発哺温泉と湯の川、緑色の熊の湯
1 発哺温泉 薬師の湯 再訪
噴気造成泉 H2S 2.08 透明、微たまご味、硫黄臭多し,
共同湯のような内湯と混浴の露天風呂
点在する池や高原の雰囲気で美しい志賀高原の奥にある温泉。むかし天狗の湯に泊まったことがある。このたび薬師の湯に入浴してみた。コンクリートの大きなホテルであるが、浴室に行くと小さな共同湯のような造りの内湯である。
また露天風呂は離れになっていて、別の出口から歩いてゆく。周囲をよしづ張りにした仮設風の外観で混浴である。ホテルの建築と比べ温泉施設がボロなので驚いた。
この発哺温泉は標高が高く、噴気はあるが温泉にならないという大湧谷や野地温泉などと同じく噴気造成で温泉にしている。硫黄臭の多い単純硫黄泉で透明、少たまご味、硫黄臭多しの湯であった。
掛け流しで利用されている。HS 0.37mg H2Sが2.08mgの含有で硫黄分は少量である。湯には硫黄の存在感は少なく、匂いだけに温泉らしさが出ていた。パンフレットの写真だと緑白濁しているが硫黄分が少ないのでこのようになるのは珍しいであろう。
2 平床源泉 垂れ流し浴び
透明、たまご味、硫黄臭多し 川の水と混ざる地点で浴びる
熊の湯温泉の下に大きな噴気が出ている。数年前に掘削してほたる温泉として使っている源泉であろう。ゴーという豪快な音を立てて噴気が立ち昇っているが温泉も湧出しているのであろう太い配管が伸びている。周囲を見学すると濃厚な硫黄臭がする。
地面のそちこちから噴気が出ており、湯も少量溢れて流れている。沸騰しているのでそうとう高温であろう。沢に下ってみるとなんと溢れ湯がパイプから流れ出しているではないか。強い硫黄臭と高温の湯で、まったりしたたまご味から単純硫黄泉と思われるがかなりの硫黄含有量であろう。
パイプの先の小さな川の流れと合流して適温の湯の川になっていた。寝転んで入浴した。硫黄分で白い析出物も付き温泉の雰囲気はある。子供プールで入浴すればかなりの良い温泉であろう。
3熊の湯温泉 熊の湯ホテル 数回目
総硫黄 73.2mgの国内屈指の硫黄泉 緑色透明の美しい色。総木造りの浴舎
志賀高原の中だけでなく、国内でも屈指の硫黄泉が湧出している温泉である。48.2度のS―CaNa―HCO3、SO4(含硫黄芒硝重炭酸土類泉)で総計1279mgの源泉である。総量は少ないが硫黄分が大量に含有されており湯の色や味覚、匂いに強い個性が出ている。硫化水素イオン型でHS 53.9 H2S 19.3mgである。総硫黄は73.2mgにもなる。
この温泉は岩手の国見温泉などと同じく緑色透明になり美しい温泉として有名である。今回は絶好調できれいな緑色透明になっていた。
湯小屋が良い。木造平屋の木の浴槽と木の床の天井の高い立派な造りである。内湯はやや薄く白濁していたが緑色になり、まったりとしたたまご味が濃くなった味覚と硫黄の渋味もある。硫黄臭は弱いが、後で身体に付着して残るタイプである。
露天風呂が好調であった。内湯はわずかに緑色濁りであったが、こちらはきれいに澄んだ緑色透明の色で美しく、見惚れてしまうほどであった。
緑色の湯に入り天井の高い内湯に入っていると温泉とはほんとうに温泉は良いなあと思える湯である。日本の温泉の至宝であろう。洋風のホテルの外観でロビーも洋風であるが、和室の部屋もある。そして浴室が和風で大きな共同湯のような立派な建築で素晴らしい。