1 七味温泉 山王荘 温泉地再訪
新七味源泉はHS 23.8 H2S 24.1の強い硫黄泉
薄墨色の湯と白濁の湯
七味温泉は湯元牧泉館が廃業していた。以前この温泉に入り、昔ながらの床が放射状の板で造られた内湯が印象に残っている。広い露天風呂もなくなってしまった。この源泉はそのまま存在すると思われるので、営業再開が望まれる。
さて残る渓山亭、紅葉館、山王荘の温泉宿のうち、どれにしようか迷ったが山王荘を選んだ。ここの湯が大変良く、他と比較はしていないが素晴らしい湯であった。浴室に近づくと硫黄の香りがかなり強く漂ってくる。内湯に入浴してみると濃いねずみ色の湯で、薄墨色とも言える。味覚はまったりとした硫黄味と渋味がある。甘い硫黄臭もあり存在感の大きな温泉であった。
露天風呂に出てみると真っ白である。こちらは墨色になっていなかった。湯は新七味源泉で71.4度の湯が毎分150リットル湧出している。含硫黄―CaNa―SO4Clで総計1857mgである。
硫黄分はHSが23.8mg H2S 24.1mgの総硫黄 47.9mgもある。色味匂い共に硫黄の個性が良く発揮された源泉であった。内湯は木枠のタイル浴槽で露天風呂は石積みのコンクリート浴槽であった。熱い湯が豊富に掛け流しされ使い方も良い。残りの紅葉館と渓山亭の温泉にも入って調査したく思った。
2 湯田中温泉 よろづや 松籟荘泊 再訪
60.1度のNa―Cl、SO4泉 文化財の宿。桃山風呂も文化財
よろづやは木造の寺院建築のような伽藍の浴室が圧巻である。桃山風呂と言われ、有名である。豪快な本堂のような空間に大きな楕円形の浴槽が一つだけで、立派な格天井と大きな浴槽で豪快な設計の風呂である。
また本館の奥の斜面に沿って建っている松籟荘が木造3階の凝った造りで、両方共に国指定文化財の指定を受けている。この地域ではほかに渋温泉の金具屋の斎月楼も文化財指定である。
この松籟荘に泊まりたくて今回の温泉巡りを決めた。とにかくこの部屋を確保してから温泉巡りのコースを決めたのである。松籟荘は斜面の上に建っており本館の3階が1階である。
このエントランスが装飾の多い凝った茶室のような造りで感動する。網代天井に唐傘天井でしつらえられている。1階、2階が客室で3階は桃山風呂のような大空間の大広間である。2階の角部屋になった。控えの間が付いて、床の間の脇に書院窓のある書院が付いている。
内部の意匠は割りとシンプルで金具屋のような繊細な意匠はない。一般的な和風建築である。しかししっかりと造られた好感の持てるものであった。
湯はきれいな芒硝食塩泉で総計1271mg 60.1度の温泉である。94度の源泉もあり、蒸し風呂に使っている。透明、無味、無臭であるがきしきしした感触が重曹泉とは逆の個性であった。
露天風呂は桃山風呂の前にある池のような庭園のような風呂である。その露天風呂からは大きな額の掛かった桃山風呂の正面玄関と豪壮な唐破風が見え、回廊が廻っている。立派な建築の外観である。お寺の前で入浴しているような感覚になる。
別の浴室はしののめ風呂と呼ばれ、伊豆石の床の内湯と小さな露天風呂が付いている。掛け流しの湯が床一面に流れ清々とした浴室であった。本館もコンクリート造りながら立派なものでエントランスホールの天井は立派である。すぐ前に湯田中大湯があり、翌朝入浴した。熱い湯で高温浴槽のほうは入れない温度であった。
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