1仙庄館
中山平温泉でも大きな鉄筋の宿。2階に内湯と離れに露天風呂がある。88.3度の単純硫黄泉で総計940mg HS33mg H2S14.9mgと立派な数値である。
内湯はオーバーフローを採りながら循環されており残念である。しかし硫黄分の個性は出ていて緑色透明、たまご味、硫黄臭であった。ここに宿泊したので夜に再度行ってみると湯は白濁していた。また露天風呂は加水が多く湯の個性は少なかった。
ここは内湯がベターである。中山平特有のつるつる感は少なくすべすべする程度であった。重曹系であるがCO3は0.5mgと少なく硫黄泉の個性が出ている源泉であった。
2星の湯旅館
白い壁の鉄骨造の2階建ての小さな宿。64.7度のアルカリ性単純泉が湧出しており総計242mgと成分総量は少ないが重曹系でCO3が12mg含有されており、重量割合は23.8%である。
そのため透明、無味、無臭ながらつるつる感がよく出ており存在感のある単純泉であった。木の浴槽の内湯1つのみで掛け流しで利用されている。
3あすか旅館
赤い屋根の鉄骨2階建ての小さな宿。74.6度のアルカリ性単純泉で総計297mgの湯で星の湯旅館と同系の温泉である。古い木製の内湯浴槽と離れにある石造りの露天風呂がある。
露天風呂は風雅な造りで仮設風の良さがあった。CO3は9.6mgと少ないがつるつるの湯で存在感はある。HSが0.2mgであるが感知できた。透明、無味、微硫黄臭と記録した。
4ふきゆ荘
含銅単純硫黄泉という変わり種の泉質。100度の噴気から造成によって温泉を湧出させている。S2O3 3.0mg H2S 4.4mgと硫黄分はそれほど含有されていないが、白濁した湯が特徴的であった。硫黄臭も強く個性的である。
含銅はCu2.3mgで全国的にも珍しい温泉である。白濁薄黄色、少苦味+微酸味、硫黄臭多し、と記録した。石造りの内湯が1つのみである。中山平でもこのような硫黄泉があるのかと驚いた温泉であった。
5鳴子ラドン温泉(現在、休業中)
中山平でも有数のつるつる温泉の東蛇の湯と同じ経営の温泉宿。100度の源泉で含硫黄Na-HCO3、SO4泉 Phは8.3である。総計1137.5mgと含有量もある。主な成分はHSの37.3mg H2Sの2.1mg、CO3の44.8mgである。
露天風呂が掛け流しでよい状態になっており今回最強のつるつる感触になっていた。露天風呂は透明、たまご味、硫黄臭であるが、内湯は少量加水されており緑色透明、少たまご味、少硫黄臭と薄い感触になっていた。
露天風呂の源泉はCO3 100mg台に匹敵する感触である。分析値では44.8であるが、もっと多く感じる。
6琢琇
琢琇は瀟洒な宿で秘湯を守る会にも入っており中山平でここに入浴した人は多いでしょう。うなぎ湯と銘打っており、鳴子温泉のゆさや旅館と同じ命名である。
このたびうなぎ湯の掲示は無く、しんとろ湯と名刺に刷られていた。ここも鳴子ラドン温泉と同じく100度の含硫黄Na-HCO3、SO4泉である。CO3が104.7mgと多く含有されつるつるの湯になっていた。
内湯の長生の湯は石造りの浴槽でほかに混浴露天風呂の付いた内湯がある。さらに下側に露天風呂の鶴亀の湯もある。透明、少たまご味、少硫黄臭である。つるつるやや強しで鳴子ラドン温泉の露天風呂についでつるつる感覚があった。
7東蛇の湯(現在、休業中)
東蛇の湯は熱い源泉を夜の間に入れ、冷ましておく。そのため朝一番の湯は源泉のままである。昨日は入浴客で混雑し写真が取れないので、朝一番に東蛇の湯に写真を撮りに行く。まだ新鮮な湯でつるつるはそれほど強くない。この湯はある程度熟成されるとつるつる感が増してくるのであろう。
しかし透明ながらたまご味強く、硫黄臭もはっきりとわかり、やはり新鮮な湯は良いと思う。分析表ではHS 37.8mg H2S 2.1mgでCO3 44.9mgのラドン温泉と同じ分析表である。
