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2011/03/31 九州 
トカラ列島 中之島の温泉 野湯と共同湯3か所

1 中之島干川牧場の湯   野湯    

 車と案内人をお願いして、島の裏側の牧場下の温泉に行く 鉈で竹を切り払いながら40分ほど掛けて海岸に出る。(謝礼5千円)岩の間より出ている。透明、少酸味、無臭 塩味はない。ヌル目 絶景である。 

翌日の朝、小宝島から帰りのフェリーで中の島へ行った。快晴の天気で波も少なく問題ない船旅であったが、中の島に降りてから島内放送で明日の鹿児島発フェリーは欠航が決定しました。との放送が流れた。驚いたが仕方がない。帰りの飛行機の変更と名古屋での講義の代講日の連絡をしなくてはいけない。どんなことがあってもこの中の島に3日間居なくてはいけないことになった。最短で本日より4日目の宝島行きで移動し、5日目の鹿児島に帰ることがこの放送によって決定した。さらに鹿児島に着くのは20時50分のために飛行機も列車もなく、翌日の6日目に帰ることが最短である。唖然としたが、腹を決めるしかない。



時間はあるが本日中に島の港と反対側に湧く温泉に行くこととした。まず距離があるのと海岸まで降りるのに濃密な竹薮を突破しなくては行けないので、この温泉を知っている人を探し、案内をお願いした。中の島は港の近くに3箇所の温泉があり便利であるが、トカラでも一番大きな島の対岸に渡るため軽トラで山の中の細い道を延々と登った。峠を越えると口の島が大きく見える。意外と近いのであった。



林道の終点近くになると草原になり、牧場となっていた。黒い牛が放牧されており、その中を海岸に向かってひたすら下る。帰りの苦労が察知できた。さて牧場を過ぎると竹薮の中を沢に向かって道を作りながら下る。一度沢に出たが、途中で滝があるのでまた藪漕ぎをして巻く。温泉は海岸にありその沢の河口地点の100mほど左側であった。景観は良いが唯の海岸でどこが温泉であるかはまったくわからない。案内人が一つの岩を目印にこの辺であると言って立ち止まったがまったく浴槽風のものはない。しかしその周辺の岩の間に溜まっている海水を片っ端から手を入れて確認してみると、ややヌル目適温の温泉がやっと見つかった。



石の底から湧出しており、腰までの浅い入浴しか出来ない。しかし大きな石は無理ながら、頭くらいの石を数十個ほど、力いっぱいどけて入浴できる窪みを作った。この温泉は単純酸性泉であろうかなんと海の波打ち際ながら塩味はなく透明、少酸味、無臭の温泉であった。展望の良い海岸で口の島の島影をみながら入浴できた。波打ち際の絶景の露天風呂といった写真が撮れた。



この温泉は昔は牧場を開拓するのや、枕木を切り出すのにこの海岸に家があったそうで、そのときはしっかりと浴槽があって入浴出来たそうである。現在20年近く使われていないとのことである。中の島には港と反対側のこの湯の岸にさらにもう一つの温泉があるそうだが、干潮でないと出現しないのと、下るのにはさらに困難ということである。こちらは諦めた。帰りは急登である。かなり疲れた。

 

2 中之島  東区温泉    

  総計5852mgの含硫黄食塩泉 良い湯である。中之島一の湯だと思った。 白濁、塩味+硫黄甘味+たまごまったり味、硫黄臭

中の島では大喜旅館に泊まったが、そのすぐ前にある共同湯が東区温泉である。中の島の共同湯は海岸に迫り出して建築されており、護岸擁壁に囲まれた低地に白い塩ビの波板の屋根が掛かっている湯小屋である。東区共同湯は新築で新しい木の壁や白い屋根も綺麗であった。東と西と天泊温泉の3箇所の温泉があるが、この温泉が成分が濃く、硫黄分も多く白濁も濃い一番良い温泉であった。



67度の含硫黄土類芒硝食塩泉(S―NaCa―Cl、SO4)で総計5852mgである。白く白濁した色で、塩味+硫黄甘味+たまごまったり味、硫黄臭と観察した。硫黄分はHS 0.8 S2O3 1.1 H2S 9.2mgで総硫黄計11.1mgある。Phは6.0の微酸性である。



数回入浴したが島の夜は漆黒の闇になってしまうのでライターを灯しながら共同湯に行った。なお温泉には電気が点いている。脱衣場と浴槽が一緒になった一つの空間の温泉でタイル貼りの浴槽である。



湯口のコックは海側にあり、開け閉め自在で通常は少量掛け流しされているが、コックをひねれば大量に源泉を追加できる。しかしすぐ熱くなってしまうのでそのままが一番適温であった。白濁した湯は存在感があり硫黄臭もあり良い湯である。島に滞在中はこの湯ばかり入っていた。





 

3 中之島  西区温泉     

  総計2987mgの含硫黄食塩泉  東区を薄めた感じの温泉

中の島の港から近い方にある共同湯が西区共同湯である。こちらも東区とほぼ同じ造りで護岸擁壁に囲まれて白い塩ビの屋根が掛かっている建築である。東区よりやや古い建物である。同じく脱衣場と浴槽が同じ空間にある造りで浴槽のタイルも白い50角タイルで同じである。



湯口が陸側にあるのが違いである。71.2度の含硫黄芒硝食塩泉(S―Na―Cl、SO4)で総計は2987mgと東区共同湯のほぼ半分である。



そして硫黄分もHS 0.6 S2O3 1.4 H2S 5.5と総硫黄計7.5mgと少ない。そのため白濁の色もやや薄く、塩味やたまご味や硫黄臭も比例して少なく、この温泉だけであったら良いのであるが、東区に入った後にこの湯に入ると加水したように感じてしまう。



しかし写真では同じような白濁した良い湯に見える。薄白濁、少塩味エグ渋味+タマゴ味、少硫黄臭と記録した。しかし湯小屋の造りも風格が増し東区よりも良い風情になっていた。



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