1 六ヶ迫鉱泉 しらさぎ荘 (再訪)
源泉は塩味強い炭酸泉であるが、浴槽は加水か、駄目である
六ヶ迫鉱泉は大分の南にあり、別府、大分市内の大温泉地の背後にあるのでなかなか訪問しないが久しぶりに訪問した。過去にはこのしらさぎ荘の湯に入浴したが、赤い湯で源泉は炭酸塩味があり良い記憶がある。今回は以前の通り玄関前に源泉井戸があり、ぶくぶくと炭酸とともに源泉が湧出していた。
飲んでみると塩味の中に炭酸味がある炭酸重曹食塩泉である。鉄分も3.2mg含有し赤くなる源泉である。透明、炭酸塩エグ味、甘い匂いであった。
CO2 1896mgで固形物総量4963mgと記されていた。しらさぎ荘の横に小川が流れており、そこに下ると源泉井戸がある。屋根の付いた新しい木造の門構えがあり、源泉前には薬師堂がある。しらさぎ荘の源泉ではなく共有のものらしい。
この宿は茶色の外壁の入母屋造りの古い木造宿でその源泉に並んで建っている。浴槽は石組の加熱浴槽と2連の源泉浴槽があるが加水で透明、無味、無臭になってしまい残念であった。以前は源泉を使っていたと思ったが加水で白湯のようになってしまっていた。
2 鷺来ヶ迫鉱泉 俵屋 温泉地再訪
源泉浴槽あり、加熱浴槽も赤い湯で源泉が生きている
源泉浴槽の底は析出物の赤い泥で田圃状態
しらさぎ荘の浴槽が源泉とは程遠い使い方であったので、少し上流にある俵屋にも訪問した。こちらは源泉をいくつか持っており、鷺来ヶ迫鉱泉と称している。
赤い湯の源泉浴槽も2ヵ所あり良かった。まず庭先に冷泉の湯小屋があり、昭和20年築の60年前の建築である。しかし浴槽は1750年に臼杵藩の頃に造られたという。足元湧出源泉だと思われる。
このほかにも庭に地蔵様を奉った源泉井戸が2つある。また内湯の隣にも源泉があり祭壇が奉られている。少なくとも4ヵ所以上の源泉がある。内湯は源泉浴槽と加熱浴槽が並んでいる。
また内湯前にはここが白鷺が浸かったとされる、半露天風呂のような源泉浴槽もある。井戸の源泉は透明であるが源泉浴槽の方は真っ赤に濁り濃い赤褐色になっている。底に赤い泥が沈殿して泥湯のようである。
加熱浴槽はやや色が薄く炭酸は飛んでいる。薄茶褐色で少エグ味、金気臭である。しかし源泉ははっきりと炭酸味がある。15.4度、総計5833mgの含炭酸重曹食塩泉でCO2は1298mgである。
源泉浴槽は炭酸の冷える効果もあり、非常に冷たく短時間しか入浴できなかった。しかし濃い赤色で存在感は大きい。
3 塚野鉱泉 共同湯 (再訪)
薄クリーム色の食塩炭酸泉である。
大分市内の近くで個性的な源泉の塚野鉱泉に再訪した。
総計12158mgの等張性の含炭酸重曹食塩泉で15.7度のものである。炭酸分は1170mgで六ヶ迫鉱泉に近いが食塩分は倍以上の含有量である。山手の突き当たりに瓦屋根の飲泉小屋があり、手前にコンクリートの共同湯がある。宿はその周囲に3軒あり、湯治の温泉街の風情である。
飲泉場では透明な湯であるが、共同湯では加熱掛け流しで使われており、珍しい薄いクリーム色、塩甘味、鉱物的な甘い香りであった。飲泉場は入母屋の建物で中に入ると、源泉と書いた石の下から湯が湧出している。驚くのは壁一面に架けられた飲泉のひしゃくである。数多くのひしゃくが架かっていて不思議であった。
共同湯は浴槽1つの簡素なもので、加熱しているが源泉カラン自在で掛け流しにもできる。源泉では炭酸味があるが、加熱で無くなってしまっている、しかし源泉は炭酸が充分に含有されているので掛け流しにすれば炭酸泉の感触も増してくる。重曹を含む食塩泉ながら白濁し、変り種の温泉である。他には石鎚山温泉などもあるが白濁する珍しい食塩泉である。
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