元のページに戻る
2013/01/14 中国 
山陰の温泉、野湯・秘湯3 

1  小屋原温泉 熊谷旅館  再訪  95

小屋原温泉は大好きでこれで4回目であるが、西日本でオフ会をするなら小屋原温泉にして、4か所の浴槽を次々に入浴し、温泉三昧をしたく思っていた。



この度、湯達入郎さんも参加していただき15人ほどの会になった。小屋原温泉は国内でも有数な炭酸泉で過去の分析表によると3100㎎であった。



今回行ってみると新分析表があり759㎎に大幅に減少していた。分析表上によると、単なるNa―Cl(食塩泉)の37.8度である。総計7350㎎でちょうど良いだし汁のような食塩量である。



しかし炭酸が759とは信じられない。4か所の湯はどこも身体じゅうに気泡が付き、湯口は炭酸刺激臭が強く、味覚は塩味の炭酸サイダーである。



炭酸の分析は源泉からの試料の採取方法によって1000㎎くらいはすぐに変わってしまうというが、それを痛感した。



4か所の浴槽は一番奥が木の浴槽で床の析出物が多い。泡付きも多い。奥から2番目の浴槽はコンクリートの小さな浴槽で析出物で変形している。床にも析出物が多く一番個性的な浴室である。



泡付きも浴槽が小さい分だけ多く、一番良い浴室であろう。奥から3番目の浴槽は小さなコンクリート浴槽で楕円形である。一番手前の奥から4番目の浴槽は泡付きは少なくなっている。



しかし湯量は多く炭酸刺激臭はある。毎分30.8リットルであるが4か所の浴槽を掛け流しにできるのである。温泉は使い方が一番大切である。



この温泉は非常に使い方がうまく感動的である。ややヌルいがゆっくりと楽しめる温泉で国内でも屈指の炭酸泉であろう。素晴らしい温泉をこれからも大事に守ってもらいたいと願う。





2  某温泉 源泉野湯    90

某温泉の源泉は凄い量の自噴の川であった。崖地と洞窟内から豊富に湯が沸き出し川になっている。温度も36~37度ほどある。



温泉地で使われているのは、そのほんの一部にしか過ぎなかった。炭酸臭でむせかえるほどの大量な源泉が斜面から湧出していた。洞窟の中は炭酸が充満し危険である。



入口で息を止めて窒息するのをこらえて入浴した。



この温泉は湯本館で利用されているとは聞いていたが、ほかの源泉は違うのであろうか?薄褐色の湯で炭酸塩味、炭酸刺激臭である。



湯口は大きく2か所あり、崖地から大量に湧出するものと、洞窟から湧出するものである。



その下にコンクリートの四角い桝がありそこでも入浴できる。桝から溢れ出る源泉が直径20センチほどの湯の柱になっている。ここでも浴びることができた。



推測すると毎分1500リットル以上の湧出量であろう。温泉が川になって流れ去っている。

 

3   某鉱泉 垂れ流し   70

某温泉の傾斜地から平野に出たところ、裾野に鉱泉が涌いていた。道路沿いで湯が塩ビ管から垂れ流されている。透明、エグ味、少金気臭である。



ただの水ではない。けっこう成分が含有されており、含食塩重層泉だと推測した。

最近は野湯や垂れ流しなどに行くことが多く温泉であるかどうか、その場で判断する。ここは1グラムを超えた塩類泉であろう。しかし温度がなく、常温である。20度前後だと思われる。



ここに簡易式コンテナバスを設置して入浴した。すこし離れたところに全員待機して、ひとりずつ入浴した。湧出地は道路下になるので車からは見えない。

 

4  湯抱温泉 湯抱荘   75

湯抱温泉は過去に中村屋旅館しか入浴しておらず、ほかの青山旅館はいつも入浴のみ不可である。今回は川の対岸にある、湯抱荘に入浴した。



総計4560mgの重曹食塩泉(Na-Cl,HCO3)で炭酸分は928mgとわずかに炭酸泉に届いていない。鉄分が13mgで比較的多い。



17.6度の鉱泉である。PH6.1である。ここは浴槽が茶褐色に染まっているが、析出物は少ない。
湯は茶褐色に濁り、塩炭酸渋味で少金気臭である。



加熱掛け流しであるが、まだ湯が半分しか溜まっていなかった。湯は加熱で劣化しており、炭酸分も抜けている。鉄分が析出始めており赤褐色になっている。

 

