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2010/05/04 関東 
鹿沢、新鹿沢、嬬恋温泉 3ヶ所

1 鹿沢温泉 紅葉館   (再訪) 80 
 重炭酸土類泉の掛け流しで個性がしっかりとある
新幹線の佐久平にて下車して、レンタカーを借りた。ここからのコースとしたのは群馬と長野の温泉に行くのに都合が良いからである。100体観音のある地蔵峠を登って行き、曾遊の奈良原温泉の横を過ぎて湯の丸高原にある鹿沢温泉に入浴した。100番目の観音像がこの鹿沢温泉の前にあり終点である。ここは記憶が薄くなるほど昔の訪問で20年近く行っていない。しかし一軒宿の紅葉館は同じように佇んでいた。浴室も以前のままでやや低くなった半地下のような位置である。浴槽の横に飛天のようなレリーフがある古い浴室である。雲井の湯源泉と命名され44.5度の源泉である。源泉は湯小屋の道路側にあり、毎分500リットルほど湧出しているが、ここではそのうち61リットルを使い男女別に30.5リットルずつ掛け流しにしている。簡素な四角い浴槽一つでその容量には充分な量で適温である。残りは新鹿沢に引き湯している。総計1390mgの重炭酸土類泉(Mg・Na-HCO3)で成分の量が比較的少ないながら、湯の表現は多彩でしっかりとある。薄緑濁り、甘渋エグ味、土類金気臭(香ばしいかつおぶし臭)と観察した。鉄分が1.2mgであるが色と匂いに良く出ている。木枠の浴槽に木の床で掛け流しになった湯がゆっくりと流れている。良い湯であった。

2 新鹿沢温泉 鹿沢館   75 
 立派な木造入母屋御殿風旅館  湯は紅葉館と同じ源泉
鹿沢の引き湯ながら別温泉地名を名乗る温泉。この新鹿沢温泉で素晴らしい建築が鹿沢館である。昭和9年の創業当時の建築であろう。以前入浴をお願いしたことがあるが、入浴のみは不可であった。今回は雑誌の取材ということで入浴させて頂いた。入母屋の大屋根に千鳥破風の玄関の付いた立派な本館である。窓の欄間や格子が繊細で軒下の飾り金物がレトロである。しかし2階建てとは思えない階高の高さで大きく見える。2階が大きな広間になっているので天井が高いのである。玄関の内部は磨かれた廊下で円形の透かし障子が凝った木組になっている。2階は格天井の大広間で立派な造りである。この建築は1階が玄関で2階が広間という造りで客室は両側に3室ほどである。今は奥の棟が客室になっていて、やや新しい造りである。浴室は新しい造りで御影石造りの内湯のみである。透明、エグ味、少湯の香と観察した。元湯の鹿沢温泉に比べ濁りがなく、匂い、味覚共に減少していた。同じ重炭酸土類泉の源泉である。引き湯のうちに鉄分が析出してしまうと考えられる。しかし掛け流しで利用されており新鮮さは問題ない。立派な建築をこれからもうまく使ってほしいと思う宿であった。
3 嬬恋温泉 つまごい館  (再訪) 75 
 新築になっていた。ヌル湯の掛け流し 
吾妻線の終点、大前駅の隣にある温泉宿。以前は仮設風の簡素な施設であったが、このたび訪問すると新築の奇麗な宿になっていた。吾妻川のほとりにあり、浴室からの川の眺めが美しい。四角い木の内湯と、同じく木の露天風呂がある。35.5度の土類重曹泉(NaMgCa―HCO3)で透明ながら、エグ甘味、香ばしい土類臭と微硫黄臭がある。内湯は少加熱して掛け流しにしている。露天風呂は源泉のままでヌル湯になっていた。総計1830mgながら個性的な源泉でありNa 223(47.1%)Mg 67.5(27%)Ca 97.3(23.6%)と土類系の成分が適度に入っているのが良い。炭酸も141mg含有されているが感じられなかった。しかし源泉のままで利用されており良い使い方である。

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