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2012/04/14 東北 
後生掛温泉と野湯2か所、乳頭温泉

1後生掛温泉 湯治部泊

 ここの湯はパワーがない加水のためか?硫黄臭はほぼ無し、少酸味 加水しかし泥湯は楽しめる。

玉川温泉から路線バスで後生掛温泉に戻った。今日はここの自炊部に宿泊である。2食付8500円ほどで5千円台の鉛温泉の安さが分かる。さらに部屋は4畳半だし。しかし山登り後の宿泊には快適だ。

昔から変わらない浴場に行き薄く泥色に濁った弱い酸性泉に入浴する。泥湯も健在だ。しかし泥湯は新鮮味が無い。自炊部の1階はみなオンドル部屋で夏はさすがに暑いだろうと畳部屋にしたが正解であった。

夏の暑い中オンドルでは寝られないそうだ。入浴で暖まった身体を高原の涼しい風が心地よい。虫が多いので網戸にして寝る。テレビは見ないほうだが、この部屋にはテレビも付いていなかった。早くから寝たので早朝暗いうちに起きたが、二度寝をした。

湯は単純硫黄泉の88.4度で水素イオン(H+)0.63mg含有しPHは3.2である。S2O3が3.5mgで硫黄泉の名前が付いている。HSもH2Sもゼロであった。薄墨色濁り、少酸味、ほぼ無臭。であった。湯は高温のために加水掛け流しで使われている。総計も311mgでほとんど単純泉に近い温泉である。

2 叫び沢温泉

 薮こぎ10分で朝露で全身びっしょりとなる。途中の崖に転落1mくらいだが、このとき足を痛める。沢に出ると本流の横に白い硫黄泉が湧出していた。浴槽のようなものもあり快適。もしものためにガスマスク使用。

後生掛温泉から玉川温泉の近くの叫び沢に行く。道路から上部の噴煙は見えるが、入り口の部分は踏み跡がかすかに残る程度の藪である。硫化水素が発生するため立ち入り禁止の看板がある。そこでガスマスクを付ける。

硫化水素は濃くなると無臭になり突然倒れるということなので用心のためである。主に笹の藪漕ぎはそうたいへんではないが、朝露に濡れていて全身がびっしょりに濡れる。藪を抜けて岩肌の出ている沢に出るまで10分ほどであるが全身下着まで濡れてしまった。さらに足元が悪く、沢側にある大きな穴に落ち込んでしまい。足を痛めてしまった。しかし直後はそれほどの痛みは無く、沢登りを続けた。

沢に出るとすでに薄く白濁した湯が流れている。しかし温度が無い。しかし少し上流に行くと真っ白な硫黄泉が湧出している場所があり温度も36度ほどある。硫黄臭が強くガスマスクをしていても感じるので危険地帯であろう。それ以上上流に行くのを止め、その源泉に入浴した。一部浴槽のように掘り下げられ快適な野湯であった。酸味はなく、白濁、硫黄甘味、硫黄臭多し。と記録した。

3 見張りの湯

 林道10キロ強で分岐、右に1キロほどでゲートここから下り30分で吊り橋。その先の小屋裏に露天風呂帰り徒歩40分ほとんど登り。単純硫黄泉と思われる

玉川温泉の下流の沢に湧く温泉で林道を奥深く入ったところから歩き30分ほどの温泉である。ガソリンの残量が少なく心配しながら林道を走る、しかし10キロ強ということなので大丈夫であろう。いくつかの分岐があり、そのたびに道のしっかりしているほうを選ぶがこれで行き着くのか非常に不安である。

そんななか10キロすこし行くとT字路になり右側に立ち入り禁止の看板があった。ここを過ぎると急な下りになり1キロ前後で太いワイヤーの張ってあるゲートに着いた。ここの場面は事前調査の写真で分かっていたので間違いないことが確認できた。

さて徒歩になり林道を下ってゆくが、道は急で4輪駆動でないと戻れないであろう。そのためゲートを付けたと思われる。単調な下りを30分弱続けると平地になりしばらく行くと吊り橋で林道が終わっていた。吊り橋を渡り疎林のなかを歩くと2階建ての小屋に行き着いた。しかし温泉はない。

しばらく探すと小屋の裏手に露天風呂が見つかった。その裏の沢が源泉で高温の湯が自噴して大量に流れている湯の川であった。しかし高温で入浴不能である。川の底はビロードのような硫黄華が繁茂していて白い川になっている。