5  湯抱温泉 なかだ   80

川沿いの道路際の小さな宿、なかだにも入浴した。こちらの分析表も湯抱荘と同じであるが湯が新鮮であった。透明、炭酸味強し少塩味、炭酸刺激臭あり。と観察した。



こちらの方が新鮮で、湯抱荘のように赤くなっていない。



また透明でクリアーな炭酸泉といった源泉の使い方である。同じく加熱していながら湯の感触が違った。地下の鄙びたコンクリート浴槽と一人用の小さな家族風呂で入浴した。





6 千原温泉 千原温泉湯治場  再訪  90

千原温泉は私が一湯入魂温泉に載せてから訪問客が増えたそうである。三朝の大橋とセットで来る人が多いそうだ。



さて足元湧出の源泉浴槽である千原温泉は34.5度で総計11540mgと等調性の濃さを持っている。



CO2-Na-Cl,HCO3(含炭酸重曹食塩泉)である。CO2は1176mgでFeは4.6mgである。しかし足元から炭酸がぶくぶくと湧出し続け茶褐色に濁った湯で存在感は大きい。



析出物も縁に沿って付いておりなかなかの浴槽である。すばらしい温泉である。



7 井元の湯温泉 野湯木製ケーシング足元湧出  80

渓流沿いの滝の見える綺麗な景観の岸に丸い木製のケーシングが埋まっており、足元から温泉が湧出している。



10グラムほどの塩の濃さで炭酸量も2000以上あるであろう。鉄分も多く濃い茶褐色でオレンジ色である。



強炭酸味と塩味で無臭であった。入浴すると10度台の冷たさである。さらに炭酸泉の体感清涼感でこの上なく冷たく感じた。木製ケーシングのみの野湯である。



山陰には炭酸を含む食塩泉が湧出することが多くほとんどこの泉質である。しかしここは炭酸が多く、塩味もしっかりした濃い温泉であった。



8 酒谷の湯温泉 四角い木製浴槽垂れ流し野湯   80

井元の湯と同じような川沿いの源泉垂れ流し。こちらは足元湧出でなく樋から四角い木製の浴槽に源泉が注がれている。



ここも10グラムくらいの食塩泉で濃い茶褐色に濁り、塩味炭酸味で金気臭の温泉である。炭酸含有量は1500㎎くらいか?



渓流の上にあり川の流れと四角い赤い色の露天風呂との取り合わせが絵になった。しかし入浴は冷たく、炭酸清涼感でしびれるようであった。



野湯垂れ流しであった。まさに温泉道は修行であると痛感できる温泉であり、このように冷たいのが連続すると芯から冷えて辛いものがある。

 

9 頓原温泉   頓原ラムネ温泉    75

以前、頓原温泉は公共温泉施設で入浴したが今回、新築されラムネ温泉として営業されている。小さな内湯と貸切の浴槽が1つである。



内湯は加熱浴槽のみで赤く濁った湯であるが、貸切湯には源泉浴槽も付いており炭酸泉の味覚と清涼感、赤い加熱浴槽と隣り合っており、入り比べられる。



CO2-Na-HCO3、Cl(含炭酸食塩重層泉)で14.5度である。CO2は1400㎎である。総計3620㎎で塩味は薄い。クリアーな炭酸泉といった感じである。



加温浴槽は茶褐色、炭酸は抜けてエグ味、無臭で、源泉浴槽は緑色で炭酸味、塩分は少ない、少金気臭であった。これでも野湯の炭酸量から比べるとぜんぜん少なく、垂れ流しや足元湧出の下津井、井元、酒谷などの強力炭酸泉に比べると弱い。



しかし事前に貸切湯を予約して行ったので待つことなく源泉浴槽にも入浴できた。そして加熱によって炭酸が抜けるのもよくわかった。外に源泉飲泉口もあるが炭酸は1400とは思えないほど抜けていた。

 

10 塩が原温泉 掛合まめなかセンター   75

道路沿いにある温泉センター、公共の施設のようだ。総計6570㎎のNa―Cl,HCO3(重層食塩泉)で透明度30センチの赤褐色、塩エグ味(重層味)、えびせん臭であった。



18度の源泉が毎分44.3リットル湧出し加熱しながら掛け流しである。赤い色はFeの5.2㎎であろう。CO2も722㎎と多量に含有しているが加熱によって無くなってしまっていた。



まあまあ存在感のある湯であろう。炭酸が残っていればさらにベターであろう。内湯1つだけの簡素な施設であった。





 

 

 

※画像をクリックするとさらに大きな画像がご覧になれます。
この画面に戻る際はブラウザのバックボタンで戻ってください。
元のページに戻る
 このページの先頭へ
Copyright c 2010 Isamu Gunji All Rights Reserved.