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2012/05/06 中部 
別所温泉、花屋。田沢温泉、ますやほか  

1別所温泉 花屋

長野県の温泉で中規模の別所温泉は信州の鎌倉とも言われ、神社仏閣と温泉街がある。共同湯は石湯、大師湯、大湯の3ヵ所にありそれぞれ凝った造りで良い。



別所温泉の宿は十数軒あるが第一の宿は花屋でしょう。6500坪の広い敷地に離れが点在し、中庭の池を囲んで渡り廊下で続く造りで国指定文化財になっている。内部は繊細な数奇屋の造りであるがエントランスはうって変わって白壁の城郭の造りである。白壁の塗り込めで2層の城のような外観の建築が玄関前にあり瓦屋根にはしゃちほこが載っている。豪快な印象のエントランスである。



隣の玄関は瀟洒な入母屋の破風である。その右側には食堂棟が白壁で続いている。玄関を入ると一転、白木造りの数奇屋風である。玄関中には格天井のラウンジがあり中庭に面して椅子が置いてある。2階は食堂で大正初期の建築のままである。



広い空間は船底天井で曲がりくねった梁が露出し、民家のような意匠であるが天井、壁が白なので洋風になっている。中庭に出ると渡り廊下が縦横に走り各棟や離れを繋いでいるが、これは繊細な造りである。細い柱に垂木の見える小さな屋根である。



室内を見て歩いた。80番の部屋は離れの部屋で続きの2間に掛け流しの内湯が付いている。81番も離れの部屋で欄間の透かし掘りや書院の化粧格子が精密である。照明器具がレトロで良い。



次にこの宿の白眉である21番の部屋に行く。ここは格天井に絵が書かれているので有名である。書院の化粧格子も凝っている。欄間は花鳥風月の襖絵である。次の見所は23番の部屋である。天井は格天井の端正なものであるが、書院の格子が繊細で素晴らしい。



網を打った絵が格子で造られこの宿随一であろう。また床柱にはかたつむりと竹が彫刻され楽しい。浴室は大理石風呂が圧巻である。



以前は男女別の浴室だったのだろうが一つにされて使われている。2つの浴室がある。左側が四角い浴槽と楕円形の浴槽で右側が四角い浴槽1つである。白いビアンコカラーラとピンク色のローズオーロラとグレーの大理石が主に使われ、緑色の蛇紋石も縁取りに使われている。



床は各種の石の張り分けで浴室全体が大理石で造られている。脱衣室との間にはステンドグラスが使われ、2つの浴室の隔ての上にもステンドグラスがある。湯は浴槽内部で循環しているが常に新湯を掛け流しで入れている。



透明、たまご味、硫黄臭ではっきりとした単純硫黄泉である。よわいすべすべもある。ほかに展望風呂と露天風呂がある。71番の部屋に泊まった。前室のある10畳間で欄間の造りが凝っていた。つつじの植えられた裏庭と玄関前の広場が見える部屋で快適であった。



2別所温泉 柏屋別荘

別所温泉で木造4階の宿が残っている。柏屋別荘である。玄関前の棟が4階の建築で、裏山にも2階建ての建築が続いている。内装は全て改修済で奇麗なレトロな空間になっていた。



しかし梁は古いままで風情のある宿である。浴室は畳敷きの内湯と小さな露天風呂が付いている。透明、たまご味、少硫黄臭の湯が掛け流しされていた。HS 12.4mgの単純硫黄泉で石湯や大師湯とも同じ源泉である。





 



 

3別所温泉 石湯共同湯

柏屋別荘の隣にある共同湯。木造平屋一部2階ながら屋根が積層していて、玄関前には唐破風と千鳥破風が連なり、奥に切妻の屋根が控えている。立派な凝った建築である。



浴室は半地下のように下ってゆく。大きな岩が露出した浴槽で以前は掛け流しであったが、循環になっていた。新湯を加えているのでオーバーフロー循環ということであるがカルキ臭があり残念であった。



4別所温泉 大師湯共同湯



トタン屋根の2層の造りになっている共同湯が大師湯である。湯は小さな円形のモザイクタイル浴槽に掛け流しで利用されており、良い使い方であった。透明、たまご味、少硫黄臭の温泉は別所特有の源泉である。



