1 松代温泉 寿楽苑 温泉地再訪
Fe-NaCa-Cl 38.8度 とCO2-NaCa―Cl 38.8度の2本の源泉
総計14.4gと17.5g 炭酸の残る食塩泉の掛け流し
長野県の北部、渋湯田中地域から草津温泉に至る温泉の密集した地域に行った。特にこの地域を選んだのは文化財になっている湯田中のよろづや松籟荘に泊まりたかったことと、草津の草津ホテルにも泊まりで行きたかったからである。ます松代温泉で未入湯の寿楽苑に入浴した。
松代荘の赤い湯が記憶に残っていて、強食塩泉だったような思い出だが、塩はそれほど濃くなく、鉄や炭酸を含む土類食塩泉であった。となりの加賀井温泉と同系である。鄙びた温泉旅館で民家のような簡素な入り口である。
奥に男女別の内湯だけの浴槽があり源泉が掛け流しで利用されていた。湯面には析出物の張り出しがあり炭酸含有泉の特徴があった。湯は茶褐色に濁り、湯口は炭酸が泡だっている。味覚は炭酸塩苦味で金気炭酸臭であった。
分析表が2枚あり一つは1号泉で38.8度の含鉄NaCa-Clで総計14480mgのものである。Fe 21.5 CO2 870.6を含有する含鉄土類食塩泉である。もう1枚は旧1号泉となっており、38.8度の含炭酸NaCa-Clであった。総計は少し多く17580mgで Fe 16.1 CO2 1020の含有量で炭酸が1000を超えるので含炭酸土類食塩泉になっている。どちらを使用しているか不明だが1020mgや870mgの炭酸の含有によって匂いと味覚に炭酸がよく出ており炭酸泉の様相も見せる。鉄分の含有で赤くなり存在感も大きい。
2 加賀井温泉 一陽館 数回目 85
Fe-NaCa―Cl CO2 836.5mg Fe 25.1mg 赤い炭酸のかなり含有された食塩泉
加賀井温泉「一陽館」にも歩いてすぐなので、車を止めたまま入浴しに行った。立派な湯小屋の長い浴槽の内湯と離れのような露天風呂は同じく健在であった。内湯は何度も来ているが掛け流し量が多く、新鮮で良い湯であると再確認した。
細長い浴槽の片側に湯口があり、対岸に流れ出ている。湯道は析出物で凝り固まっており炭酸カルシウムの生成のある析出物の付く温泉である。41度の含鉄土類食塩泉で総計は13980mgである。
陽イオンはNa 2350(51.7%)Ca 1250(31.55%)とカルシウムの含有量も多い。陰イオンは食塩Clの5630(793.7%)HCO3の2050(16.8%)がメインである。特記成分はFe 25.1mgとCO2の836mgである。この温泉は鉄分と炭酸が大きな存在感になっていた。
露天風呂はやや劣化して濃い赤褐色になっている、そして析出物もこんもりと大きく付着している。内湯は新鮮な分緑色でまだ赤くなる前に流れ去ってしまっている。鄙びた古い造りの湯小屋と赤い露天風呂の良い温泉である。
3 地蔵温泉 十福の湯
38.1度のアルカリ性単純温泉 PH 9.55 ほのかな硫黄味あり 内湯掛け流し
松代温泉の近くに地蔵温泉の看板があり、未湯なので峠を越えて真田町の十福の湯に訪問した。新築の温泉入浴施設で大きな木造の合掌造りである。大きな切妻の屋根が高い天井になっている。浴室はログハウスのような壁面である。
大きな岩の配置された池のような県下最大級を謳う露天風呂もあったが内湯は掛け流しで露天風呂は殺菌臭がした。玄関前に源泉の見せ湯があり、少量含むと硫黄味がわかった。仄かな含有量であろう、0.3mgほどかなあ、と推測して分析表を見るとHS 0.6mgであった。
38.1度のアルカリ性単純温泉でPH9.4である。総計255.8mgと清澄な温泉である。OHを0.3mg含有し高いアルカリ性になっているがつるつるはない。透明、微たまご味、微々硫黄臭と観察した。
この画面に戻る際はブラウザのバックボタンで戻ってください。 元のページに戻る