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2013/03/16 九州 
長湯周辺の炭酸泉と湯布院の個性派温泉 

1 筌の口温泉 新清館

筌の口温泉は炭酸を充分に含有した温泉で、成長の度合いで緑色から赤褐色になる素晴らしいものである。総計3559㎎のNaMgCa-HCO3,SO4でCO2は750㎎という炭酸泉間近である。



鉄分は分析表には無いが、赤くなり大きな露天風呂は茶褐色、炭酸エグ味、金気臭と少炭酸刺激臭である。



風情のある造りで大きな露天風呂の中に東屋が建っており、湯口からは豪快に湯が注がれている。内湯はコンクリートの浴槽で湯の色が緑白濁である。



浴槽の縁には析出物が付着し、うろこ状になっていた。良い温泉である。



2 山里の湯温泉

炭酸泉の本場に来た。筌の口温泉の入口にある山里の湯はCO2が1080㎎で立派な炭酸泉である。



温度が40度あり炭酸泉としては熱い方である。源泉浴槽と仕切られた浴槽の2つがあり、源泉直接の浴槽は透明、2槽目は薄白濁していた。



源泉からは大量の気泡が湯口から上がっており、近くに行くと炭酸刺激臭がする。味覚は炭酸エグ味で炭酸が強い、匂いは炭酸臭とかつおぶし臭(微硫黄臭)である。



身体への泡付きが多く、すぐに真っ白に気泡が付く。素晴らしい炭酸泉である。このあと新清館を含めると炭酸泉系の温泉を6か所はしごするがここの泡付きが下ん湯の次に多かった。



3 七里田温泉 下ん湯

七里田温泉の下ん湯は日本有数の炭酸泉で泡付きも韮崎旭温泉などと日本一を競っている。



今回行ってみるとラムネ温泉と表示され外壁は塗り替えられて、内装もきれいに改修されていた。鍵付きになり、七里田温泉館で1000円の保証料を払って借りる方式であった。



浴槽は以前のままで湯の入れ方も湯口少し下からそっと入れている。透明、炭酸エグ味、炭酸臭+少金気臭であった。



泡付きは山里の湯よりさらに多く、超大である。自分が泡発生器になったように泡が付くのはここが一番であろう。温度も38度ほどでそれほどぬるくない。日本を代表する炭酸泉であろう。



 

4 長湯温泉 郷の湯旅館

入口の前に川があり、捨て湯の析出物が大量に丘のように付着して壮観な温泉。浴槽も析出物で縁が厚くなり茶碗のように析出物で凝り固まっている。



総計5573㎎のMgNa―HCO3(重炭酸土類泉)で炭酸CO2は792㎎と炭酸泉には少し達していない。黄色白濁、エグ味、無臭で源泉温度が高いので炭酸が飛んでいる感触であった。



露天風呂は湯が入れられておらず、内湯だけであった。湯は掛け流しで良い使い方である。



長湯全体に言えるが熱い温度なので炭酸分が源泉近くですぐに抜けてしまっているのが残念である。気泡は付かない。



5 長湯温泉 水神の森

なかなかすごい温泉がある。温度が48.4度もありながら炭酸分CO2を989㎎も含有しているのである。そしてタンクに溜めずに掛け流ししているので源泉周囲は炭酸刺激臭が放散されすごい存在感の源泉である。



鉄分も多く含み源泉名は含鉄土類重層泉(Fe2-NaMg-HCO3)である。総計5668㎎と濃い源泉である。



重層泉なので塩分はなくエグ味が強い。露天風呂と2浴槽の内湯の施設で茶褐色に濁り、炭酸エグ味、炭酸刺激臭が多く、アンモニア臭もある。



熱いので身体に気泡は付かないが匂いが凄く、充分に炭酸を感じられる名湯である。



 

6 長湯温泉 ラムネ温泉

藤森氏の変わった建築になってから初めてラムネ温泉に来た。外壁は焼いた木と白い漆喰で黒白のツートンカラーになっている。浴槽の入口は低く、茶室のにじり口のようであった。



