと大きな木の浴槽の中に大きな蛇が泳いでおり、頭が三角でまだら模様がはっきりしているので「まむし」ではなかろうか。幸いステンレスバスのほうには入れないと思われるので入浴した。透明、微たまご味、無臭の湯で約30度ほどと観察した。常に掛け流しされているのでそれほど汚れてはおらず、奇麗なステンレスバスであった。

 

3南部町営温泉 なんぶの湯 アルカリ性単純泉 センター系  

この地域には久しぶりに来たが「なんぶの湯」という日帰り温泉センターが出来ていた。平屋造りの現代建築で33.5度のアルカリ性単純泉が湧出している。総計208.9mgと薄い温泉である。

 

PH9.9で高いアルカリ性である。CO3を14.1mg含有しややつるつるした湯であった。加温、オーバーフロー循環、殺菌というものであった。内湯に大浴槽と打たせ湯、バイブラ浴槽があり、露天風呂に岩組の浴槽が1つある。透明、少甘味、無臭と観察した。

 

4十枚荘温泉 NaCa-Cl 循環  

南部町に入り、はるか以前に訪問した十枚荘温泉に再訪した。舟の形をした浴槽が記憶にあるが泉質は記憶になくなっていた。木造入母屋の2棟が川に沿って建つ風格のある宿である。

 

浴室に行ってみると以前と変わりなくモザイクタイルの舟の浴槽であった。湯は土類食塩泉(NaCa―Cl)で透明、弱塩味、無臭の湯が循環で利用されていた。猪料理の宿として有名であるが温泉は循環が残念である。女性用浴室は四角いタイル浴槽であった。

 

5船山温泉 単純硫黄泉 循環  

以前、船山温泉に行ったときはちょうど現在の建物の新築中で鉄骨の柱が見える、建設真っ最中であった。このたび未湯で残っていた温泉である。背後に山の稜線が見え、川に沿った風光明媚な立地である。建築も立派で白い壁の清楚な建築で木目の2枚の大きな扉を開けて玄関に入る、中は廊下も全館たたみ敷きである。

 

15.7度の規定泉でHSイオンが1.1mg H2S 0.1mgでの規定である。総計954mgなのでもう少しで食塩泉になる組成である。オーバーフローを採っていると明記してあるが、量が少なくほぼ循環であろう。硫黄分は飛散して感知出来なかった。透明、無味、無臭である。浴室は立派で御影石の浴槽である。小さな露天風呂もある。

 

6ヨシャーの湯 野湯  含炭酸食塩泉 冷泉の垂れ流し  

みずがき湖のほとりにある冷鉱泉の垂れ流し。透明、炭酸塩味、無臭の鉱泉である。含炭酸食塩泉であろう。5グラムほどと推測した。

 

由来の看板が建っており、かつてはこの湯で塩を造っていたことが掲示されていた。垂れ流しの筒の先には四角い浴槽風の水溜めがおいてあり入浴できる。温度が20度台であろう、冷たくかつ炭酸分でさらに冷たく感じるがプラス1点のために入浴した。

 

 

 

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2012/02/16 中部 

静岡の名も無き秘湯6か所 

1柏尾温泉  温泉法の温泉か? 

 連休に東名高速の清水インターチェンジから山梨県に北上して周辺の未湯を廻ろうと計画した。まず清水の市街地からやや山沿いに入ったところにある。柏尾温泉に行く。清水市は静岡市と合併して清水区となった。柏尾温泉は東名高速よりも北側の山と平地が接するところにある。小さな集落の中の1軒が温泉であった。

 

瓦屋根の小さな温泉宿で、なまこ壁の古い造りである。風情のある玄関棟になっている。朝早く着いたので、お客は朝食中であった。湯は17度の弱アルカリ水(PH7.9)で源泉を加温して注ぐ方式のため循環はしていませんとのことであった。蒸発残留物は129mgの薄いもので透明、渋味、無臭の奇麗な源泉である。温泉法の規定成分は見当たらなかった。小さなタイル貼りの浴槽が男女共に1つある。

 

2吉原温泉  かつら館 温泉法の温泉か?  

