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2012/05/26 九州 
別府の野湯と名宿 5か所

 

1鍋山の湯温泉

殺人事件のある前の訪問で現在入浴できるかは不明です。

鍋山の湯の昔からある、下の整備された浴槽に久しぶりに行った。上の泥湯もかなり整備され浴槽がコンクリートで固定されていた。



鍋山の歩道を登ってゆくと右側に噴気地帯が見えてくるが、温泉は左側の石の祠の先にある。大きな岩の裏から源泉が湧出して2つの浴槽に順に入れられている。源泉温度は実測91度であった。



雪混じりの天気であったが、たまに良く晴れ、別府の市街地と高崎山が海に迫り出しているのが見える。絶景の露天風呂である。湯は泥を含有して湧出しており、黒灰色、無味。少硫黄臭と観察した。単純硫黄泉だと推測した。



2へびん湯温泉

へびん湯に10年ぶりほどで再訪した。渓流に沿って湯量豊富な源泉が注がれており浴槽も5ヶ所もあり良く整備されていた。透明、少苦味、無臭の綺麗な湯で単純温泉だと思われる。



一番上の浴槽は綺麗に澄み切った湯の底が砂地で清澄な湯でやや熱めであった。川沿いにほかの4ヶ所の浴槽があるが一つはヌル湯浴槽になっていた。



湯量豊富でどんどん溢れている。以前は一番上の浴槽1つであったがこの湯量の多さで5ヶ所に増えていた。立派な露天風呂で野湯というよりも無料開放露天風呂といった感じであった。



3明礬温泉 鶴寿泉

明礬温泉の共同湯は地蔵泉が枯れてしまって残念であるがこの鶴寿泉は健在であった。瓦屋根の小さな湯小屋で明礬温泉特有の酸性泉が入れられている。69.5度の源泉で総計732mgである。水素イオン(H)を3.2mg含有し酸味と明礬渋味が際立っている。



硫黄分の含有はない。薄白濁濁り、酸味+明礬渋味、少硫黄臭と観察した。小さな空間の中央に四角い木の浴槽が1つのみの簡素なもので、床と腰は切石貼りである。主な含有成分は明礬が主成分で、すぐ前の湯元屋や隣の山田屋と同系の湯で硫黄を含むえびす屋や岡本屋とは違う系統である。



湯の花を生成している明礬小屋の下にあり、湯は酸性の表層水だと思われる。入り口の中央には地蔵様が奉られており賽銭を入れて入浴している人がいた。



4明礬温泉 神井泉 (飲泉、手を付けただけ、入浴は不可)

明礬温泉の湯の里観光施設の近く、民家が8軒だけで管理している共同湯。地元専用で組合員以外一切入浴不可である。今回もお願いしたが見るだけと飲むだけは許可された。



古い湯小屋で浴槽は一つである。木の枠に石の床でやや広い空間に浴槽があった。飲泉したのと手を入れただけであった。透明薄白濁、少酸味、少硫黄臭という明礬系の湯であった。



5別府温泉 山田別荘

別府では温泉道と名づけて88ヶ所の温泉を廻ると名人になれるスタンプラリーが有名である。私はその企画段階から携わっており、初期に名人になったがそのころは88ヶ所の施設しかなく1つでももらせないたいへんなものであった。



結局3回の別府訪問でやっと名人になれた。151代で結構遅くなってしまった。しかし最近では130ヶ所ほどの入浴施設が参加され、比較的簡単に88ヶ所廻れるようになった。この山田別荘は私が名人位を取ってから参加された宿で雰囲気が良いので入浴してみたく思っていた。



別府駅前のホテルに泊まっていた私は歩いてゆける距離であった。海門寺温泉の前を通り、小路に入ったところにあった。レトロな造りの建築で木造2階の邸宅といった外観である。



源泉前には千鳥破風の立派な車留めが付き、横に洋館が付いているが全体は和風の別荘という名前とおりの宿である。モザイクタイル貼りの内湯が2ヶ所と露天風呂が1つある。内湯は半地下のようなレベルでコンクリートの半円形浴槽が1つの簡素なものである。食塩泉ということだが透明、微金気味、無臭のきれいな湯であった。内湯は敷地内の独自源泉である。



源泉コックがあり入れ放題の掛け流しである。弱いつるつるの湯であった。露天風呂はやや大きめな庭園風のもので石組みが風情がある。こちらは少し離れたところの源泉で近隣3軒で使っている源泉とのことである。



建築の白眉は大広間の隣にあり、庭に面した蓬莱の間であろう。秀逸でここに泊まりたいと思った。外観が繊細な木組みの美しさで周囲に廊下が廻っているのも良い。書院の化粧欄間も凝っており、昭和5年の竣工である。洋室も古い造りで天井の石膏レリーフがある。窓も様式風の縦長である。



 

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