九州温泉道 熊本県ほか
1 地獄温泉 清風荘 90
清風荘は木造2階の古い造りの宿で良い風情である。玄関に大きな提灯が2つ下げてあり特徴となっている。この温泉には宿泊も含めて数多く訪問している。何回来たか覚えていないほどである。
浴室は4か所にあり庭先に下がってゆくと混浴のすずめの湯がある。ここは足元湧出の浴槽でヌル目の浴槽は6つに区切られ、熱めの浴槽が2つに区切られている。灰白濁の色で、たまご味と酸味がある。
硫黄臭も多い。木製の内湯が男女別にあり、そこから混浴の露天風呂に行く。昔は泥湯であった。20数年前に初めて訪問した時には、底に泥が沈殿していて木枠の上にも泥が大量に溜まっていた。
しかし現在は灰白濁に濁った湯といった様子になっている。分析表が2つあり41.3度のPH2.9と47.1度のPH2.7の2つである。
足元から気泡が立ち昇りすずめの鳴く声に似ているのですずめの湯と命名されたが現在では気泡は少なくなってしまった。
また以前の話で申し訳ないが昔は一面に気泡が充満していて、確かにすずめの鳴くような音がしていた。ほかには玄関棟の並びにある内湯の元湯である。61度の湯で総計299㎎でH2S 1.4㎎である。薄白濁、酸味、無臭である。
離れの半露天風呂のような新湯もある。こちらは屋根付きの吹き放しで木枠の浴槽である。45.3度の単純酸性硫黄泉で総計1189㎎である。H2S 6.5㎎である。薄白濁、酸味、硫黄臭は少ない。
宿の裏手にあり、やや登ったところにあるのが露天風呂で白濁した湯である。微酸味、ほぼ無臭ながら掛け流しは多い。風情のある造りの露天風呂であった。女性用の露天風呂はその上にあり仇討の湯と言われている。すずめの湯の泥や気泡、匂いなどの存在感は行く度に減少してきているのが残念であるが、やはり足元湧出という点で高得点とした。
2 垂玉温泉 山口旅館 80
地獄温泉のすぐ下にある温泉。硫黄泉が主体の地獄温泉とは違い金気のある単純温泉である。宿の中に風情のある内湯、露天風呂があるが入浴時間外で、離れの金竜の滝直下にある滝の湯に入浴した。
43度の単純温泉で総計736㎎である。PH6.2でFeは2.0㎎である。浴槽の縁や岩が赤く染まり、金気があるのがわかる。透明、金気味、少金気臭であった。入浴しているとすぐ裏に滝が見えて絶景である。次回は泊まりでゆっくりと来たいものである。
3 坊中温泉 夢の湯 80
瀟洒な疎林の中にある和風の日帰り温泉。以前とは違い、改修されて風雅な施設となっていた
。
大きな内湯と露天風呂があり掛け流しで使われている。NaMg-SO4,HCO3土類重層硫酸塩泉で51.5度、総計2185㎎の温泉である。
薄褐色、エグ味、少金気臭で湯の存在感はある。色つきの硫酸塩泉は良い湯が多く、ここも良い温泉であった。
4満願寺温泉 温泉館 85
満願寺温泉の有名な川沿い露天風呂の裏にある温泉共同湯。四角いコンクリートの小さな建築である。透明、無味、無臭の単純温泉が豊富に掛け流しされており感動的である。
底が石貼りで縁がタイル貼りの浴槽である。42.8度で総計814㎎である。湧出量は毎分237リットルである。豪快な掛け流しは泉質にかかわらず新鮮で気持ちが良いものである。
5 黒川温泉 旅館山河 80
木々に囲まれた風情のある旅館で、内湯と混浴露天風呂がある。73.1度のNa-Cl.HCO3,SO4(芒硝、重層食塩泉)で総計1696㎎である。湧出量は毎分180リットルと豊富である。
内湯は大きな天然岩が組まれたもので太い柱の空間である。透明、無味、金気臭であった。
露天風呂は打たせ湯が付いた広いもので微ささ濁り、少金気味、少金気臭であった。露天風呂は美しく造りこまれていて、黒川温泉の代表的なものである。
