1人吉温泉郷 華まき温泉
人吉はモール泉があり黒い湯に入れるが、ここ華まき温泉は黒い湯ではなく透明である。純重曹泉で34.1度という温泉である。
国内屈指の個性派の源泉で泡付きが非常に多く源泉掛け流し浴槽では身体中が真っ白になる。今回は貸切風呂で非加熱掛け流しの「岳の湯」に入浴した。
総計1558mgで湯の個性は少ないがとにかく泡付きが凄い、これは炭酸ではなく湯中に溶け込んでいた気体で酸素や窒素という普通の大気であろう。透明、少エグ味、無臭と観察した。
2人吉旅館
人吉旅館は以前に宿泊して雰囲気の良い宿だなあと思っていたら、このたび国指定有形文化財になるようである。やはりそうであったかと思った。玄関口には天井に梁が露出し古民家のようである。
客室は正統派の書院造で派手さはないが質実である。食塩重曹泉(Na-HCO3,Cl)で54.6度、総計2247mgである。
以前は黒湯であったが今回はほとんど黒くなく、淡い褐色であった。エグ味に少たまご味が残り、モール臭があった。
つるつるの湯で入浴感は良い。浴槽の中に椅子があって腰掛けて入浴するという変わった趣向である。少ないながら新鮮なために少泡付きがある。良い温泉であった。
3人吉温泉 新温泉共同湯
創建当時からの建築が残る新温泉は貴重である。ここも鶴亀温泉などとともに有形文化財物であろう。古びた木造の共同湯で青いペンキの屋根である。
白木の脱衣場であるが古色を帯びていて茶色になっている。看板類が古く古物商のようである。
単純温泉の総計490mgでモール泉である。薄黒褐色、少たまご味、モール臭ありと記録した。広い内湯の空間の両脇に浴槽があり石造りである、一つはかなり浅い。不思議な温泉である。
4白木川内温泉
足元湧出の温泉で岩肌が露出しておりその中から涌いている。この濃い緑色の岩肌が野趣に富んでおり国内でも屈指の素晴らしい温泉である。
湯の個性が良い、上の湯と下の湯があり上はHS 5.6mg CO3 49mgで下の湯はHS 14.7mg CO3 33mgである。微妙な差であるがこの2つの成分が非常に良い感触となっている。
透明、たまご味、硫黄臭である。つるつるの感触もあり極上の泉質である。それが足元から湧出しているのでこれ以上の良い温泉は考えられないほどである。貴重な温泉遺産として大事に守ってもらいたい温泉である。
5湯川内温泉 かじか荘
日本を代表する足元湧出温泉の一つと言って決して間違いない名湯である。上下に2つの浴槽がありともに足元湧出である。
湯が透明で綺麗に澄み渡っている。上の湯は大きな岩が足元にあり、その周囲が砂利や砂敷きになっていてそこから湧出する。下の湯も砂利敷きの中から湧出する。
総計153mgの極めて清澄な源泉であるがHS 3.3mg S2O3 2.0mgで単純硫黄泉である。CO3を32.9mg含有しており陰イオンの主成分になっている。つまり炭酸ナトリウム系の単純温泉である。そのため透明、たまご味、硫黄臭で成分総量にしては絶大な存在感の良い湯である。
つるつるもほかの成分が少ないので非常に強く感じられる。つるつるやや強しと記入した。宿は木造の古い宿で左側が湯治棟で宿泊棟は玄関のある右側の棟である。ここの湯に入り足元からの湧出する湯の流れに身を任し、のんびり入浴していると夢想の境地になる。温度も30度台でヌル湯である。天然記念物にしたい温泉である。
6紫尾温泉 しび荘
紫尾温泉はこんなに良かったか。と思わせてくれた宿である。以前、神社の横にある古い共同湯に入り、その後新築されてからも入ったが、今回はしび荘に入浴した。総計373mgの単純硫黄泉でHS 12.2mg S2O3 1.0mg の含有量である。
HS系の硫黄泉特有の緑色透明になり素晴らしい源泉である。たまご味に硫黄臭はやや強めにある。そしてCO3が51.6mg(36%)で多量に含有されていてここも「つるつるやや強し」である。
掛け流しで使われており良い。楕円形の浴槽と壁際に四角い浴槽もある。露天風呂は一度外に出てから入浴する方式である。単純硫黄泉の代表とも言える立派な温泉であった。
7吹上温泉 みどり荘 宿泊
吹上温泉は黒い硫化鉄が湧出する温泉として珍しい。これは町営源泉が持つもので、みどり荘でも内湯が町営源泉を使っており、黒く濁っていた。
露天風呂が池の周囲に2か所あるがどちらも独自源泉で透明、無たまご味、硫黄臭である。
みどり荘はみどり池に面した敷地に点々と離れが点在する瀟洒な宿である。10年近くぶりに再訪した。
いぜんのまま内湯は町営源泉と独自源泉の混合泉で黒色(8センチ)焦げたまご味、硫黄臭は弱い。総計297㎎でHS16.44㎎という含有である。PHも9.0でつるつるの感触もある良い湯である。
この画面に戻る際はブラウザのバックボタンで戻ってください。 元のページに戻る