2本の源泉を使っており内湯は温度のある源泉で総計4328㎎の重炭酸土類泉(MgNaCa-HCO3)で41.2度である。3つの浴槽があり微妙に温度が違っている。



緑褐色濁り、炭酸エグ味、湯口刺激臭と有機物臭があった。炭酸CO2も911㎎含有しほぼ炭酸泉に近いものである。長湯の代表的な泉質である。



露天風呂がヌル湯の炭酸泉で総計3662㎎の含炭酸重炭酸土類泉で32.3度である。CO2は1380㎎で溶存物質は2282㎎とその分少なくなっている。透明、炭酸清涼味、炭酸刺激臭あり、と観察した。



泡付きは山里の湯よりやや少なめの中程度ながらしっかりと気泡が付き身体が白くなる。以前の仮設の時とほぼ同じであったので良かった。



7 湯平温泉 志美津旅館

湯平温泉は飲泉が有名で、お茶代わりに温泉水を出すことでも有名である。四万、峨々温泉とともに日本三大胃腸病の湯に選定されている。



湯は総計2474㎎の重層食塩泉で69.5度である。透明、弱塩味+微エグ味、無臭と観察した。特に味覚は昆布茶の薄いもののような独特のうまさがあった。



この温泉の浴室は洞窟風呂が有名で、岩を組み合わせて洞窟のようになっている。瀟洒な和風宿で雰囲気が良い。



8 湯平温泉 砂湯温泉共同湯

湯平温泉街は細い石畳の両側に温泉宿が並んでいる風情のあるものである。その中に共同湯が点在していて格安で入浴できる。



金の湯共同湯、銀の湯共同湯、中の湯共同湯、橋本温泉共同湯、とこの砂湯温泉の5か所もある。



細い路地で川を渡ったところにある共同湯で、川に迫り出しており。洪水のときには流されそうな配置である。木枠の浴槽が1つの簡素なもので掛け流しで湯が床に溢れている。



熱い湯で透明、少塩味、無臭の湯平特有の泉質であった。

 

9 湯布院温泉 山のホテル夢想園

湯布院郊外にある温泉宿で、由布岳が敷地全体から見渡せ美しい斜面にある。大きな露天風呂から眺める立派な山容の由布岳は美しい。



男湯は御夢想の湯で、女湯が空海の湯、弘法の湯の2つ、このほか貸切風呂が4か所ほどある。62.5度のアルカリ性単純温泉で総計804㎎である。



炭酸イオンCO3が24㎎含有され弱いすべすべがある。浴槽は巨大なもので25メートルプールのようである。



循環であるが致し方ないであろう。しかし爽快な眺めと凝った造りの露天風呂で風情は良い。



10 湯布院温泉 ゆふいん泰葉

この湯には驚いた。青い湯でさらにつるつる強しであった。すごい存在感である。



98.4度の食塩泉で総計2007㎎である。そのうちつるつるの指標である炭酸イオンCO3は99.6㎎で九州地区でも指折りであろう。メタケイ酸は567㎎でかなり多い。



隣の庄屋の館が594㎎で少し勝っている。しかし青い色の湯で今回はすこし時間が経っていたのか、青色白濁であった。



弱い塩味、無臭である。すぐ横に大きなゆけむりが立っている源泉がある。以前行った一禅はこの源泉の引き湯とのことである。40トンタンクで1日冷ましてから浴槽に入れているがまだ熱いそうである。強烈なつるつるで素晴らしい温泉であった。



 

11 湯布院温泉 庄屋の館

大きな露天風呂が有名な庄屋の館に再訪した。今日は青色透明ではなく、青白濁であった。



総計2050㎎の食塩泉でCO3 21㎎でメタケイ酸594㎎という温泉で弱いつるつるの湯になっている。巨大な露天風呂が一つで100度近い高温の源泉が注がれている。



高温の源泉のため大きな露天風呂も表面が熱く掻き混ぜると適温になる。青白濁、微塩エグ味、噴気臭の温泉であった。



宿の造りは古い木造の移築なのか風情が出ている。離れのように点在している。個性的な温泉宿である。



 

 

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