清水市街から県道75号線で山の中に入ってゆく。第2東名高速の工事が進められている中を進むと、小さな沢沿いに木造2階で一部白い外壁の宿が見えてきた。吉原温泉かつら館という宿である。創業80年と言い。ラジウム鉱泉を沸かしている。タイル貼りの内湯1つだけでシンプルな温泉である。

 

分析表は掲示されておらず、温泉法に規定されているかは不明である。透明、無味、無臭の湯が循環されている。御影石の縁のタイル貼りの新しい浴室である。

 

3西里温泉 やませみの湯 含銅鉄-NaCa-Cl  

県道の分岐を間違えて違う沢に迷い込んでしまい、かなり時間を食ったがどうにか興津川の上流にある西里温泉に着いた。広場の奥に平屋の小さな施設がある。やすらぎの森という清水森林公園の中にある公営施設である。日帰り温泉施設の簡素なものである。

 

しかし内湯が1つと露天風呂が3つあり加水、加温、循環であった。しかし露天風呂のうち1つは冷泉と書いてあり、ここのみ源泉が加熱してオーバーフローされていた。温泉は13060mgの含銅鉄土類食塩泉(Cu,Fe―NaCa―Cl)で27.9度である。「冷泉」の湯口のみ塩苦味があった。

 

内湯と露天風呂の「竹炭の湯」と「竹酢の湯」2つの温度のある浴槽は加水で塩味がしなかった。特記成分はカルシウムの2242mgでナトリウムの2598mgと同量近くなっていて苦味が効いている。また鉄(Fe)が27.8mg銅(Cu)が2.1mg含有されており源泉のままであれば真っ赤に濁ると思われる。また銅の2.1mgは貴重で全国でもトップクラスである。以下の表からすると3位に入ると思われる。

*1位 こうつ温泉 (徳島県)      13.5mg 

*2位 田子町落合川原源泉 (青森県)  2.75mg

*3位 磯辺温泉・恵みの湯        1.51mg

*4位 大谷温泉  (島根県)      1.3mg

*5位 飯豊鉱泉 (福島県)       1.0mg

*6位 多田温泉  (島根県)      0.6mg

*7位 美郷温泉  (徳島県)       0.5mg

赤く濁っていないので濾過されていると思われるが、冷泉の湯口のみ源泉を使っていると思われる。濾過前の源泉浴槽を造っていただきたい温泉であった。

 

4八幡温泉 温泉法の温泉か?  

西里温泉の少し上流にある温泉。コンクリートの大きな温泉保養センターで八幡温泉老人センターと言う。四角いコンクリートの平屋で一部2階になっている温泉センターである。

 

分析表はなく、内湯が男女共に1つづつある。透明、無味、無臭の循環で個性は無かった。川沿いの内湯から対岸の竹薮の緑が美しい。お客のほとんどがご老人で演劇と入浴を楽しむ施設であった。

 

5興津川温泉 伏木荘 温泉法の温泉か?  

西里温泉の少し下流にある小さな民家のような温泉旅館。興津川温泉、伏木荘という看板が古く鄙びている。田舎の味と書かれた看板もある。小さな平屋で小部屋が並んでいた。

 

湯は冷泉とのことであるが分析表はなく、透明、無味、無臭の浴槽が1つだけである。男女交代で入るのか、貸切利用であろう。石貼りの床にタイル貼りの浴槽の内湯1つのみであった。循環加熱で利用されている。

 

6瓜島温泉 翠紅苑  温泉法の規定泉であろう  

国道52号線を北上すると天然温泉瓜島温泉という看板が目に付き、行ってみた。立派な和風木造旅館で門構えの入口に大きな吹き抜けの玄関があり、太い柱が豪快である。

 

アルカリ性冷鉱泉と記された分析表が掲示されていたが、15.5度で規定成分はHS 1.1mg S2O3 0.4mgである。もう一枚の分析表にはHSの記入はなくフッ素が9.0mgで規定になっている。かやの木の内湯と岩組の露天風呂がある。透明、無味、無臭の循環であった。湯に特記する個性はない。しかし奇麗な新築の和風旅館で雰囲気は良い。

 

 

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2012/02/04 中部 

新潟3か所と群馬の秘湯1か所

1六日町温泉 中央温泉   

六日町温泉で掛け流しの湯に行こうと思い、市街地にある中央温泉に行った。小さな共同湯で男女の入り口が別にある。中に入ると中央に番台があり、入浴料を払う。

 