5太朗山温泉 4578湯

上田でレンタカーを借りて少し温泉巡りをした。地図を見ていると太朗山温泉という未湯が発見できたので行ってみた。国道沿いの日帰り温泉センターでカラフルなパチンコ屋のような外観である。湯はよかった。



22.3度の単純硫黄泉ながら加熱掛け流しにしており特に露天風呂の壷風呂がたまご味と硫黄臭が感知出来る。HS 2.4mg H2S 0.2mgながら新鮮な湯ははっきりと硫黄臭がわかり良いものであった。内湯と露天風呂は硫黄臭は消えていた。



6田沢温泉 ますや

以前訪問しその豪快な建築に驚いた宿。一度宿泊もしたことがある。今回3回目ながら、文化財の宿の資料を集めているため各部屋と外観の写真を撮影がてら入浴した。木造3階建ての大きな棟が2棟並び手前に1段下がって3階建ての建築がある。ここに藤村の間があり現在でも使われている。



この間に玄関があり小さなロビーがある。藤村の間は2部屋続きの和室で華美な装飾はないがしっかりと造られた和室である。次に木造3階奥の棟の角部屋51番が良い。書院の透かし彫りの彫刻と化粧欄間が凝っている。高台の3階にあり眺望が一番の売りであろう。



いまだに木製建具で文化財になったのが分かる。障子を開けると欄干の付いた廊下が廻っておりガラス戸が付いている。驚いたことに手前の棟の3階はガラス窓が入っておらず室内と外部は吹き放しの欄干である。障子1枚だけの部分がある。ここは夏のみ使うとのことである。全体では、古さを持った風格があるが各部屋は結構傷みがきている。しかし大きな宿で全て使えばかなりの部屋数になるであろう。



浴室は一番奥に新築の内湯と露天風呂があるが手前の棟の地下に家族風呂として小さな浴室がある。昔に泊まった時はここしかなかった。モザイクタイルの浴槽に38.5度の単純硫黄泉が掛け流しになっている。湯量が少なくヌル湯であった。





 



 

7田沢温泉 有乳湯共同湯

田沢温泉は湯量豊富である。ヌル目の湯であるが豊富に使われヌルさを感じないほどである。有乳湯は新築の共同湯で立派に造られた。外観は山田温泉の共同湯や野沢大湯までは至らないにしても、木造の凝った造りだが内部はタイル貼りの簡素なもので現代的なのが妙にマッチしていない。しかし豪快に溢れる掛け流しの湯は感動的である。



浴槽の手前にある掛け湯の色が薄く緑がかっているのが不思議である。湯は透明、たまご味、硫黄臭の単純硫黄泉で39.5度の源泉である。総計229mgと少ないがHSイオンが7.1mg含有され存在感が増している。大量の湯が掛け流しされており湯に浸かると湯中の気泡が付着する。身体が真っ白になり素晴らしい体験ができる。その気泡を取り去るときにつるつるの感触があり面白い。



驚いたのは外にある洗濯場にも太いパイプから大量に湯が流されておりもったいないほどである。この共同湯から溢れた湯は前の下水にゴーゴーという音を立てて流れている。湯量豊富なことは素晴らしいと思った。



8沓掛温泉 小倉の湯共同湯

沓掛温泉に久しぶりに訪問した。小倉の湯共同湯は新装されていた。湯が大量に掛け流しされており、浴槽の縁の側溝は湯が流れている。浴槽は2つに分かれ、片方は1号泉の自噴源泉で36度ほどである。しかしそちらにじっと浸かっている人がいるのはヌル湯の特徴である。



隣に39度ほどの4号泉の浴槽がありこちらは700mの掘削自噴である。ともにアルカリ性単純温泉でHSイオンが1.5mg含まれている。透明、少たまご味、無臭の湯である。しかし豊富な湯で掛け流しが多く良い共同湯である。



9      しなの木温泉 ひな詩の湯

4579湯



上田市内に出来た日帰り温泉施設。メタ珪酸の規定泉で17.4度の源泉である。透明、無味、無臭、循環、加温、殺菌である。内湯と露天風呂のみ温泉であるが特に個性は無かった。

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