宿の造りも黒川調で黒い柱と瓦屋根の雰囲気のある旅館である。囲炉裏の棟もある。人気があるのがうなづける。
6 黒川温泉 こうの湯 80
こうの湯は以前、開業当時に訪問したことがある。新築で木々も少なく閑散としていたが、今回は草木が生い茂り、立派な風情のある宿に変わっていた。
離れの露天風呂棟は太い柱、梁で造られた脱衣所があり、露天風呂に出て行く。以前は赤い湯であったが現在は緑色で少金気味、無臭となっていた。
大きな露天風呂に3本の打たせ湯が付いていて、その先に深さ1.6メートルの立湯がある。52度の単純温泉であるが新鮮でよかった。
黒川温泉は穴湯などの酸性泉から硫酸塩泉、金気臭のある単純温泉、白濁する硫黄泉など多種の源泉があり楽しめる温泉地である。
7 山川温泉 しらはなシンフォニー 85
山川温泉は過去に共同湯と山林閣、華ゆうに入浴したことがあるが、しらはなシンフォニーは初めてである。単純硫黄泉で黄色い湯の花が大量に沈殿するのは山林閣などとも同じであった。
透明であるが入浴すると白濁し、たまご味、硫黄臭多し、と観察した。露天風呂が2か所にあり、ほかにも男女別の内湯と露天風呂がある。
含硫黄芒硝石膏泉(S―CaNa-SO4,Cl)で53.4度、総計1251㎎、HS 0.1㎎ H2S 4.2㎎という成分量であった。
この山川温泉は湯の花が多く湯口にはビロードのように白い硫黄華が付いている。また浴槽の底にも多量に沈殿しており、入浴すると真っ白に白濁する。良い温泉である。
8岳の湯温泉 ゆけむり茶屋 75
湯けむりに包まれた集落の岳の湯温泉に日帰り温泉施設ができた。白地商店の左下の敷地である。瓦屋根の平屋の新築施設である。大きな内湯が2つの浴槽であるのみの簡素な施設である。透明、微塩味、無臭であった。
掛け流しで利用されている。入口の前には石を刳り貫きそこから噴気を出しているオブジェがあり、この地域の地熱の高さを実感した。
岳の湯は小さな湯小屋が各地にあってみな地元専用温泉になっている。以前はお願いして地元専用温泉に入ったがここが出来て誰でも入浴できるようになり混雑していた。
9 はげの湯温泉 豊礼の湯 80
はげの湯では、以前出版した一湯入魂温泉では青い湯で美しいわいた山荘を紹介したが、その後、この豊礼の湯が出来てこちらでも青い湯に入れるようになった。
青い湯は100度近い温度で湧出した食塩泉がなることがほとんどでほかには硫黄泉が青白くなることがあるが高温の食塩泉からなる青い湯は青色透明の時があり美しい。
この豊礼の湯は青白いことが多く、わいた山荘やいちのいで会館、神和苑のような青色透明の時は少ない。今回は青白濁、塩味、噴気臭であった。
つるつるの感触があり入浴感は非常に良い。96.5度の食塩泉で総計2620㎎である。メタケイ酸は73.4㎎と青くなる湯にしては比較的少ない。露天風呂のみの施設で涌蓋山の展望が美しい。
10 北乃園温泉 80
川底温泉や壁湯、法泉寺温泉などを抜けて大分県に入った。玖珠町の北乃園温泉に入浴するためである。玖珠町には街中にも各所に温泉があり20か所ほど温泉が点在している。
ほとんど入浴したが位置が離れているので温泉数のカウントは別にしている。分かりづらい場所にあり、以前訪問したことがあるが今回はかなり迷った。
小さな湯小屋の共同湯で小さな内湯が一つである。掛け流しで利用されている。湯は薄い黄色で少油味がする、匂いはモール臭とでも言おうか?53度の温泉で分析表を見忘れてしまった。
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