小さな脱衣場と浴室があるだけの施設で、小さいながら赤い御影石の浴槽と床で、白御影石の壁になっており、立派な造りであった。

 

湯は六日町7号、12号、13号の混合泉で47.6度の総計843mgのものであった。龍言と同じ分析表であった。透明、無味、無臭ながら加温、循環なしの掛け流しで使われており良い。しかし集中管理なのか、匂いや味覚がなく新鮮味がやや欠けると思われた。

 

2梨の木平温泉 ホテルグリーンプラザ上越   

雪が強くなり、吹雪の様相を呈してきた。上越国際スキー場の温泉に行く。大きなシャトーのようなホテルがあり、ここで温泉が使われている。巨大なホテルでゴシック様式の三角屋根の高層ホテルである。

 

地下にある浴室に行くのに長い廊下をかなりの距離を歩いて行く。数棟に分かれて建ち、634室というたくさんの部屋があるので広い。湯は47.8度の土類食塩泉(NaCa-Cl)で総計1444mgの比較的薄い食塩泉である。

 

大きな内湯や露天風呂は循環されているが、露天にあるひのき風呂だけが源泉掛け流しであった。透明微褐色、渋エグ味、湯の香あり、少臭素臭と観察した。成分総量の割りに味覚や色などに存在感のある湯で良い温泉である。匂いもある。

 

特に一人用の小さなひのき風呂に掛け流されているので新鮮で身体に気泡が付いた。大きなホテルでも小さな源泉風呂を造ることによって温泉の評価は高くなった。良いことである。

 

3大沢山温泉 大沢館   

雪は降り続きチェーンを巻いて、大沢山の斜面を登って行った。深い雪の中に以前訪問した大沢館があった。ここの建築が素晴らしい、強く記憶に残っているのは本館に入る前に独立してある門である。寺院のような立派な門構えで、和風木造の宿である。新築ながら風格のある造りで再訪した。内装は白木を生かした造りでぴかぴかに磨かれ清潔な宿である。内湯と露天風呂が離れてあり、着替えて両方入ってみた。

 

内湯は一面のガラス張りで、開放的である。露天風呂のような造りである。天井の高い湯小屋で丸太の梁が見える立派な造りである。石組の浴槽で地蔵様が奉られている。

 

露天風呂も同じような丸太の梁が見える天井のない造りである。御影石の浴槽に木枠の造りである。開放的で晴れていれば一望に周囲の景観が見えるであろう。

 

部屋も格天井のものがあったりして費用をかけて立派に造られている。湯は27.2度の重曹食塩泉(Na―Cl,HCO3)で総計1465mgのものである。温度は低いがつるつるする触感の良い湯である。重曹分を36%含有しCO3も12mg入っているためである。オーバーフローを採りながら循環している。透明、少エグ味、無臭と記録した。気に入ったので次回は泊まりで訪問したい温泉宿であった。

 

8千葉高原村温泉   

猿ヶ京温泉の上流にある温泉。千葉県の施設であるが、その他の県に住んでいる人も利用できる。温泉仲間の会合で宿泊した。ここの温泉は日帰り不可なので宿泊しないと入浴できない。市民ロッジという施設で和室の客室がある。他に青少年自然の家と林間キャンプ場もある。市民ロッジはコンクリートの公民館のような造りの建築で温泉情緒はない。

 

しかしここの湯は素晴らしい。本格的な硫黄泉で白濁し硫黄臭がぷんぷんである。25.5度の含硫黄石膏泉で総計1533mgである。しかしH2Sを14.4mg含有し立派な硫黄泉になっている。

 

別の分析表ではHS 10.7mg H2S 0.6mgのものもあった。湯量が毎分91リットルと少なめなので少加水され加熱し掛け流しで使われている。加熱掛け流しが良い結果となっている。

 

緑白濁、石膏渋味+たまご味、硫黄臭である。色は7色に変化するという。HSの湯は緑色透明から白濁まで変るのでその時々で色が変るのであろう。御影石の内湯が一つのみで湯は適度に掛け流しされている。良い温泉である。

 

