元のページに戻る
2011/08/01 中部 
有名秘湯 名剣温泉、鐘釣温泉、黒薙温泉

 1 名剣温泉 
 川の上の絶景露天風呂。内湯は天然岩が露出した良い風情 祖母谷の引き湯 少加水掛け流し、硫黄臭多め



けやき平から15分ほどの歩きで到着する温泉宿。日本秘湯を守る会にも加入している宿である。以前は独自源泉であったが、水害で流され、以後は祖母谷温泉の引き湯である。この源泉が適度に熟成され、匂いも多く、加水も少なく祖母谷源泉の3箇所の宿では一番良い温泉であった。

 

堰堤を見下ろす川の崖の上に露天風呂が設置されている。ほかに宿の地下に男女別の内湯がある。こちらは天然岩が露出したワイルドな浴室であった。また貸し切りの半露天風呂も天然岩が迫り出した野趣に富んだものであった。

 

透明白湯の花浮遊、たまご味、硫黄臭多めと記録した。祖母谷の源泉はやや熟成すると個性が出てくるのであろう。一番良い表情を持っていた。単純硫黄泉で81.2度、総計900mgの源泉で硫黄分はHS 2.61mg S2O3 1.53mg H2S 0.19mgと少量である。総硫黄は4.33mgである。

 

重曹食塩系の単純泉であった。三角屋根の小さな宿でここで秘湯ビールと地元醸造の地ビールを飲んだ。あとは鐘釣温泉と黒薙温泉に寄るだけである。



2 鐘釣温泉 渓流露天風呂、洞窟露天風呂 再訪

 
 足元湧出源泉 大量に湧出 川に溢れ流れ去っている。 湯の流れが分かるほど。川沿いの浴槽も入浴可能 透明、無味、無臭


黒部渓谷で一番良かった湯がこの鐘釣温泉であった。綺麗な景観の渓流に足元湧出の源泉が大きく2箇所あり、それぞれ川のように溢れて、川沿いにも大きな浴槽を造っている。

 

河原の源泉が底の岩の亀裂から湯が滔々と溢れており、表面が盛り上がっている。湧出口に手を当てると凄い量の湯が噴出している。その50センチほど川側にも湧出口があり、こちらはヌル湯が大量に出ていた。その溢れ湯は流れて川沿いに浴槽をもう一つ造っている。

 

源泉のほうは綺麗に澄み切り湯の流れがはっきりと分かるほど湧出している。透明、無味、無臭の綺麗な単純泉であるが、この湧出状況に感動した。

 

すこし下流に洞窟風の源泉湧出地点があり、以前の記憶通りに存在していた。ここは底の砂地より全体から湧出し深い浴槽となっている。真賀温泉の幕湯を大きくした感じである。

 

この湯も小川になって溢れ、川沿いの大岩の横に大きな露天風呂が出来ていた。源泉は42度ほどであろう。下の露天風呂で40度くらいになっていた。温度が適温でかつ湯量も多い、天然岩より湧出する天然の妙であろう。天然記念物に認定してもおかしくないであろう。

 

洞窟風呂のほうは2つの浴槽に分かれ、奥は細く深い透明な湯がこんこんと湧いていた。それが2つ目の浴槽に流れこちらは大きな岩が覆い被さり半洞窟のようになっている。すばらしい温泉であった。

 

鐘釣温泉旅館で足湯用に湯を引き上げており、分析表があった。40.6度の単純泉で総計284mgの清澄な湯である。鐘釣温泉旅館の内湯にもこの湯を使っている。今後もこのまま残ってもらいたい温泉である。美山荘は休業であった。







3黒薙温泉  再訪  
単純泉 透明、はっきりしたたまご味、微硫黄臭  加水ながら硫黄泉の個性あり、大露天風呂と掛け流し内湯 天女の湯は渓谷の景観が良い 

黒薙温泉は宇奈月温泉の源泉で97.2度の高温の温泉が毎分2000リットル以上湧出し、25センチのパイプで宇奈月に引き湯している。総計633mgの単純泉であるが、硫黄分を含有しはっきりしたたまご味と硫黄臭がした。

 

宿は昔ながらの佇まいで建っていた。一部外壁を張り替えてあった。改築された新しい内湯と女性用の景観の良い天女の湯という露天風呂が宿にあり、50mほど上流に大きな露天風呂がある。

 

黒薙駅を出て尾根を越したところにある温泉宿で徒歩20分ほどである。途中から渓流に突き出して建てられているのが見える。古い造りで湯治宿のようだ。しかし内装は新しくなっていた。

 

大きな岩で河原に造られた大露天風呂が有名であるが大きいだけ新鮮味に欠け、内湯のほうが掛け流し量が多くよかった。高温のために加水しているが硫黄分がしっかりと残っているのには感動した。

 

源泉そのままであればさらに良いであろう。帰りは以前通ったトンネルで黒薙駅に向かった。冷風が出ており、湯治客が涼んでいた。

 

進入禁止と書いてあるが、この常連客が行っても大丈夫だというので通行したが、尾根を越えてくるよりもずっと楽であった。これで黒部渓谷の温泉巡りは終わったが魚津近くの金太郎温泉にも寄りたかった。しかし最終の列車が迫っているので次の機会にした。魚津駅をはくたか号19時15分発で越後湯沢に出て、新幹線に乗り換え東京に着いたのは22時28分であった。

※画像をクリックするとさらに大きな画像がご覧になれます。
この画面に戻る際はブラウザのバックボタンで戻ってください。
元のページに戻る
 このページの先頭へ
Copyright c 2010 Isamu Gunji All Rights Reserved.