浴室は混浴のみで朝でないと写真が撮れないのでほかの客がいない時を狙って撮影した。混浴の内湯と付属した石組みの露天風呂がひとつあるだけである。
8しんとろの湯
中山平温泉で唯一の日帰り専用温泉。レストハウス星沼もあるが一般的でなくここが人気の日帰り温泉になっている。この温泉は源泉から長い樋を通し適温まで冷まして投入するという高温の中山平温泉の中では素晴らしい使い方である。
93度の源泉でS2O3 5.9mg HS 16.4mg H2S 0.6mgという含有量、つるつるの指標となるCO3は105.3mgと多い。透明、たまご味、少硫黄臭というもので以前訪問したときには薄白濁していたが、今回は透明であった。つるつるも一般レベルで前回の方が強かった。
9三乃亟湯
中山平の上流に1軒だけ離れてある温泉宿。小さな旅館で内湯の小さなタイル貼り浴槽が一つだけの簡素な施設である。63.6度の純重曹泉で総計1583mgの源泉である。
掛け流しで利用されていた。透明、無味、無臭の個性は少ないがつるつる感触は中山平では中間程度でつるつるの湯であった。
10菊池旅館
あすか旅館のすぐ前にある小さな民家のような宿。湯治専用の宿泊施設である。古い民家のままでふすまで仕切られている。
浴室は2ヵ所あるが男湯は2つの浴槽があってともに源泉掛け流しである。61度の単純泉で溶存457.2mgである。重曹系で透明、無味、微油臭と観察した。
源泉掛け流しなので熱い湯でヌル目の方でも44度くらいあり、熱い方は48度以上に感じた。一瞬しか入れない。何かの対策が必要であると感じた。掛け流しでも入れなくてはしょうがない。
11なかやま山荘
国道沿いにある公民館のようなコンクリート造の宿。大浴場は清掃中で家族風呂に入った。これが正解でゆっくりと源泉が掛け流しになっていて素晴らしい。
92.2度の含硫黄食塩重曹泉(S-Na-HCO3、Cl)である。溶存1224.7mgの源泉で硫黄分はHS 18.9mg S2O3 0.8mg H2S 0.7mgである。
ほぼ硫化水素イオンが占めているので透明であるが硫黄臭がして非常に好い源泉である。なおCO3は108.9mgと多量に含有している。つるつるも強く本日ではしんとろの湯をまさって最高であった。
家族風呂は小さな半円形の浴槽で弱く掛け流しされている、この使い方が良いのであろう。加水の大浴場よりも好いと思われる。透明、たまご味、硫黄臭でつるつる強しで良い湯であった。
12花渕荘
花渕荘は冬に来たことがあるがあまり印象に残らなかった。今回、脱衣場で2つの源泉があることがわかり一つは71.6度の単純泉でもう一つが99.5度の含硫黄芒硝重曹泉(S-Na-HCO3,SO4)である。総計1171mgでHS 11.6mg CO3 119.7mgという強力な源泉である。
内湯は単純泉で個性がなかったが露天風呂で重曹泉を使いつるつるの湯であった。
また離れの貸切り風呂は石造りの小さな浴槽で掛け流しで使われ熱いので少々加水して入浴する。中山平ではこのような使い方がベターであろう。
ここは重曹泉が入れられ新鮮な良い湯であった。透明、たまご味強し、硫黄臭でつるつる強しである。木造2階の小さな宿で13室である。
その他 北品川 天神湯
京浜急行の新馬場駅近くに濃厚な黒湯が湧出したと聞き早速行ってみた。まだ温泉分析表は計測中で無かったが新築のマンションの1階2階が銭湯になっており新築でまるでホテルのロビーのように立派である。
温泉の湯は露天風呂で使われておりその黒さに驚いた。黒褐色(透明度2センチ)、少苦味、わら臭と記録した。
透明度2センチは廃業した女塚湯、鶴見の松の湯、横浜の鎌倉館などみな廃業してしまったので、現在国内でも五本の指に入る濃厚さであろう。分析結果が楽しみである。
また重曹分も多いのかつるつるの感触もあり存在感の大きい良い源泉である。残念なのはカランがなく自動調節の循環になっていた。
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