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2011/05/08 東北 
芦ノ牧温泉と二岐温泉ほか2か所

1 芦の牧温泉 仙峡閣   

 深い内湯に独自源泉 掛け流し 



芦の牧温泉は大川の渓谷の崖に沿って建つ温泉街で、その中でも最も下流の崖地にへばりついているのが仙峡閣である。福島市内にあった、武徳殿という建築を移築したもので立派な玄関と入母屋の屋根が豪壮である。特に寺院のような太い柱で作られた千鳥破風の車寄せが立派であった。



川沿いの崖に沿って建てられ、渓谷美の極まったところに位置し、川の流れの展望が美しい。恵まれた立地である。独自源泉を所有しており、温泉は深い内湯と小さな露天風呂に掛け流しで利用されている。



以前は緑青色の屋根であったが茶色の屋根に葺き替えられていた。内湯が立派で良い。浴室の中央に小判型の浴槽1つのみであるが大きなもので、かつ深く石造りの費用を掛けて造られた浴槽であった。



御影石の縁に伊豆石の底である、底の一部はさらに深くなっており、立ち湯のようになっている。その底には大きな玉石が敷かれ良い風情であった。縁から周囲の床に湯が溢れ雰囲気も上々である。露天風呂は崖沿いなので敷地の余裕がないのか、小さな半円形のものであった。湯は48.3度の塩化土類石膏泉(CaNa-SO4、Cl)で総計1034mgとほとんど単純泉に近いものであった。透明、少苦味、無臭のきれいな湯で個性は少ない。

 

2 二岐温泉 旅館新湯小屋   

 鄙びた旅館、土日だけやっている。 ボロ湯小屋の内湯

 露天風呂はそこからの溢れ湯 

 

つげ義春の漫画に出てくる、古くからあった旅館湯小屋は廃業した。その後有志が旅館新湯小屋として土日だけ営業することになった。二岐温泉は綺麗な石膏泉であすなろ荘には足元自噴浴槽もある。



あすなろ荘の足元自噴浴槽は以前屋根の掛かった半露天風呂であったが、最近は共同湯のような木造の湯小屋が建っている。さて旅館新湯小屋は新しく整備された道路から階段を下って行く。すると鄙びた民家のようなボロい旅館であった。古いというよりもボロで一部かしいでいるようにも見える。



浴室は離れのような位置にあり、渡り廊下で行く。この渡り廊下が圧巻のボロさである。青い波板鉄板の屋根で壁は白い塩ビ波板で覆ってあり、仮設風である。つぎはぎだらけで仕上げ材も違っていてバラックである。床もすのこのような木材が敷いてあるがコンクリートのでこぼこの床が見えている。そして奥に内湯が一つあり湯が掛け流しで使われていた。



そして景観の良い渓流沿いの露天風呂にオーバーフローが流れてゆく方式であった。内湯は地元専用の共同湯のような原始的なもので、青い塩ビ波板が張り付けてあるだけの簡素極まりないものであった。内湯のこの素人造りの湯小屋の風情も鄙びを超えてボロであるのがすざまじい。



石をコンクリートで固めた浴槽であった。露天風呂は野趣に富んでいて、天然岩の浴槽に湯が入れられている。まるで野湯のようだ、下の浴槽もありこちらは上の露天風呂の溢れ湯なのでさらにヌル湯であった。しかし渓流に接近し流れのすぐ横が浴槽である。川の中の野湯のような趣には感動した。石膏泉(Ca-SO4)で透明、苦味、無臭の個性の少ない綺麗な湯であった。

 



3     旧金山温泉 聖岩荘、 

 温泉は枯渇 現在は沢の水 

 

羽鳥湖から林道を舗装しただけのような、細くタイトな道を下ってゆくと地図に小さく金山温泉と明記されていて、未湯であったので訪問した。しかし現在は源泉が枯渇し沢の水を沸かしているとのこと。源泉に案内してもらったが、確かにその跡はあった。



また岩瀬湯本温泉にも訪れた。この温泉街にも茅葺きの宿が3軒ある。本家星野屋旅館と湯口屋旅館、ひのき風呂分家である。外観の写真を撮りに立ち寄った。過去に湯口屋旅館と共同湯で入浴したことがある。湯口屋は立派な茅葺きの2階建てである。山の中ながら弱食塩泉ではっきりした塩味が記憶に残っている。その前にある共同湯は改築され綺麗になっていた。以前は地元専用で鍵がないと入れない時もあったが、開放されているときもありそのとき入浴した。

 

 

4     あゆり温泉 再訪  

 つるつるやや強しの良い湯 源泉は微たまご味 

 

あゆり温泉は比較的最近の入浴記録があるが再訪した。つるつるの湯の感触が気持ちよく良い温泉であった。比較的小さな日帰り温泉センターで大きな内湯と岩組の露天風呂がある。50度のアルカリ性単純温泉で毎分410リットルという大量の湧出量である。総計746mgの重曹系である。



主な成分はNa 213 Cl 78 HCO3 322 CO3 33.1となっている。炭酸イオンが33mg含有しているためにつるつるが強い泉質であった。透明ささ濁り、微たまご味、無臭である。少加水掛け流しであるがオーバーフローの量が少量なのが残念であった。湧出量が多いのでもう少し多量に掛け流ししてほしいと思った。

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