露天風呂のほうは少量加水されており適温になっている。無人の露天風呂ながらうまく調整されている。さて湯は単純硫黄泉であろう、白い湯の華が舞い、透明、たまご味、無臭であった。石で造った立派な浴槽で旅館の露天風呂のようである。硫黄分は少ないのであろう、ほぼ無臭であった。帰りはずっと登りで40分ほどでゲートに着いた。

4南玉川温泉

 Fe2+3 2.9+0.9は間違っていると思われる。Fe 25から30ほどに感じる。驚くべき真っ赤な湯。 総計5196mgの芒硝泉 60.1度は強力。

乳頭温泉の妙の湯は新装なってからまだ行ってないので、10年以上のご無沙汰である。あの赤い湯に行こうと思い玉川の沢を下って行く。新鳩の湯を過ぎ、ダム湖のほとりに南玉川温泉が新しく出来ていた。

ここは忘れていたが未湯である。気が付いてよかった。さっそく入浴に行く。新築の木造宿で太い柱で立派に造ってある。瀟洒な宿である。湯が強力である。総計5196mgの芒硝泉で60.1度である。国内でも屈指の芒硝泉であろう。湯が赤いという情報を知っていたが驚きの赤さである。オレンジジュースのような明るい赤で透明度30センチほどである。

塩分が少ないのが珍しく、味覚は個性的でエグ味で渋味残るであった。ほぼ無臭。内湯と露天風呂がありともに掛け流しで使われ良い。露天風呂は掛け流し量が多く熱い湯になっており、45度ほどであった。

分析表ではFe2が2.9mg Fe3が0.9mgと少ないが沈殿後の分析ではないだろうか?あの赤さと渋味は30mgくらいあると思われる。赤い湯の南玉川温泉は日本屈指の芒硝泉であった。

5 蟹場温泉 (再訪)

 この頃から叫び沢で滑落した足が猛烈に痛くなる。単純硫黄泉 湯の華ちらほらのきれいな湯

乳頭温泉には何度も来ているが蟹場温泉は久しぶりである。私が以前行った時は、露天風呂が長方形で現在のような石組みではなかった。やはり10年以上は行ってないことになる。まず露天風呂の唐子の湯に行く。綺麗な木造の東屋風の脱衣場が付いた混浴の露天風呂で大きな岩組浴槽である。

透明、たまご味、微硫黄臭の単純硫黄泉であった。HS 3.2 H2S 0.1である。42.9度 総計758mgの分析表があった。内湯は渡り廊下で行く。木風呂が良い。秋田杉の造りの浴舎と浴槽でなかなか風格がある。ほかに岩風呂があるが一般的なものであった。掛け流しで利用されていて良い温泉である。

乳頭温泉のなかでも孫六とここ蟹場が透明な湯である。ともに硫黄分もあり湯の華がちらほら見える程度である。孫六は薄く白濁することもある。乳頭温泉の6軒の一軒宿はみな個性が違って面白いものだと思った。

6 妙の湯温泉(再訪)

 ほとんど片足が付けない状態になる。私の歩き方を見て女将さんが湿布薬を貼ってくれる。混浴の浴槽に行ったり来たりしている不審な男がいて頭にくる。 赤い湯は酸性泉で酸っぱい

妙の湯も新築になってから始めて訪問する。和風の小さな宿である。金泉と呼んでいる赤い酸性CaMg-SO4泉と銀泉と呼んでいる単純泉の2本の源泉がある。金泉は56.3度の酸性 含苦味石膏泉で鉄分をFe2 9.8mg Fe3 4.2mg 合計14mg含有し赤い湯である。水素イオン(H)は3.04mgでかなり酸味がある。

男女別の浴室には透明な単純泉を使った木の浴槽の内湯と赤い湯の露天風呂がある。奥に混浴の露天風呂があり堰堤の滝を見ながら入れる露天風呂が赤い湯である。

単純泉の透明な混浴露天風呂もあるが、渓谷沿いの赤湯の露天風呂が圧巻である。堰堤の滝が見えて開放的な露天風呂である。総計1291mgと薄い温泉であるが3.04mgの水素イオンと14mgの鉄分でたいへん存在感のある湯になっている。

赤褐色、酸味、少金気臭と記録した。宿の風情も洒脱に造られ、情緒のある和風宿であった。

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