PHは8.9で酸味はない。石膏泉の渋い苦味がある。できれば加水無しで加熱掛け流しにして欲しいと思った。この湯は見事な硫黄泉で、下流の猿ヶ京温泉と上流の川古温泉ともに透明な温泉で硫黄分はわずかなのにここの湯脈は突然変異で濃い硫黄泉に当たったのか、不思議なものである。

 

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新潟の秘湯 4か所 

1越後某温泉 企業専用共同湯  

 

雪の降り積もる新潟に行った。越後湯沢から車で移動し、以前から課題であった某企業温泉に入浴した。ここは特殊な施設で会社の2階に1つの浴室があり無料で開放されている。靴を玄関で脱いで一般の民家の風呂場に行くような施設である。

 

浴室はガラス張りの内湯なので露天風呂のようである。石貼りの内湯が1つだけあり、男女交代で利用する。63.8度の食塩泉で総計1971mgである。湧出量が毎分1063リットルと分析表に記載されている。大湯量である。熱い湯なので浴槽では掛け流しながら水も入れて冷ましていた。

 

しかし新鮮な湯で多目の泡付きが見られた。身体の産毛に気泡が良く付着するので、取り去る時につるつる感があり素晴らしい。少し時間が経つと身体が気泡で白くなり泡付き温泉の本領発揮である。色はなく透明であるが、分析表ではHS<0.1ながら微たまご味と微硫黄臭があり良い温泉である。食塩泉のためメインは少塩味である。2グラム弱ながら塩味の感触は結構多い。

 

また庭先に消雪用にジョウロで湯を流しており、ここが一番硫黄臭がした。ほんの近くの地元民のためにだけあるので、インターネットでの 公開はしないで欲しいとのことで、このまま秘湯として存在してもらいたい温泉である。

 

2越後温泉 湯元天領 

 

湯元天領は小さな地元専用の共同湯である。20回の回数券を買って名前を書いて管理人に渡す方式である。一般人には利用できないか、3千円の回数券を買うしかない。

 

小さな湯小屋で男湯は内湯と露天風呂がある。女湯は内湯だけらしい。タイル貼りの内湯とコンクリートの露天風呂でともに掛け流しである。分析表を見ると毎分61リットルである。しかし全量掛け流しされているのであろう。浴槽から溢れる湯が渦をなして排水されていた。

 

42.3度でも全量掛け流しが良いのか、まったくヌルくなく、適温である。素晴らしい使い方であった。総計1103mgの食塩泉で鉄分のために浴槽は真っ茶色に染まっている。透明ささ濁り、エグ塩味、香ばしい金気臭で成分以上の存在感のある湯であった。ここも新鮮な湯のためにわずかながら泡付きがあり良い温泉である。鉄分は0.8mgながら濁りが出ており加工していない源泉は良いものである。 

 

3島新田温泉 金城の里 

 

六日町の手前に温泉施設が出来たので行ってみた。大きなゴミ焼却施設の隣にあり、その廃熱を使った温泉かなあと思ったが、立派な天然温泉で39.5度のアルカリ性単純温泉であった。総計262mgの清澄な湯で毎分354リットルも湧出している。平屋の新しい小さな温泉センターである。

 

加温掛け流しで良い使い方である。透明、微たまご味、無臭で弱いつるつるもあった。御影石の縁にタイルの浴槽で内湯が一つのみである。簡素な施設であった。ここも湯口付近にじっとしていると少しながら泡付きがあり。今回の新潟温泉めぐりは最初から3連続泡付きの温泉で良かった。

 

4六日町温泉 龍言  

 

立派な民家を移築して豪壮な門構えの高級宿の龍言に久しぶりに訪問した。質実剛健な民家の造りで、黒く塗られた和風木造旅館である。エントランスは天井の高い吹き抜け空間になっている。

 

隣に待ち合いロビーのような一室がありその襖に墨書された字が雰囲気が良い。広い敷地に枝葉状に平屋の客室が並ぶ離れのような造りの建築群である。客室も広く立派な旅館である。広い庭は大きな池があり、半分は凍っていた。

 

浴室は大きな岩組み露天風呂と内湯の2ヶ所があり湯が豪快に入れられている。しかし循環されており、残念であった。47.6度のアルカリ性単純温泉で総計843mgのものであった。透明、無味、無臭でわずかな殺菌臭が感知できた。改修されているのか、以前来た時より新しく感じた。

 

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