1栄の尾温泉 野湯の川
緑渓湯苑の川は全体に39度ほどの温度がある。滝壺で入浴
いわさきホテルの緑渓湯苑は渓谷の流れに沿って両側に点在している露天風呂群であるが、その中を流れる渓流は39度ほどの適温の湯の流れであった。渓谷の傾斜があるので至るところで小滝を作って流れている。その滝壺はそれぞれ腰より深い湯溜りになっており、快適な入浴ができる。
また滝を打たせ湯のように浴びることもできる。鳴子鬼首の湯の川のように各所で入浴ができて快適である。こちらでも小一時間入浴を楽しめることができた。湯は明礬系の味覚がある透明な湯で、両側に白濁した栄の尾温泉の露天風呂群があるが、こちらは天然の渓流である。素晴らしい自然である。
湯量豊富で明礬温泉跡からここに至るまで各所で温泉が湧出しているのであろう、川が温泉の温度を有している。この霧島では目の湯や山ん城温泉、八幡大地獄や先の明礬温泉の湯の川などもあるが、ここも大温熱地帯で川が温泉であった。霧島で5ヶ所目の湯の川であった。このような状況が楽しく、だれも入浴していない自然に触れることができて満足至極である。登別の湯の川でも感動したがこちらも感動的で先の緑渓湯苑も素晴らしいが自然の川の淵や流れ、小滝などは天然の造形である。この川のワイルドさをさらに高い評価としたい。
2 山ん城温泉途中の湯小屋
斜め格子のコンパネ造りの湯小屋。中央に一人用の浴槽、緑色白濁の強力な硫黄泉。湯小屋は絶品であるが湯がヌルく残念
個人用の湯小屋がこの霧島地区にあるというので探してみた。情報の通り山の中にコンパネで造った小屋があり小さな浴槽が中央にある。まさに小さく一人用である。それも中央だけ深くなっているので、周囲は浅い。
掘っ立て柱にコンパネ(コンクリート用ベニヤ)の壁であるが、窓が凝っていた。細い木で斜め格子になっている。屋根はブルーシート張である。腰までの外壁は塩ビ波板が張ってある。簡素極まりないが、妙に意匠が様(さま)になっている湯小屋である。
湯が素晴らしい。変形の円形浴槽に濃い緑色白濁の湯が溜まっていた。美しい色で、国見温泉のような色である。濃い硫黄分である、硫黄苦味がはっきり分かり、酸味はないので濃厚な硫黄泉であろう。硫黄臭もある。個性的な湯と湯小屋の絶品な風情で最高の温泉であるが、湯がややヌル目であるのが残念であった。温度がやや熱目であればさらに硫黄臭が香り、この泉質では最高であろう。
この近くは霧島温泉の源泉地帯で、目の湯上流に大きな源泉があり掛け流しになっている。大量の余り湯が川のように垂れ流れており、超高温で入浴できるものではない。また大きな湯の沼が沸騰している源泉池もあり、この大温熱は未利用で流れ去っている。凄い温泉資源である。
3丸尾上温泉 旅行人山荘
単純泉と単純硫黄泉があるが硫黄分少なし、桜島と錦江湾の景観は良い
丸尾温泉は霧島温泉郷の中心で大きな旅館も多数ある温泉街である。各所に噴気が立ち昇り温泉街の風情がある。しかし水量が足りずに造成も行っている温泉と聞いて残念であると思った。その丸尾の山の上に旅行人山荘という宿がある。まだ未湯であるのでこの度入浴しに行った。
大きなビル建築の宿で内湯には60度の単純泉が入れられ、露天風呂には65.3度の単純硫黄泉が入れられている。単純泉は総計727mgで重曹系である。ささ濁り、無味、無臭のきれいな湯であった。露天風呂の硫黄泉は薄白濁、たまご味、少硫黄臭の単純硫黄泉であるが、ほとんど硫黄分は少なく弱いものであった。
分析ではHS 0.1 S2O3 3.7 H2S 6.5mgと硫黄含有量はほどほどにあるが感触は1mgよりも低い感じであった。この単純硫黄泉の成分総計は116mgと極めて清澄で、硫黄分が抜ければ白湯に近いものになってしまう。ここは湯の使い方が悪いのか10mgほどの硫黄分をうまく使えていなかった。
パンフレットには真っ白に白濁した温泉が写っているが今回はほとんど白濁していなかった。しかし露天風呂からの景観が良く、霧島南斜面の高台にあるので、錦江湾と桜島の遠景がはっきりと見えて美しい展望であった。
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