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2012/10/07 東北 
会津の温泉、只見、大塩、玉梨、西山ほか 

1 塩原福渡温泉 岩の湯  85
東京から南会津の温泉に向かって東北道を北上した。塩原から400号線で会津に行く。途中寒かったので、塩原の福渡の有名な共同湯の岩の湯露天風呂に入浴した。



緑白濁した湯の色の円形の浴槽と、底から絶えず気泡が立ち上がっている透明ささ濁りの四角い浴槽の2ヶ所がある。緑白濁したほうも底からの湧出量が多く気泡が立ち昇っている。



こちらは石積みでほぼ円形である。こちらの温度が高く塩味も濃い、金気臭も感じられる良い湯である。7グラムほどの食塩泉と思われる。



一部崖より源泉が落下している。四角い浴槽は透明、えぐ味、無臭で塩味が少ない。弱食塩泉であろう。水量の多い渓流に沿った露天風呂で景観も良い。



2只見深沢温泉 むらの湯   80
只見に近づくと赤褐色の芒硝食塩泉のむらの湯が掛け流しで良い。隣の宿泊施設は濾過していて透明である。



46.9度のNa-Cl、SO4(芒硝食塩泉)で総計8929mgである。鉄分は9.8mg含有されており、掛け流しの浴槽で赤くなっている。



茶褐色不透明(15センチ)で塩甘味、薬臭とせんべいのような金気臭があった。展望の良い内湯1つのみの施設で1つの浴槽に掛け流しで使われている。温泉とはこのように簡素な方が良いのである。



3只見温泉 保養センター   65
以前訪問して40グラムを超える強食塩泉の分析表を見て驚いた温泉、今回掲示されていた分析表では総計は37772mgであった。



37.5度の強食塩泉である。湧出量は毎分37リットルである。しかし浴槽では透明、弱い塩味、無臭で加水、加温、循環、殺菌であった。中程度の内湯浴槽1つの簡素な温泉であった。



4大塩温泉 季節自噴露天風呂   85
以前に角川書店から出版した「秘湯、珍湯、怪湯を行く」で紹介してから、大変メジャーになった温泉。今回は2人入浴者が居た。



民宿のたつみ荘は満室が続いているそうだ。37度くらいのヌルい温泉であるが、新鮮で炭酸分と塩分をしっかりと含有した温泉で、隣の共同湯をやや薄めた感じの温泉である。

                      溢れる掛け流しの湯
しかし炭酸分は多く浴槽の奥に吹き上がっている源泉の周囲は炭酸刺激臭が漂い、素晴らしい天然資産であると思わせる温泉である。足元自噴の源泉浴槽であることは間違いなく、すぐ横の只見川の水位が上がってくると自噴を始める季節的な温泉である。



そのため毎年、雪解けの時期、連休前から湧出し始め、5月中には出なくなってしまう。
1ヶ月前後の貴重な温泉である。また湖のようになったエメラルドグリーンの只見川に迫り出して位置しているので、素晴らしい景観である。



浴槽は赤い析出物が付着し大量に掛け流しされた湯は、縁から溢れ川に流れ去っている。透明薄濁り、炭酸塩味、炭酸刺激臭と観察した。



近くにある炭酸水湧出場所の泉質は塩分が無い綺麗な炭酸泉であるが、この共同湯付近は温度のある源泉が湧出する。となりの共同湯の分析表では炭酸量が2850mgほどなので全国でも屈指のものである。


5湯倉温泉 共同湯   80
只見川に沿った温泉で炭酸分を含有するが高温のために源泉で抜けてしまっている温泉である。



しかし61.3度の温度があり毎分68.7リットルの湧出量は小さな共同湯の浴槽では使い切れずほとんど流されているだけで10%も使っていない。それでも熱い湯である。総計5889mgのNaCa-Cl,SO4(石膏食塩泉)である。CO2は159mgである。


緑褐色に濁り(20センチ)、少塩エグ味、少金気臭である。小さな湯小屋に浴槽が1つしかなく混浴である。脱衣場が男女別にあるし、湯が濁っているので混浴のハードルはあまり高くないであろう。



流れ去った湯は只見川に析出物の丘を造っていて、対岸からも黄色い丘が見える。その上に立つと直径20mはあろうかという大きな析出物の山であった。



6玉梨温泉 恵比寿屋   80
玉梨温泉と八町温泉とは川の対岸にあるが八町温泉の共同湯にはヌルい八町源泉と熱い玉梨温泉と混合している。この恵比寿屋は八町側にあるが対岸の玉梨源泉を利用している。



総計3972mgのNa-HCO3、Cl,SO4(芒硝食塩重曹泉)で炭酸の感触がある。温度は45.9度あり大分県の長湯温泉などと同じく炭酸は抜けてしまい分析表上では436mgになっている。


しかし源泉湯口では充分な炭酸刺激臭と炭酸エグ味が残り存在感は大きい。色も茶褐色に濁り(40センチ)炭酸エグ味、刺激臭である。



小さな露天風呂と内湯があるシンプルな温泉であった。前の川が雪解けの増水で早い流れになっていて豪快である。会津の山の中の良い温泉である。

                      析出物の多い露天風呂の浴槽
7西山温泉 中の湯   85
西山温泉の宿で古いときから前を通っていたが、まだ未湯であった温泉。西山では新湯、老沢、滝の湯、下の湯などには入浴している。塩味の硫黄泉で下の湯と双璧をなす良い温泉であった。



立派な造りの宿泊棟は宮大工が造ったのでどこか寺院風のディティールを持っている。離れの浴舎も同じく天井の高い、太い柱の立派な造りである。ここの内湯の色が素晴らしい。薄く紫色になっている。


これは白濁していないがその寸前なのであろう。味覚も中の湯3浴槽の中で一番濃く塩味とたまご味が適度に効いていた。匂いも硫黄臭が感知できた。



67.2度の含硫黄食塩泉でS2O3が2.9mg、H2S 0.2mgである。蒸発残留物が5740mgの源泉であった。離れの内湯の横に岩組みの露天風呂があるがこの源泉を薄めたように感じた。透明で塩味も薄く、硫黄臭も弱い。



母屋にある内湯は小さなもので違った分析表があった。総計4518mgでS2O3 1.1mg H2S 0.6mgの温泉であった。薄く白濁しているが離れの内湯ほどの硫黄分は感じられなかった。

                      青白濁に濁った珍しい湯

 

 

 

 

 

 

                        本館の内湯

 

 

 

 

 

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